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11月 あったかい期待シタイみたい。 (7)
2009.06.02 Tue
「それに俺、ソイツから嫌われてるし」
「そうなの?」
「嫌われてるなんてもんじゃない。ただでさえ嫌われてんのに、さらに嫌われた」
「そんなに嫌われるって……何したの?」
「…………、…いろいろ。ひどいこととか」
誤解があったり、翔真の責任ばかりでないことがあったり、いろいろなことがあったけれど、結局のところ、真大は翔真に傷付けられたと思っているのだ。
真大が翔真のことを好きになる要素はないし、翔真もまた、然り。
「でもショウ、その子に嫌われて、ショックなんでしょ?」
「え? 別にショックじゃない」
「嘘。ショック受けてるから、何で~? て気になっちゃうんじゃないの? 私、そうだと思うんだけど」
「そんなの…、……そんな…」
誤解が解けて、少し心が近寄って、けれどまた拒絶されて――――あぁ、確かにそのとき、ショックを受けたんだ。
少しは仲よくなれたかな、て思ってたのに、またその手を振り解かれて。また、気持ちを誤解されて。
どうしようもなく、ショックだったんだ。
「ホントは……ずっと好きだったんだ…」
向こうが一方的に嫌うのなら、無理に好かれたくもない、…てそう思っていたけれど。きっとそのときから、真大のことが気になっていたんだ。
だからあの雨の日、傘のない真大を放っておけなかったし、蒼一郎に叶わない恋心を抱く真大に本当のことを告げられなかったし、はたまた笑うつもりなんて更々なかった。
蒼一郎に笑い掛けるように、その笑顔を自分にも見せてほしかったんだ。
「でも…もう遅いけどね」
「何で?」
「言ったじゃん、嫌われてるって。もとから嫌われてたのに、ますます嫌われちゃったの。もう遅いよ」
今さら気付いたって、どうしようもない。
というより、まだ翔真に好きという感情が芽生えるよりも以前に、真大は翔真のことを嫌っていたのだ。本当にどうしようもない。
あぁ、これって真大のに似てる。
好きだって分かったときには、もうすでに叶わない状況だったなんて。
俺ら、似た者同士?
「こんなことなら、気付かなきゃよかった…。アヤさんのバカ。何で好きだなんて気付かせたの?」
「ゴメン」
「もう…ずっと知らないままでいればよかった。好きにならなきゃよかった」
そしたらこんな思いにもとらわれないで済んだ。
きっと彼女とも別れないで、今もいられた。
何も変わらずに済んだのに。
「もうヤダ……こんなに苦しいなら、もう誰も好きになんかなんない…」
言って翔真は、それが涙声になっているのに気が付いて、唇を噛むと、そのまま後ろに引っ繰り返ってベッドに転がった。
すでに2人の寝ていた温もりは消えていて、シーツはひんやりとしている。
何でこんな、泣きたいような気分になるのか分からない。
人前でなんか、絶対に泣かない。
「諦めんの? その子のこと」
「だって意味ないもん。こんなの、全然意味ないっ…」
「……、人を好きになるのに、意味ないことなんかないよ?」
アヤの指が、翔真の頬に触れる。
ギュッと目を瞑った。
「そうなの?」
「嫌われてるなんてもんじゃない。ただでさえ嫌われてんのに、さらに嫌われた」
「そんなに嫌われるって……何したの?」
「…………、…いろいろ。ひどいこととか」
誤解があったり、翔真の責任ばかりでないことがあったり、いろいろなことがあったけれど、結局のところ、真大は翔真に傷付けられたと思っているのだ。
真大が翔真のことを好きになる要素はないし、翔真もまた、然り。
「でもショウ、その子に嫌われて、ショックなんでしょ?」
「え? 別にショックじゃない」
「嘘。ショック受けてるから、何で~? て気になっちゃうんじゃないの? 私、そうだと思うんだけど」
「そんなの…、……そんな…」
誤解が解けて、少し心が近寄って、けれどまた拒絶されて――――あぁ、確かにそのとき、ショックを受けたんだ。
少しは仲よくなれたかな、て思ってたのに、またその手を振り解かれて。また、気持ちを誤解されて。
どうしようもなく、ショックだったんだ。
「ホントは……ずっと好きだったんだ…」
向こうが一方的に嫌うのなら、無理に好かれたくもない、…てそう思っていたけれど。きっとそのときから、真大のことが気になっていたんだ。
だからあの雨の日、傘のない真大を放っておけなかったし、蒼一郎に叶わない恋心を抱く真大に本当のことを告げられなかったし、はたまた笑うつもりなんて更々なかった。
蒼一郎に笑い掛けるように、その笑顔を自分にも見せてほしかったんだ。
「でも…もう遅いけどね」
「何で?」
「言ったじゃん、嫌われてるって。もとから嫌われてたのに、ますます嫌われちゃったの。もう遅いよ」
今さら気付いたって、どうしようもない。
というより、まだ翔真に好きという感情が芽生えるよりも以前に、真大は翔真のことを嫌っていたのだ。本当にどうしようもない。
あぁ、これって真大のに似てる。
好きだって分かったときには、もうすでに叶わない状況だったなんて。
俺ら、似た者同士?
「こんなことなら、気付かなきゃよかった…。アヤさんのバカ。何で好きだなんて気付かせたの?」
「ゴメン」
「もう…ずっと知らないままでいればよかった。好きにならなきゃよかった」
そしたらこんな思いにもとらわれないで済んだ。
きっと彼女とも別れないで、今もいられた。
何も変わらずに済んだのに。
「もうヤダ……こんなに苦しいなら、もう誰も好きになんかなんない…」
言って翔真は、それが涙声になっているのに気が付いて、唇を噛むと、そのまま後ろに引っ繰り返ってベッドに転がった。
すでに2人の寝ていた温もりは消えていて、シーツはひんやりとしている。
何でこんな、泣きたいような気分になるのか分からない。
人前でなんか、絶対に泣かない。
「諦めんの? その子のこと」
「だって意味ないもん。こんなの、全然意味ないっ…」
「……、人を好きになるのに、意味ないことなんかないよ?」
アヤの指が、翔真の頬に触れる。
ギュッと目を瞑った。
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ (*´Д`)はふぅん
翔ちゃんついに自覚しちゃいましたね!!!
うわ~~。
うわ~~うわ~~。
落ちてる翔ちゃん、超萌えるんですけど…。(オイ!)
でもやっぱり、笑顔が見たいです(*´∀`*)
お互いに自ら作った壁が立ち塞がってる状況ですものね~。
ガンバレ翔ちゃん!気付けた事で何かが変わるかも?!
アヤさん本当いいですねー( ´艸`)ムププ♪
こんなオネエサンと出会えて良かったね、翔ちゃん♪
(どうでもいいんですが、お姉さんじゃなくオネエサンって片仮名で書くと、そっち系のイメージが湧くのは柚子季だけ?w●イバーとかにいそうですよねww)
うわ~~。
うわ~~うわ~~。
落ちてる翔ちゃん、超萌えるんですけど…。(オイ!)
でもやっぱり、笑顔が見たいです(*´∀`*)
お互いに自ら作った壁が立ち塞がってる状況ですものね~。
ガンバレ翔ちゃん!気付けた事で何かが変わるかも?!
アヤさん本当いいですねー( ´艸`)ムププ♪
こんなオネエサンと出会えて良かったね、翔ちゃん♪
(どうでもいいんですが、お姉さんじゃなくオネエサンって片仮名で書くと、そっち系のイメージが湧くのは柚子季だけ?w●イバーとかにいそうですよねww)
都碼莎 ⇒ はじめまして^^
毎日更新を楽しみで来てました!!
翔ちゃん…
切なすです゚:。:・゚(ノД`)゚・:。゚。
思わず泣いちゃいましたー
早く真大タンとラブラブになって欲しいです!!
翔ちゃん大好き☆
翔ちゃん…
切なすです゚:。:・゚(ノД`)゚・:。゚。
思わず泣いちゃいましたー
早く真大タンとラブラブになって欲しいです!!
翔ちゃん大好き☆
- |2009.06.02
- |Tue
- |17:55
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> 翔ちゃんついに自覚しちゃいましたね!!!
よぉ~~~~~~やく、ここまで辿り着きました!!
アップしてるこちらとしても、長い道のりでしたんで…(笑)
> 落ちてる翔ちゃん、超萌えるんですけど…。(オイ!)
どうも、弱ってる翔ちゃんは、普段より萌え度がアップしてるようですよ。
確かに私も好きです(爆)
でも、やっぱり笑ってる翔ちゃんのほうがいいですよね。
> (どうでもいいんですが、お姉さんじゃなくオネエサンって片仮名で書くと、そっち系のイメージが湧くのは柚子季だけ?w●イバーとかにいそうですよねww)
うははは。
確かに字面だけ見ると、そうですよね。
でも、そっちのオネエサンに実際お会いすると、女として、負けた…!! みたいな気になるほどきれいな人、多いですよね、今。
コメントありがとうございました!
よぉ~~~~~~やく、ここまで辿り着きました!!
アップしてるこちらとしても、長い道のりでしたんで…(笑)
> 落ちてる翔ちゃん、超萌えるんですけど…。(オイ!)
どうも、弱ってる翔ちゃんは、普段より萌え度がアップしてるようですよ。
確かに私も好きです(爆)
でも、やっぱり笑ってる翔ちゃんのほうがいいですよね。
> (どうでもいいんですが、お姉さんじゃなくオネエサンって片仮名で書くと、そっち系のイメージが湧くのは柚子季だけ?w●イバーとかにいそうですよねww)
うははは。
確かに字面だけ見ると、そうですよね。
でも、そっちのオネエサンに実際お会いすると、女として、負けた…!! みたいな気になるほどきれいな人、多いですよね、今。
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >都碼莎さん
初めまして、こんにちは。
毎日、読みに来てくださっていたようで、本当にありがとうございます!
これまでは可もなく不可もないような、翔ちゃんの表面だけを書き続けていましたが、翔ちゃんも普通の20歳の男子なんで、それなりに心の葛藤もあったりするわけで……ようやくそれをお届けできたかな、と思っています。
> 思わず泣いちゃいましたー
ひゃー、ホントですか!?
書き始めたときは、ここまでになるとは思ってなかったんですが、翔ちゃん、書けば書くほど心の奥底は深かったようで…。
都碼莎さんの心にちょっとでも響いたのだとすれば、書き手の冥利に尽きます!!
これから暑く時期に、冬まっしぐらな小説ですが、これからもどうぞよろしくお願いします!!
コメントありがとうございました!
毎日、読みに来てくださっていたようで、本当にありがとうございます!
これまでは可もなく不可もないような、翔ちゃんの表面だけを書き続けていましたが、翔ちゃんも普通の20歳の男子なんで、それなりに心の葛藤もあったりするわけで……ようやくそれをお届けできたかな、と思っています。
> 思わず泣いちゃいましたー
ひゃー、ホントですか!?
書き始めたときは、ここまでになるとは思ってなかったんですが、翔ちゃん、書けば書くほど心の奥底は深かったようで…。
都碼莎さんの心にちょっとでも響いたのだとすれば、書き手の冥利に尽きます!!
これから暑く時期に、冬まっしぐらな小説ですが、これからもどうぞよろしくお願いします!!
コメントありがとうございました!