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10. こんな気持ちは知らなかったよ (3)
2009.08.30 Sun
部屋を出た亮は、とりあえずトイレに行きたいわけでもなし、携帯電話を尻ポケットにしまって、いくつか向こうにある部屋へと向かった。
もちろん和衣のように、ノックもなしにいきなり部屋に飛び込みはしない。
あくびをしながらドアを叩けば、すぐに返事が返ってくる。
「よぉ」
部屋には祐介しかいなかったので、亮は気軽に上がり込むと、勝手に部屋の真ん中に座った。
祐介は、どうした? みたいな顔をしたが、特に嫌だとも言わず、パソコンの電源を落とした。
「…つーかさぁ、何で何も言ってくんなかったわけ?」
「は? 何が?」
人の部屋なのに堂々と寛いでいる亮は、ちょっとふて腐れるような表情を作って、祐介を見遣った。
ノートパソコンを閉じた祐介は、椅子を反転させて亮のほうを見たが、言われたことの意味が分からなかったのか、小首を傾げる。
「お前がカズにヤられるほうだったら、どんなだったか教えてくれっつったのに、何の連絡もないってことは、やっぱお前がヤるほうだったってこと?」
「………………」
ピタリ。
首を傾けたままの状態で、祐介はビシッと凍り付くように固まったが、口元がピクピクと引き攣っている。
「祐介?」
「ッ…」
「あ?」
「アホかお前はー!!」
普段、そんなに大きな声を出す人間ではないのに、このときばかりは、祐介は声を張り上げて亮に突っ込むと、椅子を蹴散らして立ち上がった。
ただ、亮のほうはそんな祐介の反応をそれほど意外とも思わなかったのか、何も言わずニヤニヤしている。
1人で勝手に熱くなったのが恥ずかしくて、祐介は溜め息1つでごまかして、転がった椅子を直した。
「カズとヤったんだろ? いいじゃん、教えてくれたって。俺だって教えたのにー」
「お前が勝手に喋ったんだろうが。…つーか、ヤったとかヤってないとか、何でお前知って…」
まさかとは思うが、和衣が亮に話したんだろうか。
確かに和衣は祐介と違ってオープンな性格だし、単純だから、亮の口車に乗って、どんなだったのかを事細かに話したかもしれない。別に黙っていようと示し合せたわけではないし、十分あり得る…。
「いや、違う違う。カズから聞いたわけじゃないって。別に何も聞いてないけどさ、アイツ、すっげぇ浮かれまくってっから」
「…そう」
何となく事情を知っている亮にしたら、直接話を聞かなくても、あの態度だけで十分伝わってくる。
だから和衣から何か聞いたわけではないから気にするな、と深刻な顔で固まったそう祐介には言ったが、きっと今ごろ自分の部屋で睦月に語りまくっているだろう事実は、伏せておこうと思った。
「で? で? 結局どっちだったんだよ」
ニヤニヤと亮が近付いて来て、祐介は嫌そうに身を引いた。
だいたい亮は、どうしてそんなことに興味津々なのだ。
もちろん和衣のように、ノックもなしにいきなり部屋に飛び込みはしない。
あくびをしながらドアを叩けば、すぐに返事が返ってくる。
「よぉ」
部屋には祐介しかいなかったので、亮は気軽に上がり込むと、勝手に部屋の真ん中に座った。
祐介は、どうした? みたいな顔をしたが、特に嫌だとも言わず、パソコンの電源を落とした。
「…つーかさぁ、何で何も言ってくんなかったわけ?」
「は? 何が?」
人の部屋なのに堂々と寛いでいる亮は、ちょっとふて腐れるような表情を作って、祐介を見遣った。
ノートパソコンを閉じた祐介は、椅子を反転させて亮のほうを見たが、言われたことの意味が分からなかったのか、小首を傾げる。
「お前がカズにヤられるほうだったら、どんなだったか教えてくれっつったのに、何の連絡もないってことは、やっぱお前がヤるほうだったってこと?」
「………………」
ピタリ。
首を傾けたままの状態で、祐介はビシッと凍り付くように固まったが、口元がピクピクと引き攣っている。
「祐介?」
「ッ…」
「あ?」
「アホかお前はー!!」
普段、そんなに大きな声を出す人間ではないのに、このときばかりは、祐介は声を張り上げて亮に突っ込むと、椅子を蹴散らして立ち上がった。
ただ、亮のほうはそんな祐介の反応をそれほど意外とも思わなかったのか、何も言わずニヤニヤしている。
1人で勝手に熱くなったのが恥ずかしくて、祐介は溜め息1つでごまかして、転がった椅子を直した。
「カズとヤったんだろ? いいじゃん、教えてくれたって。俺だって教えたのにー」
「お前が勝手に喋ったんだろうが。…つーか、ヤったとかヤってないとか、何でお前知って…」
まさかとは思うが、和衣が亮に話したんだろうか。
確かに和衣は祐介と違ってオープンな性格だし、単純だから、亮の口車に乗って、どんなだったのかを事細かに話したかもしれない。別に黙っていようと示し合せたわけではないし、十分あり得る…。
「いや、違う違う。カズから聞いたわけじゃないって。別に何も聞いてないけどさ、アイツ、すっげぇ浮かれまくってっから」
「…そう」
何となく事情を知っている亮にしたら、直接話を聞かなくても、あの態度だけで十分伝わってくる。
だから和衣から何か聞いたわけではないから気にするな、と深刻な顔で固まったそう祐介には言ったが、きっと今ごろ自分の部屋で睦月に語りまくっているだろう事実は、伏せておこうと思った。
「で? で? 結局どっちだったんだよ」
ニヤニヤと亮が近付いて来て、祐介は嫌そうに身を引いた。
だいたい亮は、どうしてそんなことに興味津々なのだ。
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りり ⇒ (≧∇≦)ブハハハ!
やっぱり亮たんが好きだ~~~~!!
この手の話題が得意そうではないゆっちつかまえて、またあられもなく単刀直入に……(^w^) ぶぶぶ・・・
確かにカズちゃんは予習段階からみんなを巻き込みまくっていたし、かなり分かりやすいだろうと思うけど。
これ恥ずかしいですよね~~~!!
何か狼狽するゆっちさんに萌えました!!
この手の話題が得意そうではないゆっちつかまえて、またあられもなく単刀直入に……(^w^) ぶぶぶ・・・
確かにカズちゃんは予習段階からみんなを巻き込みまくっていたし、かなり分かりやすいだろうと思うけど。
これ恥ずかしいですよね~~~!!
何か狼狽するゆっちさんに萌えました!!
如月久美子 ⇒ >りりさん
> やっぱり亮たんが好きだ~~~~!!
> この手の話題が得意そうではないゆっちつかまえて、またあられもなく単刀直入に……(^w^) ぶぶぶ・・・
亮タン&ゆっちさんペアも結構お気に入りです。
ゆっちさんにしたら、いい迷惑ですが(笑)
> 確かにカズちゃんは予習段階からみんなを巻き込みまくっていたし、かなり分かりやすいだろうと思うけど。
事情を知ってる人にしたら、はっきり言ってバテバレですよね~。
あんなに嬉しそうなカズちゃんを見たら。
知らぬはゆっちさんばかり!?
> 何か狼狽するゆっちさんに萌えました!!
いつもは落ち着いてるゆっちさんだからこそですよね。
書いてるこっちも、ちょっと萌え萌えでした(笑)
コメントありがとうございました!
> この手の話題が得意そうではないゆっちつかまえて、またあられもなく単刀直入に……(^w^) ぶぶぶ・・・
亮タン&ゆっちさんペアも結構お気に入りです。
ゆっちさんにしたら、いい迷惑ですが(笑)
> 確かにカズちゃんは予習段階からみんなを巻き込みまくっていたし、かなり分かりやすいだろうと思うけど。
事情を知ってる人にしたら、はっきり言ってバテバレですよね~。
あんなに嬉しそうなカズちゃんを見たら。
知らぬはゆっちさんばかり!?
> 何か狼狽するゆっちさんに萌えました!!
いつもは落ち着いてるゆっちさんだからこそですよね。
書いてるこっちも、ちょっと萌え萌えでした(笑)
コメントありがとうございました!