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04. ずっと、こうしたかった (1)
2009.08.06 Thu
さっき映画館で手を繋がれたときよりも、ずっと心臓がバクバクしている。
ただ祐介と並んで歩いているだけなのに。
でも向かう先は、食事でも、買い物でもなくて。
(ホテル…)
祐介の少し後ろを歩きながら、和衣はゴクッと、口の中に溜まっていた唾液を飲み込んだ。
ホテル…。
俺、これからホテルに行くんだー……と、ボンヤリながら、頭の中を漂う。
睦月にも言われたけれど、やはり寮の一室ではバレるリスクが高いし、かといって、普通のホテルなら宿泊代を払わなければならなくて、お金が掛かりすぎる。
睦月から無理やり聞き出した情報だと、普段2人はラブホテルに行っているらしいから、やはりそこが1番無難なのだろう。
でも和衣は、ラブホテルに行くのは初めてではないけれど、ふざけてでも男同士で入ったことなんて、ただの1度もない。
お客なんだから、男同士だとしても、きっと追い返されないだろうが、でもバレたらやっぱり恥ずかしい。
祐介は、何かバレないための秘策でも持っているのだろうか、それとも和衣は部屋に行くまでの間、バレないようにずっと下を向いていたらいいのだろうか。
だいたい和衣は、ラブホテルに行ったことがあるとは言っても、たったの1回だけだ。
しかもそれは、Wデートと称して翔真たちと一緒に出掛けたときに、翔真たちがホテルに行くとか言い出して、何だかよく分からないまま、和衣たちも行くことになってしまった1回。
彼女よりも緊張してしまった和衣の代わりに、翔真が受付とかをしてくれたから(もちろん部屋は別々だった)、和衣は未だにラブホテルの仕組みがよく分からない。
そういえば睦月からは、『人のいるフロント通らなくてもいいとこ、あるんだよ~。パネルでピッピッて部屋選んで、そのまま部屋まで行くんだよ~』と聞かされたことがある。
もしかしたら祐介は、そういう場所を知っているのかもしれない。
…と、そこまで考えたとき、祐介がどうやってそんな場所を知ったのか、和衣のいらない嫉妬心が芽生えそうになって、慌てて頭の中から追い遣った。
*****
日の落ちた通りはもう暗くて、よほど意識して見なければ、寄り添って歩く2人が男同士だとは気付かれない。
それでも和衣は緊張してしまって、誰かが歩いてくるたび、身を硬くしてしまって、だから祐介に「ここにしよ?」て言われたときも、祐介のシャツの裾を掴んで、コクリと頷くのが精一杯だった。
入ったそこに他のお客はいなくて、和衣はそれだけで少しホッとしたけれど、顔を上げられなくて、祐介に寄り添ったまま俯いているしかない。
バレてないよね? こんなことなら、もうちょっと女の子に見えるような服装のほうがよかったかな? と、和衣の頭の中はグルグルし出す。
「、」
不意に、繋いでいただけの祐介の手が離れ、和衣の肩を抱いた。
ビックリして和衣は身を竦ませたけれど、祐介は和衣の頭を抱き寄せて、「大丈夫」と耳元で囁いた。おかしな話だけれど、それだけで和衣は変な気持ちになりそうで、ちょっとヤバい。
でも確かにこうすると、華奢な和衣の体は祐介の腕の中にすっぽりはまってしまうし、顔も周りから見えなくなるから、逆にバレる心配はなくなるようだ。
ただ祐介と並んで歩いているだけなのに。
でも向かう先は、食事でも、買い物でもなくて。
(ホテル…)
祐介の少し後ろを歩きながら、和衣はゴクッと、口の中に溜まっていた唾液を飲み込んだ。
ホテル…。
俺、これからホテルに行くんだー……と、ボンヤリながら、頭の中を漂う。
睦月にも言われたけれど、やはり寮の一室ではバレるリスクが高いし、かといって、普通のホテルなら宿泊代を払わなければならなくて、お金が掛かりすぎる。
睦月から無理やり聞き出した情報だと、普段2人はラブホテルに行っているらしいから、やはりそこが1番無難なのだろう。
でも和衣は、ラブホテルに行くのは初めてではないけれど、ふざけてでも男同士で入ったことなんて、ただの1度もない。
お客なんだから、男同士だとしても、きっと追い返されないだろうが、でもバレたらやっぱり恥ずかしい。
祐介は、何かバレないための秘策でも持っているのだろうか、それとも和衣は部屋に行くまでの間、バレないようにずっと下を向いていたらいいのだろうか。
だいたい和衣は、ラブホテルに行ったことがあるとは言っても、たったの1回だけだ。
しかもそれは、Wデートと称して翔真たちと一緒に出掛けたときに、翔真たちがホテルに行くとか言い出して、何だかよく分からないまま、和衣たちも行くことになってしまった1回。
彼女よりも緊張してしまった和衣の代わりに、翔真が受付とかをしてくれたから(もちろん部屋は別々だった)、和衣は未だにラブホテルの仕組みがよく分からない。
そういえば睦月からは、『人のいるフロント通らなくてもいいとこ、あるんだよ~。パネルでピッピッて部屋選んで、そのまま部屋まで行くんだよ~』と聞かされたことがある。
もしかしたら祐介は、そういう場所を知っているのかもしれない。
…と、そこまで考えたとき、祐介がどうやってそんな場所を知ったのか、和衣のいらない嫉妬心が芽生えそうになって、慌てて頭の中から追い遣った。
*****
日の落ちた通りはもう暗くて、よほど意識して見なければ、寄り添って歩く2人が男同士だとは気付かれない。
それでも和衣は緊張してしまって、誰かが歩いてくるたび、身を硬くしてしまって、だから祐介に「ここにしよ?」て言われたときも、祐介のシャツの裾を掴んで、コクリと頷くのが精一杯だった。
入ったそこに他のお客はいなくて、和衣はそれだけで少しホッとしたけれど、顔を上げられなくて、祐介に寄り添ったまま俯いているしかない。
バレてないよね? こんなことなら、もうちょっと女の子に見えるような服装のほうがよかったかな? と、和衣の頭の中はグルグルし出す。
「、」
不意に、繋いでいただけの祐介の手が離れ、和衣の肩を抱いた。
ビックリして和衣は身を竦ませたけれど、祐介は和衣の頭を抱き寄せて、「大丈夫」と耳元で囁いた。おかしな話だけれど、それだけで和衣は変な気持ちになりそうで、ちょっとヤバい。
でも確かにこうすると、華奢な和衣の体は祐介の腕の中にすっぽりはまってしまうし、顔も周りから見えなくなるから、逆にバレる心配はなくなるようだ。
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テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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柚子季杏 ⇒ (///∇//)テレテレ☆
>祐介は和衣の頭を抱き寄せて、「大丈夫」と耳元で囁いた。
この一文に激萌えしました( ´艸`)ムププ♪
カズちゃん、ここにきていらない詮索はやめようね!!
その瞬間が遠退いちゃうからー!←
あ~~~ゆっち、男だわぁ♪
より大人に見えるのは、カズちゃんといるからなのか?
後は本能のままに突っ走るゆっちが見れるのかどうか…楽しみだー!
この一文に激萌えしました( ´艸`)ムププ♪
カズちゃん、ここにきていらない詮索はやめようね!!
その瞬間が遠退いちゃうからー!←
あ~~~ゆっち、男だわぁ♪
より大人に見えるのは、カズちゃんといるからなのか?
後は本能のままに突っ走るゆっちが見れるのかどうか…楽しみだー!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> >祐介は和衣の頭を抱き寄せて、「大丈夫」と耳元で囁いた。
>
> この一文に激萌えしました( ´艸`)ムププ♪
ゆっちさん、えらい男前っすよね…。
前にも言いましたが、最初はヘタレ設定だったんですよね、彼。
今はその片鱗すらありません(^_^;)
カズちゃんといい、むっちゃんといい、放っておけないタイプが周りにい過ぎるせいでしょうか。
とうとう逃げられないところまで来てしまいました。
ゆっちさんも、ますます男になるのか!?
コメントありがとうございました!
>
> この一文に激萌えしました( ´艸`)ムププ♪
ゆっちさん、えらい男前っすよね…。
前にも言いましたが、最初はヘタレ設定だったんですよね、彼。
今はその片鱗すらありません(^_^;)
カズちゃんといい、むっちゃんといい、放っておけないタイプが周りにい過ぎるせいでしょうか。
とうとう逃げられないところまで来てしまいました。
ゆっちさんも、ますます男になるのか!?
コメントありがとうございました!