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落下星 (35) R18
2009.10.09 Fri
*R18です。18歳未満のかた、そういったものが苦手なかたはご遠慮ください。
先ほどひどく抵抗し、亮を拒絶した睦月の態度も気になるし、違う違うと言う伝えてきた睦月の言葉も気になるが、このままで話を聞くには辛すぎる。
不謹慎かもしれないが、男の体なんてそんなもんだ。
亮は深呼吸してから、睦月の中から自身を引き抜いた。
「むーっちゃん」
亮は睦月から体を離すと、不安げな顔で見上げている睦月の体を起してやって、自分の足の上に座らせた。
「んっ…」
まだ熱を持ったままの亮自身が足の間に触れて、睦月は少し身を竦ませる。
「ね、さっきの、違うて何?」
「え…? ぁん…」
「教えて?」
唇を合わせたまま、吐息とともに尋ねられ、困ったように目を伏せた。
問われたことに答えようとしているのに、亮は睦月の髪を撫でながらキスを仕掛けてくるから、うまく話せない。
「だから…、亮が謝るとか、ないし…」
「でも怖がらせちゃったでしょ? 睦月のこと」
「そ…じゃなくて、亮のせいじゃな…」
亮の胸に体を預け、その肩口に額を乗せた。
「分かんな…亮だって分かってたのに、でも…」
「…」
ちゃんと分かっていた。
キスしてくれるのも、抱き締めてくれるのも、愛してくれるのも、全部亮だってこと、ちゃんと分かっていたのに。
ゆっくりと睦月の中に侵入してくる熱い塊に、固く瞑った目の裏に映ったのは、亮ではなくて――――。
顔なんて覚えていない。
けれど、あのとき覆い被さって来た男の影が、睦月がどんなに抵抗しても押しやることの出来なかった男の姿が、どうしてか今さら亮と重なって。
「ッ…」
急にゾワリとした感覚が背筋を駆け上って、睦月は大きく体を震わせた。
その感覚は決して快感ではなく、嫌悪の情。
睦月は、本当に自分のことが嫌になった。
亮はこんなに優しくしてくれて、何も怖がることもなくて、自分だって平気だし無理じゃない、て言ったのに。
「辛いこと、思い出した?」
「……、…ないっ…!」
「ん?」
「思い出してない! 思い出さない…!」
亮は違う。
あの男とは、全然違う。
辛いことなんて何もないし、何も思い出さないから。
だから、このままやめたりなんかしないで。
先ほどひどく抵抗し、亮を拒絶した睦月の態度も気になるし、違う違うと言う伝えてきた睦月の言葉も気になるが、このままで話を聞くには辛すぎる。
不謹慎かもしれないが、男の体なんてそんなもんだ。
亮は深呼吸してから、睦月の中から自身を引き抜いた。
「むーっちゃん」
亮は睦月から体を離すと、不安げな顔で見上げている睦月の体を起してやって、自分の足の上に座らせた。
「んっ…」
まだ熱を持ったままの亮自身が足の間に触れて、睦月は少し身を竦ませる。
「ね、さっきの、違うて何?」
「え…? ぁん…」
「教えて?」
唇を合わせたまま、吐息とともに尋ねられ、困ったように目を伏せた。
問われたことに答えようとしているのに、亮は睦月の髪を撫でながらキスを仕掛けてくるから、うまく話せない。
「だから…、亮が謝るとか、ないし…」
「でも怖がらせちゃったでしょ? 睦月のこと」
「そ…じゃなくて、亮のせいじゃな…」
亮の胸に体を預け、その肩口に額を乗せた。
「分かんな…亮だって分かってたのに、でも…」
「…」
ちゃんと分かっていた。
キスしてくれるのも、抱き締めてくれるのも、愛してくれるのも、全部亮だってこと、ちゃんと分かっていたのに。
ゆっくりと睦月の中に侵入してくる熱い塊に、固く瞑った目の裏に映ったのは、亮ではなくて――――。
顔なんて覚えていない。
けれど、あのとき覆い被さって来た男の影が、睦月がどんなに抵抗しても押しやることの出来なかった男の姿が、どうしてか今さら亮と重なって。
「ッ…」
急にゾワリとした感覚が背筋を駆け上って、睦月は大きく体を震わせた。
その感覚は決して快感ではなく、嫌悪の情。
睦月は、本当に自分のことが嫌になった。
亮はこんなに優しくしてくれて、何も怖がることもなくて、自分だって平気だし無理じゃない、て言ったのに。
「辛いこと、思い出した?」
「……、…ないっ…!」
「ん?」
「思い出してない! 思い出さない…!」
亮は違う。
あの男とは、全然違う。
辛いことなんて何もないし、何も思い出さないから。
だから、このままやめたりなんかしないで。
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ ゜+.゜.(⊃Д`*)゜+.゜
亮たん、何ていいヤツなんだ~~゜+.゜.(⊃Д`*)゜+.゜
どれだけむっちゃんを大事に想ってるか、伝わって来ますよね。
そしてむっちゃんも。
トラウマってそう簡単に抜けるものじゃないし、それは意識の更に奥にあるものだから、自分の力だけでどうこう出来るものでもなくて。
亮たんの事好きで、先に進みたいのに、心と体と思考とが上手くリンク出来なくて……。
2人の想いがそこに確かなものとして存在しているのが見えるだけに、切ないなぁ(;つД`)クスン
無事に幸せな思い出へと塗り替えられる事を願ってます!
どれだけむっちゃんを大事に想ってるか、伝わって来ますよね。
そしてむっちゃんも。
トラウマってそう簡単に抜けるものじゃないし、それは意識の更に奥にあるものだから、自分の力だけでどうこう出来るものでもなくて。
亮たんの事好きで、先に進みたいのに、心と体と思考とが上手くリンク出来なくて……。
2人の想いがそこに確かなものとして存在しているのが見えるだけに、切ないなぁ(;つД`)クスン
無事に幸せな思い出へと塗り替えられる事を願ってます!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> 亮たん、何ていいヤツなんだ~~゜+.゜.(⊃Д`*)゜+.゜
> どれだけむっちゃんを大事に想ってるか、伝わって来ますよね。
ありがとうございま~す!
書いてるほうも、亮タンが20歳の大学生だてこと、一瞬、忘れかけます…。
もしかしたら、彼が一番大人かも。。。
> 2人の想いがそこに確かなものとして存在しているのが見えるだけに、切ないなぁ(;つД`)クスン
自分が思い願っていることと、本能みたいのがリンクしないっていう今の現実はやっぱ切ないですよね。
むっちゃんは、今まであんまりにも無邪気な子に書きすぎてたんですが、実は内面ではいろんな葛藤があったかと。
読んでるみなさんにも、だいぶ切ない思いをさせてますよね。
すみません(>_<)
> 無事に幸せな思い出へと塗り替えられる事を願ってます!
柚子季さんの願い、ちゃんと成就できるよう、がんばります!
コメントありがとうございました!
> どれだけむっちゃんを大事に想ってるか、伝わって来ますよね。
ありがとうございま~す!
書いてるほうも、亮タンが20歳の大学生だてこと、一瞬、忘れかけます…。
もしかしたら、彼が一番大人かも。。。
> 2人の想いがそこに確かなものとして存在しているのが見えるだけに、切ないなぁ(;つД`)クスン
自分が思い願っていることと、本能みたいのがリンクしないっていう今の現実はやっぱ切ないですよね。
むっちゃんは、今まであんまりにも無邪気な子に書きすぎてたんですが、実は内面ではいろんな葛藤があったかと。
読んでるみなさんにも、だいぶ切ない思いをさせてますよね。
すみません(>_<)
> 無事に幸せな思い出へと塗り替えられる事を願ってます!
柚子季さんの願い、ちゃんと成就できるよう、がんばります!
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >拍手コメ→Sさん
イニシャルにしてしまうと、同じかたがたくさんいて、混同してしまいそうで申し訳ないのですが…9日の朝7:00ごろ拍手をくださったSさんです。
初めまして。
拍手ありがとうございます。
そして、むっちゃんへの激励、ありがとうございます!
むっちゃんも、単なる無邪気なだけの子でなく、実は内面ではいろいろ抱えていたのだというところ、ようやく書けているかな、といった感じです。
切ない思いをさせまくってますが、ラストに向けて、がんばります!
拍手&コメントありがとうございました!
初めまして。
拍手ありがとうございます。
そして、むっちゃんへの激励、ありがとうございます!
むっちゃんも、単なる無邪気なだけの子でなく、実は内面ではいろいろ抱えていたのだというところ、ようやく書けているかな、といった感じです。
切ない思いをさせまくってますが、ラストに向けて、がんばります!
拍手&コメントありがとうございました!