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12月 手ぶらのぼくにプレゼント強要。 (4)
2009.06.07 Sun
「真大だったらさぁ、何欲しい?」
「友だちからでも、……恋人からでも、その人が考えて選んでくれたのなら、何でも嬉しいけど」
「それじゃ参考になんない!」
「雑誌には何て書いてあったんですか?」
「えっとー…1位がマフラーだったかな。あとは…ネクタイとか、時計とか……財布?」
しかしどれもいまいちピンと来ていないのか、和衣ははぁ~と大きく息をついた。
「時計とか財布ってよくないですか? ちょっといいヤツとか贈れば、長く使ってもらえると思う」
「んー…でも、その"いいヤツ"ってのが、どういうのか分かんないんだよね。ブランドとかも知らないし、それに……高いよね? やっぱ」
一応、クリスマスに備えて、プレゼント代を捻出できるようにセーブしていたけれど、予算的にはがんばっても3万円が限界だ。
それに学生の身分で、あまり高い贈り物をするのも、どうかと思うし。
「でも、それならいつでも持っててもらえるか…。うー…悩む…」
「店で見てみれば、決まるかもしれないですよ。高くなくても、いいのとかあるかもしんないし」
「そっか」
真大に言われて納得したのか、和衣はむにむにと触っていた唇から手を離して、届いたパスタに手を伸ばした。
何だか本当に、どちらが年上なんだか分からない。
「真大はさぁ、何上げんの?」
冷製パスタの上に飾られていた、切られたミニトマトを嫌そうによけながら和衣が尋ねると、パスタを巻いていた真大の手が止まった。
「…何がですか?」
「クリスマスプレゼント。もう買った? 何買ったの?」
「まだ…ていうか、買うつもりもないです。上げる人もいないし」
「そうなの?」
ずっと蒼一郎のことが好きで、好きで好きでしょうがなくて、けれど彼には郁雅という恋人がいて、儚く散ってしまった真大の恋心。
今さらクリスマスなんて、そんな気持ちはない。
(でも、蒼ちゃんと郁が付き合ってるって知ったの、カズくんのせいだけどね)
もちろん和衣は、真大が蒼一郎のことを好きだなんて知らなかったのだから、単に2人が付き合っていることを、真大に言ってしまったとしか思っていないだろうけれど。
「じゃあ、クリスマスまでにすてきな人が現れるといいね」
「…そうですね」
そんなこと、そういえば蒼一郎にも言われたっけ。
いつかすてきな人が現れるとか。
でも。
「何かもう、疲れちゃって」
うっとりとそう言う和衣に、悪いとは思ったが、つい本音が漏れてしまった。
今までずっと一途に思い続けてきて、それだけが心の支えで、けれどそれを失った今、新しい恋に向う気力が湧かないのも事実だ。
「疲れたって……人を好きになるのに、てこと?」
「…ん。あのね、俺、ずっと好きな人がいたんだけど、その人に恋人がいてね、失恋しちゃったの。だから何か今、落ち込んでるわけじゃないけど、何かそんなにがんばれないなぁ、て思って。……ゴメンなさい、こんな話」
ご飯食べたら、恋人に上げるクリスマスプレゼントを買いに行こう、てワクワクしてる和衣を前に話すことでなかったと、真大は最後、早口で話を締め括って、食事を再開させた。
けれど、視界の隅に映る和衣の手は、ジッと止まったままだ。
「友だちからでも、……恋人からでも、その人が考えて選んでくれたのなら、何でも嬉しいけど」
「それじゃ参考になんない!」
「雑誌には何て書いてあったんですか?」
「えっとー…1位がマフラーだったかな。あとは…ネクタイとか、時計とか……財布?」
しかしどれもいまいちピンと来ていないのか、和衣ははぁ~と大きく息をついた。
「時計とか財布ってよくないですか? ちょっといいヤツとか贈れば、長く使ってもらえると思う」
「んー…でも、その"いいヤツ"ってのが、どういうのか分かんないんだよね。ブランドとかも知らないし、それに……高いよね? やっぱ」
一応、クリスマスに備えて、プレゼント代を捻出できるようにセーブしていたけれど、予算的にはがんばっても3万円が限界だ。
それに学生の身分で、あまり高い贈り物をするのも、どうかと思うし。
「でも、それならいつでも持っててもらえるか…。うー…悩む…」
「店で見てみれば、決まるかもしれないですよ。高くなくても、いいのとかあるかもしんないし」
「そっか」
真大に言われて納得したのか、和衣はむにむにと触っていた唇から手を離して、届いたパスタに手を伸ばした。
何だか本当に、どちらが年上なんだか分からない。
「真大はさぁ、何上げんの?」
冷製パスタの上に飾られていた、切られたミニトマトを嫌そうによけながら和衣が尋ねると、パスタを巻いていた真大の手が止まった。
「…何がですか?」
「クリスマスプレゼント。もう買った? 何買ったの?」
「まだ…ていうか、買うつもりもないです。上げる人もいないし」
「そうなの?」
ずっと蒼一郎のことが好きで、好きで好きでしょうがなくて、けれど彼には郁雅という恋人がいて、儚く散ってしまった真大の恋心。
今さらクリスマスなんて、そんな気持ちはない。
(でも、蒼ちゃんと郁が付き合ってるって知ったの、カズくんのせいだけどね)
もちろん和衣は、真大が蒼一郎のことを好きだなんて知らなかったのだから、単に2人が付き合っていることを、真大に言ってしまったとしか思っていないだろうけれど。
「じゃあ、クリスマスまでにすてきな人が現れるといいね」
「…そうですね」
そんなこと、そういえば蒼一郎にも言われたっけ。
いつかすてきな人が現れるとか。
でも。
「何かもう、疲れちゃって」
うっとりとそう言う和衣に、悪いとは思ったが、つい本音が漏れてしまった。
今までずっと一途に思い続けてきて、それだけが心の支えで、けれどそれを失った今、新しい恋に向う気力が湧かないのも事実だ。
「疲れたって……人を好きになるのに、てこと?」
「…ん。あのね、俺、ずっと好きな人がいたんだけど、その人に恋人がいてね、失恋しちゃったの。だから何か今、落ち込んでるわけじゃないけど、何かそんなにがんばれないなぁ、て思って。……ゴメンなさい、こんな話」
ご飯食べたら、恋人に上げるクリスマスプレゼントを買いに行こう、てワクワクしてる和衣を前に話すことでなかったと、真大は最後、早口で話を締め括って、食事を再開させた。
けれど、視界の隅に映る和衣の手は、ジッと止まったままだ。
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒
マヒロたん、何気に誘導上手?ww
むっちゃんと捜し歩くよりも、プレゼントあっさり決まるかもですね(笑)
疲れちゃったかぁ…そうだよねぇ、でも、それって悲しいよ、マヒロたん。
終わった恋はきっと次の出会いへの道標。
その一途に想う心を分かってくれる存在が、きっといるよ?
その一途さの裏でずっと苦しんでた人も、いるんだよ?
素敵な恋愛して欲しいな。
想うだけでなく、想われる。愛すだけでなく愛される。そんな恋愛。
カズちゃんが何て答えるのか、楽しみです♪
郁雅くんと蒼ちゃんのお話も読んでみたいな~~( ´艸`)ムププ♪
むっちゃんと捜し歩くよりも、プレゼントあっさり決まるかもですね(笑)
疲れちゃったかぁ…そうだよねぇ、でも、それって悲しいよ、マヒロたん。
終わった恋はきっと次の出会いへの道標。
その一途に想う心を分かってくれる存在が、きっといるよ?
その一途さの裏でずっと苦しんでた人も、いるんだよ?
素敵な恋愛して欲しいな。
想うだけでなく、想われる。愛すだけでなく愛される。そんな恋愛。
カズちゃんが何て答えるのか、楽しみです♪
郁雅くんと蒼ちゃんのお話も読んでみたいな~~( ´艸`)ムププ♪
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> マヒロたん、何気に誘導上手?ww
> むっちゃんと捜し歩くよりも、プレゼントあっさり決まるかもですね(笑)
うはは。
むっちゃんの場合、人のプレゼントなのに、そんなに親身に考えられないんだけど……みたいな気持ちが根底にありますからね(笑)
何でもいいから、早く決めてよー、みたいな。
> 終わった恋はきっと次の出会いへの道標。
何か…すごくいい言葉ですね。
真大タンにも聞かせてあげたいけど、私自身にも、ジーンと響きました!
自分が一途に誰かを思う裏で、また別の誰かも、誰かを一途に思ってる……真大タンも、そのことに気付いてくれたらいいのに。
> カズちゃんが何て答えるのか、楽しみです♪
えへへ、カズちゃん、まさか自分の身近なこととは思ってないでしょうが、恋する乙女として、何か思うところはあると思います。
一応、先輩ですし(笑)
> 郁雅くんと蒼ちゃんのお話も読んでみたいな~~( ´艸`)ムププ♪
現在、いろいろ番外編を企て中です。
まだ何にもノープランですが、何か書かねば! と、気持ちだけは……がんばります!
コメントありがとうございました!
また、昨日は返信のお名前を間違えて、大変申し訳ありませんでした(りりさんに言われて、初めて気が付きました)。
とんでもないほどのおっちょこちょいですが……これからもよろしくお願いいたします。
> むっちゃんと捜し歩くよりも、プレゼントあっさり決まるかもですね(笑)
うはは。
むっちゃんの場合、人のプレゼントなのに、そんなに親身に考えられないんだけど……みたいな気持ちが根底にありますからね(笑)
何でもいいから、早く決めてよー、みたいな。
> 終わった恋はきっと次の出会いへの道標。
何か…すごくいい言葉ですね。
真大タンにも聞かせてあげたいけど、私自身にも、ジーンと響きました!
自分が一途に誰かを思う裏で、また別の誰かも、誰かを一途に思ってる……真大タンも、そのことに気付いてくれたらいいのに。
> カズちゃんが何て答えるのか、楽しみです♪
えへへ、カズちゃん、まさか自分の身近なこととは思ってないでしょうが、恋する乙女として、何か思うところはあると思います。
一応、先輩ですし(笑)
> 郁雅くんと蒼ちゃんのお話も読んでみたいな~~( ´艸`)ムププ♪
現在、いろいろ番外編を企て中です。
まだ何にもノープランですが、何か書かねば! と、気持ちだけは……がんばります!
コメントありがとうございました!
また、昨日は返信のお名前を間違えて、大変申し訳ありませんでした(りりさんに言われて、初めて気が付きました)。
とんでもないほどのおっちょこちょいですが……これからもよろしくお願いいたします。