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02. 理性と欲望の葛藤 (6)
2009.08.01 Sat
「でも、和衣もそういうふうに思っててくれたってことだよね?」
「う…」
顔を近づけたまま囁くように尋ねれば、和衣はうろたえるように視線を彷徨わせる。
きっと頭の中、グルグルといろんなことを考えているんだろう。
「祐介…俺と、シたいの…?」
いっぱい、いろんなことを考えた末の和衣の言葉が、これ。
プラス上目遣い。
計算でなくやっているのだから、本当にタチが悪い。
「そんな、誘うような顔、しちゃダメ」
「誘ってない…」
真っ赤になって否定したところで、何の説得力もない。
祐介は、すっかり飽和状態になっている和衣の頬やこめかみにキスを落とす。
「ゆう…」
うっとりとした表情で和衣に見つめられ、祐介の心拍数も、バカみたいに高くなっていく。
それをごまかすように、何度もキスを繰り返す。
けれど。
――――ドンドンドンドンッ!
そんな最高の雰囲気をぶち破る、無粋なノックの音。
ビクン! と和衣の肩が震える。
『カズちゃーん、忘れモンだよー』
しつこいノックを無視しようとした矢先、ドア越しに掛けられた声にギクリとして、2人して固まった。
睦月だ。
祐介の部屋だというのに、和衣の名前を呼ぶあたり、何だかすべてを見透かされている感じがしてならない。睦月は自分のこと以外には、案外敏感なのだ。
『カズちゃーん』
せっかくのいい雰囲気だったのに……祐介は居留守を決め込もうとしたが、諦める素振りのない睦月に、祐介は溜め息をついてドアに向かった。
「…何?」
「カズちゃんは? あ、カズちゃん、忘れモンだよー」
祐介の不機嫌な様子に気付かないふりをして、睦月は、おいでおいで、と和衣を手招きする。
「はい。これ忘れてったでしょ?」
忘れもの、何? と小首を傾げながら、素直に両手を差し出した和衣の手の上に乗せられたのは、睦月の部屋に置いて行ってしまった2本のDVD…!
「ちょっ!」
和衣は慌ててそれを睦月に返そうとしたが、亮のベッドの上に置きっ放しにしてしまったお泊りセットと一緒に、意地悪な笑顔で無理やり押し付けられた。
「あ、寮の部屋、壁薄いからね。一応、忠告しとこうと思って。…いいタイミングだったでしょ?」
「う゛…」
もっともなことを言う睦月の言葉に、口元を引き攣らせたのは祐介で、和衣はただ、手の中のDVDに呆然としたままだ。
けれど確かにこのまま雰囲気に流されて事に及んでいたら、どんなに声を我慢したって、絶対に隣の部屋の住人にバレるに決まっている。
お節介ながらも、ありがたい忠告をしたした幼馴染みは、満足そうに笑いながら、「てことで、お邪魔しましたー」と部屋を出て行った。
「…………」
「…………」
再び2人きりになった部屋。
和衣は無駄なこととは思いつつ、恥ずかしいから、祐介に見えないようにDVDをギュッと胸に抱えた。
「続きはまた今度ね」
残念だけど…と、祐介は苦笑してから、和衣を抱き締めて、もう1度キスした。
「う…」
顔を近づけたまま囁くように尋ねれば、和衣はうろたえるように視線を彷徨わせる。
きっと頭の中、グルグルといろんなことを考えているんだろう。
「祐介…俺と、シたいの…?」
いっぱい、いろんなことを考えた末の和衣の言葉が、これ。
プラス上目遣い。
計算でなくやっているのだから、本当にタチが悪い。
「そんな、誘うような顔、しちゃダメ」
「誘ってない…」
真っ赤になって否定したところで、何の説得力もない。
祐介は、すっかり飽和状態になっている和衣の頬やこめかみにキスを落とす。
「ゆう…」
うっとりとした表情で和衣に見つめられ、祐介の心拍数も、バカみたいに高くなっていく。
それをごまかすように、何度もキスを繰り返す。
けれど。
――――ドンドンドンドンッ!
そんな最高の雰囲気をぶち破る、無粋なノックの音。
ビクン! と和衣の肩が震える。
『カズちゃーん、忘れモンだよー』
しつこいノックを無視しようとした矢先、ドア越しに掛けられた声にギクリとして、2人して固まった。
睦月だ。
祐介の部屋だというのに、和衣の名前を呼ぶあたり、何だかすべてを見透かされている感じがしてならない。睦月は自分のこと以外には、案外敏感なのだ。
『カズちゃーん』
せっかくのいい雰囲気だったのに……祐介は居留守を決め込もうとしたが、諦める素振りのない睦月に、祐介は溜め息をついてドアに向かった。
「…何?」
「カズちゃんは? あ、カズちゃん、忘れモンだよー」
祐介の不機嫌な様子に気付かないふりをして、睦月は、おいでおいで、と和衣を手招きする。
「はい。これ忘れてったでしょ?」
忘れもの、何? と小首を傾げながら、素直に両手を差し出した和衣の手の上に乗せられたのは、睦月の部屋に置いて行ってしまった2本のDVD…!
「ちょっ!」
和衣は慌ててそれを睦月に返そうとしたが、亮のベッドの上に置きっ放しにしてしまったお泊りセットと一緒に、意地悪な笑顔で無理やり押し付けられた。
「あ、寮の部屋、壁薄いからね。一応、忠告しとこうと思って。…いいタイミングだったでしょ?」
「う゛…」
もっともなことを言う睦月の言葉に、口元を引き攣らせたのは祐介で、和衣はただ、手の中のDVDに呆然としたままだ。
けれど確かにこのまま雰囲気に流されて事に及んでいたら、どんなに声を我慢したって、絶対に隣の部屋の住人にバレるに決まっている。
お節介ながらも、ありがたい忠告をしたした幼馴染みは、満足そうに笑いながら、「てことで、お邪魔しましたー」と部屋を出て行った。
「…………」
「…………」
再び2人きりになった部屋。
和衣は無駄なこととは思いつつ、恥ずかしいから、祐介に見えないようにDVDをギュッと胸に抱えた。
「続きはまた今度ね」
残念だけど…と、祐介は苦笑してから、和衣を抱き締めて、もう1度キスした。
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