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落下星 (50)
2009.10.24 Sat
心地よいまどろみの中から、急に現実世界に引き戻されて、まだ状況を把握できないのか、「何?」と睦月は後ろを振り返ろうとする。
「ホラ、前向いてー」
聞こえないとは思ったけれど、そう言って睦月に前を向かせる。
また目を閉じるのかな、と思ったが、先ほどのいたずらなキスのこともあり、亮が自分に何か仕掛けていることに、薄々だがようやく感づいた睦月は、怪訝そうに鏡の中の亮を見る。
「何ー? 亮、何つったのー?」
「好きだって言ったんだよ」
「え? え?」
鏡越し、亮が何か言ったのは唇の動きで分かるのだけれど、それを読み取るまでは出来なくて、睦月は、何? 何? と亮のほうを向きたがる。
あらかた髪を乾かし終え、亮はドライヤーのスイッチを切った。
「亮、何て言ってたのー?」
「んー?」
「てか、髪乾かしてるとき、何かしなかった?」
今さらそんなことを聞いてくるなんて、随分のん気なものだ。
亮は思わず笑いたくなったけれど、笑ったら機嫌を損ねるのは分かっているので、何とか噛み殺す。
「何もしてないよ」
教えてあげてもよかったけれど、あのときのかわいい睦月の様子は、自分の中にしまっておこうと思う。
「嘘、何かしたでしょ? 何かそんな顔してる」
「そんな顔って、どんな顔よ。…はい、完了」
備え付けてあったブラシで、乾かした髪を解かしてあげて、亮の即席美容室は終了だ。
手先の器用な亮は、髪のセットがうまい。
帰ったらもう寝るだけなのに、これからお出掛けでもするみたいな雰囲気の仕上がりに、睦月もご満悦な表情だ。
「亮の髪、俺が乾かしたげる。お返しに」
「え、いいよ。もう殆ど乾いてるし」
「ヤ! するの! はい、座って」
「え、えー」
気持ちは有り難いが、超が付くほど不器用な睦月に、たとえ髪を乾かすだけとはいえ、任せるのは何だか不安だ。
けれど睦月はやる気満々でドライヤーを構えていて、逆らえずに亮は大人しく睦月と場所を交代した。
楽しそうにドライヤーのスイッチを入れた睦月だったが、やはり元の性格が反映するのだろう、その乾かし方は、決して丁寧とは言い難い、雑なものだった。
(まぁ、そこが睦月らしいけど)
耳の辺りとか、思い切り熱風が掛かっているのだが、睦月に声を掛けても返事はない。
ドライヤーの音にかき消されたのか、髪を乾かすことに集中していて、声が届かなかったのか、とにかく鏡の中の睦月は、真剣な表情で亮の頭に集中している。
「ホラ、前向いてー」
聞こえないとは思ったけれど、そう言って睦月に前を向かせる。
また目を閉じるのかな、と思ったが、先ほどのいたずらなキスのこともあり、亮が自分に何か仕掛けていることに、薄々だがようやく感づいた睦月は、怪訝そうに鏡の中の亮を見る。
「何ー? 亮、何つったのー?」
「好きだって言ったんだよ」
「え? え?」
鏡越し、亮が何か言ったのは唇の動きで分かるのだけれど、それを読み取るまでは出来なくて、睦月は、何? 何? と亮のほうを向きたがる。
あらかた髪を乾かし終え、亮はドライヤーのスイッチを切った。
「亮、何て言ってたのー?」
「んー?」
「てか、髪乾かしてるとき、何かしなかった?」
今さらそんなことを聞いてくるなんて、随分のん気なものだ。
亮は思わず笑いたくなったけれど、笑ったら機嫌を損ねるのは分かっているので、何とか噛み殺す。
「何もしてないよ」
教えてあげてもよかったけれど、あのときのかわいい睦月の様子は、自分の中にしまっておこうと思う。
「嘘、何かしたでしょ? 何かそんな顔してる」
「そんな顔って、どんな顔よ。…はい、完了」
備え付けてあったブラシで、乾かした髪を解かしてあげて、亮の即席美容室は終了だ。
手先の器用な亮は、髪のセットがうまい。
帰ったらもう寝るだけなのに、これからお出掛けでもするみたいな雰囲気の仕上がりに、睦月もご満悦な表情だ。
「亮の髪、俺が乾かしたげる。お返しに」
「え、いいよ。もう殆ど乾いてるし」
「ヤ! するの! はい、座って」
「え、えー」
気持ちは有り難いが、超が付くほど不器用な睦月に、たとえ髪を乾かすだけとはいえ、任せるのは何だか不安だ。
けれど睦月はやる気満々でドライヤーを構えていて、逆らえずに亮は大人しく睦月と場所を交代した。
楽しそうにドライヤーのスイッチを入れた睦月だったが、やはり元の性格が反映するのだろう、その乾かし方は、決して丁寧とは言い難い、雑なものだった。
(まぁ、そこが睦月らしいけど)
耳の辺りとか、思い切り熱風が掛かっているのだが、睦月に声を掛けても返事はない。
ドライヤーの音にかき消されたのか、髪を乾かすことに集中していて、声が届かなかったのか、とにかく鏡の中の睦月は、真剣な表情で亮の頭に集中している。
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