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落下星 (12)
2009.09.16 Wed
「でも俺は祐介とは違うし、睦月のことLOVEって意味で好きだし、恋人だし、……やっぱその話題を避けて通れないと思うわけ」
「うん」
睦月は、ジーッと亮の顔を見つめながら、その言葉の1つ1つを真剣に聞き入っている。
今度こそ、言っていることの意味が分からないままでは終われないのだ。
「俺はね、男同士だろうと男と女だろうと、恋人同士がするセックスに、気持ち悪いなんてこと、ないと思ってるよ」
「うん」
「でも世の中にはいろんな人がいるじゃん?」
中にはやはり、同性同士のセックスを歪なことだと捉える人もいるだろうし、逆に異性とではうまく行為に及べない人だっている。
様々なセクシュアリティがあり、日本でも昔ほど偏見や差別はなくなってきているけれど、自分が同性愛者であることを大っぴらに言えるほど、自由な風潮でもなくて。
だからこそ、祐介は余計に神経を過敏にしていたし、亮もこのままではいられないと思っていた。
「もしかしたら、また睦月に『男同士なんて気持ち悪い』て言うヤツがいるかもしんないけど、俺はそうは思わないから、だから、睦月はそんなヤツの言葉じゃなくて、俺のこと信じてほしい、て思うし、」
まだ言いたいことはあったけれど、亮はそこでいったん言葉を切った。
信じてほしいだなんて、あのとき、祐介の言うことですら睦月は信じなかったのに。
――――それでも俺の言葉を、信じてくれる?
「亮は、男とすんのが気持ち悪いから、俺とエッチしないんじゃないんだ?」
「違うよ、そうじゃない」
「じゃあ何でしないの?」
自分の考えと、亮の思いと、あのとき必死に否定した祐介のこととか、クラスメイトとか、いろんなことが睦月の頭の中をグルグル回る。
何が正しくて、何が間違っているのかなんて分からないけれど、何を信じるかは、自分が決めなければいけないこと。
亮の答えは、いったい何?
「……睦月は昔、辛い思いしたじゃん? だから男の俺に迫られるのは、俺とそういうことすんのは、やっぱ怖いのかな、て思ったから」
「…」
「昔のこと思い出させるなら、それでまた睦月に辛い思いをさせるなら、手出さないほうがいいんだろうな、て」
今でも時おり夢に現われては、睦月を苦しめる過去。
亮がその欲望を睦月に向けるということは、つまり過去のその男と同じことで。
「言ったでしょ、睦月のこと、傷付けたくないって」
睦月はまっすぐに亮のことを見つめる。
亮の言葉の意味を、必死に考える。
「俺、傷付くのかな?」
しばらく考え込んでから、睦月が口にした言葉は、何ともとんちんかんなセリフで。
人が聞いたら、「自分のことなのに、分かんないの?」と言われそうなことを、睦月は真剣な表情で亮に聞いてきた。
「うん」
睦月は、ジーッと亮の顔を見つめながら、その言葉の1つ1つを真剣に聞き入っている。
今度こそ、言っていることの意味が分からないままでは終われないのだ。
「俺はね、男同士だろうと男と女だろうと、恋人同士がするセックスに、気持ち悪いなんてこと、ないと思ってるよ」
「うん」
「でも世の中にはいろんな人がいるじゃん?」
中にはやはり、同性同士のセックスを歪なことだと捉える人もいるだろうし、逆に異性とではうまく行為に及べない人だっている。
様々なセクシュアリティがあり、日本でも昔ほど偏見や差別はなくなってきているけれど、自分が同性愛者であることを大っぴらに言えるほど、自由な風潮でもなくて。
だからこそ、祐介は余計に神経を過敏にしていたし、亮もこのままではいられないと思っていた。
「もしかしたら、また睦月に『男同士なんて気持ち悪い』て言うヤツがいるかもしんないけど、俺はそうは思わないから、だから、睦月はそんなヤツの言葉じゃなくて、俺のこと信じてほしい、て思うし、」
まだ言いたいことはあったけれど、亮はそこでいったん言葉を切った。
信じてほしいだなんて、あのとき、祐介の言うことですら睦月は信じなかったのに。
――――それでも俺の言葉を、信じてくれる?
「亮は、男とすんのが気持ち悪いから、俺とエッチしないんじゃないんだ?」
「違うよ、そうじゃない」
「じゃあ何でしないの?」
自分の考えと、亮の思いと、あのとき必死に否定した祐介のこととか、クラスメイトとか、いろんなことが睦月の頭の中をグルグル回る。
何が正しくて、何が間違っているのかなんて分からないけれど、何を信じるかは、自分が決めなければいけないこと。
亮の答えは、いったい何?
「……睦月は昔、辛い思いしたじゃん? だから男の俺に迫られるのは、俺とそういうことすんのは、やっぱ怖いのかな、て思ったから」
「…」
「昔のこと思い出させるなら、それでまた睦月に辛い思いをさせるなら、手出さないほうがいいんだろうな、て」
今でも時おり夢に現われては、睦月を苦しめる過去。
亮がその欲望を睦月に向けるということは、つまり過去のその男と同じことで。
「言ったでしょ、睦月のこと、傷付けたくないって」
睦月はまっすぐに亮のことを見つめる。
亮の言葉の意味を、必死に考える。
「俺、傷付くのかな?」
しばらく考え込んでから、睦月が口にした言葉は、何ともとんちんかんなセリフで。
人が聞いたら、「自分のことなのに、分かんないの?」と言われそうなことを、睦月は真剣な表情で亮に聞いてきた。
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りり ⇒ むっちゃんが可愛すぎます!!
お姫様と下僕のように見えてたむっちゃんと亮たん。
こんな突っ込んだ話をしてるなんてそれだけで感無量です……。
なかなかこゆことって恋人同士でも話し合わなかったりしますよね。
恋愛の根幹に関わるような微妙な問題だから、触れるのが怖いというか。
でもこれを解きほぐしてあげないと、えちっていう意味だけではなくて二人の間がこれ以上近づかない。
むっちゃんも亮たんも頑張ったよーー…。
傷つくのかな。多分、傷つくんじゃなくて、おしまいまで頑張ったら癒されるんじゃないかと希望も含めて思います。
こんな突っ込んだ話をしてるなんてそれだけで感無量です……。
なかなかこゆことって恋人同士でも話し合わなかったりしますよね。
恋愛の根幹に関わるような微妙な問題だから、触れるのが怖いというか。
でもこれを解きほぐしてあげないと、えちっていう意味だけではなくて二人の間がこれ以上近づかない。
むっちゃんも亮たんも頑張ったよーー…。
傷つくのかな。多分、傷つくんじゃなくて、おしまいまで頑張ったら癒されるんじゃないかと希望も含めて思います。
如月久美子 ⇒ >りりさん
> お姫様と下僕のように見えてたむっちゃんと亮たん。
> こんな突っ込んだ話をしてるなんてそれだけで感無量です……。
あはははー……否定できない…。
むっちゃんは、いろんな人からすごく愛されてるんだけど、ちょっとその部分に鈍感ですよね。
お姫もいいとこなんですが(汗)
> なかなかこゆことって恋人同士でも話し合わなかったりしますよね。
> 恋愛の根幹に関わるような微妙な問題だから、触れるのが怖いというか。
> でもこれを解きほぐしてあげないと、えちっていう意味だけではなくて二人の間がこれ以上近づかない。
> むっちゃんも亮たんも頑張ったよーー…。
この2人だからこそ、ちゃんと話し合ったというか、話さなきゃ、て感じになったんだと思います。
普通のカップルだったら、何となくで済んで、通過していってしまいそうなことですし。
ホント、よくがんばりました(笑)
コメントありがとうございました!
> こんな突っ込んだ話をしてるなんてそれだけで感無量です……。
あはははー……否定できない…。
むっちゃんは、いろんな人からすごく愛されてるんだけど、ちょっとその部分に鈍感ですよね。
お姫もいいとこなんですが(汗)
> なかなかこゆことって恋人同士でも話し合わなかったりしますよね。
> 恋愛の根幹に関わるような微妙な問題だから、触れるのが怖いというか。
> でもこれを解きほぐしてあげないと、えちっていう意味だけではなくて二人の間がこれ以上近づかない。
> むっちゃんも亮たんも頑張ったよーー…。
この2人だからこそ、ちゃんと話し合ったというか、話さなきゃ、て感じになったんだと思います。
普通のカップルだったら、何となくで済んで、通過していってしまいそうなことですし。
ホント、よくがんばりました(笑)
コメントありがとうございました!