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落下星 (10)
2009.09.14 Mon
「え? 何、え…?」
「みんな、男同士でエッチするとか気持ち悪いって言うから、だから亮も、気持ち悪いのかな、て思って。好きだからキスとか出来るけど、やっぱエッチは気持ち悪いのかな、て」
驚くようなことを話しながら、けれど睦月の表情は特別変わりはしない。
自分の思っていたことを、ただ話しているだけで。
「俺は気持ち悪いとか思わないけど、みんなは気持ち悪いって言うから、俺、変だし、亮は…」
「ちょ、ちょっと待ってよ! 睦月、何、誰が言ったの? 気持ち悪いって、睦月に言ったの?」
先ほど湧いたモヤモヤした重たい気持ちはもうなくて、それよりも、睦月がそんなふうに思うようになった、そのいきさつが気になって、思わず睦月に問い詰めてしまう。
「みんな、友だちとか」
「睦月に言ったの?」
まさか、睦月の過去を知って、そんな言葉を投げ掛けたのだろうか。
そんなヤツらを、睦月は"友だち"と呼ぶ気なのだろうか。
「俺に言ったわけじゃないけど…、高校のころ、何かそんな話になって」
確か前夜のテレビ番組の話をしていた。
同性愛者を特集した番組で、登場した男性が、磨りガラス越しながら自分がゲイであることを告白したり、ゲイのカップルが登場して自分たちの生活を話したりした、そんな番組。
クラスメイト数人で会話が進むうち、誰かが言ったのだ。
『でも男同士でセックスとか、気持ち悪くね?』
高校で睦月の過去を知っているのは祐介以外いなかったから、それは睦月へ向けられた悪意の言葉でなく、子どもながらの残酷さに満ちた、偏見から来る一言でしかなかった。
睦月はクラスメイトの言葉に傷付かなかったし、むしろ、みんなが言うのだから、男同士のセックスって気持ち悪いんだー、と知った気分だった。
だから、クラスメイトが思うようには感じない自分は、きっとどこか変なのかもしれないと祐介に言ったとき、祐介がそれを必死に否定するのがなぜなのか、睦月には分からなかった。
祐介が睦月のためを思って怒ってくれているのは理解できても、みんなとは考えていることが違うし、変なのはやっぱり自分なんだろうなぁ、と思っていた。
祐介は、睦月のことを心配しているからこそ、男性との性的な話題には敏感で、それによって睦月が傷付かないか常に気にしていたし、そういう話になると不機嫌になった。
そのころ睦月には、本当に心を許して話が出来るのは祐介しかいなかったから、祐介の機嫌が悪くなる話題を自分からはしなかったし、他の誰かとそんな話をすることもなかったから、睦月はずっと、男同士のセックスは気持ち悪いことで、そう思わない自分がおかしいのだと思い続けていた。
それがあまりにも非好意的で、偏った考えだとしても。
だから、亮と付き合うようになってからも、亮は自分と違って変じゃないから、きっとセックスは気持ち悪くて出来ないんだろう、と睦月は思っていた。
なのに亮は時々、欲望の滲んだ瞳で睦月のことを見るし、エッチなキスはするし、睦月は亮が気持ち悪がると思っていろいろ我慢してるのに、それには全然気付いてくれないし、ずっとヤキモキしていたのだ。
「…それが、睦月の思ってたこと?」
過去の様々な出来事に憤慨するわけでもなく(けれど、亮が全然自分の気持ちを分かってくれてない! てところは力強く話し)、睦月は最後、亮の言葉にコクリと頷いた。
「みんな、男同士でエッチするとか気持ち悪いって言うから、だから亮も、気持ち悪いのかな、て思って。好きだからキスとか出来るけど、やっぱエッチは気持ち悪いのかな、て」
驚くようなことを話しながら、けれど睦月の表情は特別変わりはしない。
自分の思っていたことを、ただ話しているだけで。
「俺は気持ち悪いとか思わないけど、みんなは気持ち悪いって言うから、俺、変だし、亮は…」
「ちょ、ちょっと待ってよ! 睦月、何、誰が言ったの? 気持ち悪いって、睦月に言ったの?」
先ほど湧いたモヤモヤした重たい気持ちはもうなくて、それよりも、睦月がそんなふうに思うようになった、そのいきさつが気になって、思わず睦月に問い詰めてしまう。
「みんな、友だちとか」
「睦月に言ったの?」
まさか、睦月の過去を知って、そんな言葉を投げ掛けたのだろうか。
そんなヤツらを、睦月は"友だち"と呼ぶ気なのだろうか。
「俺に言ったわけじゃないけど…、高校のころ、何かそんな話になって」
確か前夜のテレビ番組の話をしていた。
同性愛者を特集した番組で、登場した男性が、磨りガラス越しながら自分がゲイであることを告白したり、ゲイのカップルが登場して自分たちの生活を話したりした、そんな番組。
クラスメイト数人で会話が進むうち、誰かが言ったのだ。
『でも男同士でセックスとか、気持ち悪くね?』
高校で睦月の過去を知っているのは祐介以外いなかったから、それは睦月へ向けられた悪意の言葉でなく、子どもながらの残酷さに満ちた、偏見から来る一言でしかなかった。
睦月はクラスメイトの言葉に傷付かなかったし、むしろ、みんなが言うのだから、男同士のセックスって気持ち悪いんだー、と知った気分だった。
だから、クラスメイトが思うようには感じない自分は、きっとどこか変なのかもしれないと祐介に言ったとき、祐介がそれを必死に否定するのがなぜなのか、睦月には分からなかった。
祐介が睦月のためを思って怒ってくれているのは理解できても、みんなとは考えていることが違うし、変なのはやっぱり自分なんだろうなぁ、と思っていた。
祐介は、睦月のことを心配しているからこそ、男性との性的な話題には敏感で、それによって睦月が傷付かないか常に気にしていたし、そういう話になると不機嫌になった。
そのころ睦月には、本当に心を許して話が出来るのは祐介しかいなかったから、祐介の機嫌が悪くなる話題を自分からはしなかったし、他の誰かとそんな話をすることもなかったから、睦月はずっと、男同士のセックスは気持ち悪いことで、そう思わない自分がおかしいのだと思い続けていた。
それがあまりにも非好意的で、偏った考えだとしても。
だから、亮と付き合うようになってからも、亮は自分と違って変じゃないから、きっとセックスは気持ち悪くて出来ないんだろう、と睦月は思っていた。
なのに亮は時々、欲望の滲んだ瞳で睦月のことを見るし、エッチなキスはするし、睦月は亮が気持ち悪がると思っていろいろ我慢してるのに、それには全然気付いてくれないし、ずっとヤキモキしていたのだ。
「…それが、睦月の思ってたこと?」
過去の様々な出来事に憤慨するわけでもなく(けれど、亮が全然自分の気持ちを分かってくれてない! てところは力強く話し)、睦月は最後、亮の言葉にコクリと頷いた。
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柚子季杏 ⇒ なるほど~~
それによって傷付いたりという事が無かった、それだけでもホッとしました。
ゆっちが常に傍でむっちゃんを支えて、守ってくれていたおかげもあるのでしょうね。
友人同士の何気無い会話。
本当に悪気があっての言葉ではなく、すっと口を突いて出てしまうような軽い感覚での会話だったのでしょうけれど……それがずっとむっちゃんの中では枷になっていたんですねぇ。
亮たん、本当ストレート勝負してよかったわ~~ウン゚.+:。(*-ω-)(-ω-*)゚.+:。ウン
むっちゃんの中では、トラウマが残ってはいても、それに対しての嫌悪とかはないのですね。
それも相手を(亮たんを)好きだという想いがあるから余計に。
さぁー亮たん、どう出る?( ̄ー ̄)ニヤリッ
にしても、このお話の間中、亮たんのお膝の上に抱っこ状態のむっちゃん……想像したら萌えます(///∇//)テレテレ☆
ゆっちが常に傍でむっちゃんを支えて、守ってくれていたおかげもあるのでしょうね。
友人同士の何気無い会話。
本当に悪気があっての言葉ではなく、すっと口を突いて出てしまうような軽い感覚での会話だったのでしょうけれど……それがずっとむっちゃんの中では枷になっていたんですねぇ。
亮たん、本当ストレート勝負してよかったわ~~ウン゚.+:。(*-ω-)(-ω-*)゚.+:。ウン
むっちゃんの中では、トラウマが残ってはいても、それに対しての嫌悪とかはないのですね。
それも相手を(亮たんを)好きだという想いがあるから余計に。
さぁー亮たん、どう出る?( ̄ー ̄)ニヤリッ
にしても、このお話の間中、亮たんのお膝の上に抱っこ状態のむっちゃん……想像したら萌えます(///∇//)テレテレ☆
りり ⇒ あぁぁあぁ!!!
何の気なしに他人がしゃべったことで、すごく不覚に残ってしまうことってありますよね。
傷ついたりとかしていないと思うんだけれども、その後の行動には確実に影響を与える、みたいなこと。
それによって、どこか自分は人に後ろ指を指される部分があるんだ、と何となく思ってしまうようなこと……。
トラウマではなかったんだ。
亮たんとけしからん男を同一視したりとかはなかったんだ。
でも亮たんからしたら、「気持ち悪いってえええ?!」状態でしょう、人の気も知らないで、て(;´▽`A``
こじれないうちに解けて良かった。
もう障壁はない、ですよね?!
傷ついたりとかしていないと思うんだけれども、その後の行動には確実に影響を与える、みたいなこと。
それによって、どこか自分は人に後ろ指を指される部分があるんだ、と何となく思ってしまうようなこと……。
トラウマではなかったんだ。
亮たんとけしからん男を同一視したりとかはなかったんだ。
でも亮たんからしたら、「気持ち悪いってえええ?!」状態でしょう、人の気も知らないで、て(;´▽`A``
こじれないうちに解けて良かった。
もう障壁はない、ですよね?!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> それによって傷付いたりという事が無かった、それだけでもホッとしました。
> ゆっちが常に傍でむっちゃんを支えて、守ってくれていたおかげもあるのでしょうね。
むっちゃん自身は傷付いてないけれど、最初にそれを聞いたとき、ゆっちさんは相当ショックを受けただろうな、と思ってます。
だから過保護に磨きがかかったのかも…。
> さぁー亮たん、どう出る?( ̄ー ̄)ニヤリッ
むっちゃんがここまで話したんだから、亮タンも男にならなきゃですよね!
ビシッと決めさせないと(笑)
ちゃんと男らしくなってるかな…??
> にしても、このお話の間中、亮たんのお膝の上に抱っこ状態のむっちゃん……想像したら萌えます(///∇//)テレテレ☆
ハッ。気づいてしまいましたね。
私も書き上げてから、あ、ずっと抱っこされてる…て気が付いて、でもそれも萌えるかも…と、敢えてずっと抱っこにしました(爆)
コメントありがとうございました!
> ゆっちが常に傍でむっちゃんを支えて、守ってくれていたおかげもあるのでしょうね。
むっちゃん自身は傷付いてないけれど、最初にそれを聞いたとき、ゆっちさんは相当ショックを受けただろうな、と思ってます。
だから過保護に磨きがかかったのかも…。
> さぁー亮たん、どう出る?( ̄ー ̄)ニヤリッ
むっちゃんがここまで話したんだから、亮タンも男にならなきゃですよね!
ビシッと決めさせないと(笑)
ちゃんと男らしくなってるかな…??
> にしても、このお話の間中、亮たんのお膝の上に抱っこ状態のむっちゃん……想像したら萌えます(///∇//)テレテレ☆
ハッ。気づいてしまいましたね。
私も書き上げてから、あ、ずっと抱っこされてる…て気が付いて、でもそれも萌えるかも…と、敢えてずっと抱っこにしました(爆)
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
> 何の気なしに他人がしゃべったことで、すごく不覚に残ってしまうことってありますよね。
> 傷ついたりとかしていないと思うんだけれども、その後の行動には確実に影響を与える、みたいなこと。
> それによって、どこか自分は人に後ろ指を指される部分があるんだ、と何となく思ってしまうようなこと……。
そうですよね。
そんなに大きな影響でなくても、何かしらそんな経験て、誰にでもあるような気がします。
まぁ裏を返せば、自分も誰かにそんな思いをさせてるのかもしれませんが…。
> トラウマではなかったんだ。
> 亮たんとけしからん男を同一視したりとかはなかったんだ。
> でも亮たんからしたら、「気持ち悪いってえええ?!」状態でしょう、人の気も知らないで、て(;´▽`A``
> こじれないうちに解けて良かった。
ちゃんと理由が分かって、よかったんですが、亮タンにしたらホント、えぇ~~~??? ですよね。
むっちゃんもこれからは、もっとちゃんと喋らすようにしないと…(汗)
> もう障壁はない、ですよね?!
うぅ~ん、そのつもりです!
コメントありがとうございました!
> 傷ついたりとかしていないと思うんだけれども、その後の行動には確実に影響を与える、みたいなこと。
> それによって、どこか自分は人に後ろ指を指される部分があるんだ、と何となく思ってしまうようなこと……。
そうですよね。
そんなに大きな影響でなくても、何かしらそんな経験て、誰にでもあるような気がします。
まぁ裏を返せば、自分も誰かにそんな思いをさせてるのかもしれませんが…。
> トラウマではなかったんだ。
> 亮たんとけしからん男を同一視したりとかはなかったんだ。
> でも亮たんからしたら、「気持ち悪いってえええ?!」状態でしょう、人の気も知らないで、て(;´▽`A``
> こじれないうちに解けて良かった。
ちゃんと理由が分かって、よかったんですが、亮タンにしたらホント、えぇ~~~??? ですよね。
むっちゃんもこれからは、もっとちゃんと喋らすようにしないと…(汗)
> もう障壁はない、ですよね?!
うぅ~ん、そのつもりです!
コメントありがとうございました!