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9月 目があう回数が不自然です。 (11)
2009.05.15 Fri
「あ、あ、あの、えと、あのっ!」
いつかは祐介と見ようとは思っていたけれど。
一緒に勉強して、いつかこういうふうなことをしたいな、とは思っていたけれど。
まさかこんな状況で一緒に見ることになろうとは、想像だにしていなかった。
「あの、あのね、祐介、あのね!」
あぁもう、どんな言い訳をしたらいいのか、分からない。
相変わらずテレビの中からは、悩ましげな声が聞こえてくるけれど、そんなのもう和衣には届かない。
「てか、ゆっち、何勝手に入って来てんの! の、ノックくらいしてよ!」
強気な発言だが、やはり睦月も動揺しているのか、声が上擦っている。
「ノックしたって! で…でも返事がないから!」
「じゃあ何で入ってくんだよ!」
「鍵掛かってんのかと思って、ノブ回したら開いたから…!」
いつもは落ち着いている祐介も、さすがにこの状況だけは、いつもどおりにはいられないのか、完全にあたふたしている。
「も、ちょっ、いいからドア閉めてよ!」
外から丸見えの状態で、もし廊下を誰かが通れば、完全に言い訳できない状況だ。
焦った祐介はとりあえず自分も部屋の中に入って、ドアを閉めた。
ちょっ…部屋の中に入られるのも、気まずさから言ったら、勘弁してよ! て思うけれど、まさか出て行けとも言えないから、睦月も和衣も、それ以上は何も言えない。
「で、何? ゆっち、何の用?」
まだ焦っているのか、睦月は早口で捲し立てた。
心なしか、祐介の口元も、引き攣っている。
「え、あの…前貸してたDVD、返してほしいな…て…」
「DVDね、DVD…」
そういえばこの間、祐介から借りたっけ。
どこ置いたっけ?
(――――て、AV点きっ放しだし!)
テレビの側にあるDVDを入れるための籠の中かな、て思って、その中を探そうとした睦月は、画面に映し出されているセックスシーンに再び頭を抱えた。
もうこんな状況で、こんなもの、見ていられるはずがない。
カズちゃん、テレビ消して! て睦月が合図するけれど、完全に思考がストップしている和衣は、呆然とその場にへたり込んでいる。
(あぁん、もう! 役立たず!)
こりゃダメだ、と分かったところで、睦月はDVD探しに専念する。
とりあえず今は、それを探し出すことが先決だ。
「あったー! あった、あった! ゆっち、あった! これだよね、はい!」
籠の中にあったDVDを祐介に無理やり押し付ける。
そして、部屋から出てもらおうと、その背中を押そうとしたが、そこでふと思う。
ここはひとまず、祐介には帰ってもらうべきか、それともここに残って、事の次第を聞いてもらうべきか。
「えっと…ゆっち、あの…」
「あ、えっと……俺、帰ったほうが、いいよね、うん、あの……お邪魔しました…」
乾いた笑みを張り付けたまま、祐介はキレイに回れ右をして、部屋を出て行こうとする。
「ちょっ、祐介、待って!」
今までずっと動けずにいた和衣が、急に立ち上がって、祐介を追い掛けた。
「…………」
部屋に残されたのは、睦月1人。
テレビからは相変わらずの喘ぎ声。
DVDは両方とも置いて行かれたし、和衣の荷物は亮のベッドの上に置きっ放し。
しかもテーブルの上は、食事を終えたままの状態で。
「カズちゃんのバカ…!」
いつかは祐介と見ようとは思っていたけれど。
一緒に勉強して、いつかこういうふうなことをしたいな、とは思っていたけれど。
まさかこんな状況で一緒に見ることになろうとは、想像だにしていなかった。
「あの、あのね、祐介、あのね!」
あぁもう、どんな言い訳をしたらいいのか、分からない。
相変わらずテレビの中からは、悩ましげな声が聞こえてくるけれど、そんなのもう和衣には届かない。
「てか、ゆっち、何勝手に入って来てんの! の、ノックくらいしてよ!」
強気な発言だが、やはり睦月も動揺しているのか、声が上擦っている。
「ノックしたって! で…でも返事がないから!」
「じゃあ何で入ってくんだよ!」
「鍵掛かってんのかと思って、ノブ回したら開いたから…!」
いつもは落ち着いている祐介も、さすがにこの状況だけは、いつもどおりにはいられないのか、完全にあたふたしている。
「も、ちょっ、いいからドア閉めてよ!」
外から丸見えの状態で、もし廊下を誰かが通れば、完全に言い訳できない状況だ。
焦った祐介はとりあえず自分も部屋の中に入って、ドアを閉めた。
ちょっ…部屋の中に入られるのも、気まずさから言ったら、勘弁してよ! て思うけれど、まさか出て行けとも言えないから、睦月も和衣も、それ以上は何も言えない。
「で、何? ゆっち、何の用?」
まだ焦っているのか、睦月は早口で捲し立てた。
心なしか、祐介の口元も、引き攣っている。
「え、あの…前貸してたDVD、返してほしいな…て…」
「DVDね、DVD…」
そういえばこの間、祐介から借りたっけ。
どこ置いたっけ?
(――――て、AV点きっ放しだし!)
テレビの側にあるDVDを入れるための籠の中かな、て思って、その中を探そうとした睦月は、画面に映し出されているセックスシーンに再び頭を抱えた。
もうこんな状況で、こんなもの、見ていられるはずがない。
カズちゃん、テレビ消して! て睦月が合図するけれど、完全に思考がストップしている和衣は、呆然とその場にへたり込んでいる。
(あぁん、もう! 役立たず!)
こりゃダメだ、と分かったところで、睦月はDVD探しに専念する。
とりあえず今は、それを探し出すことが先決だ。
「あったー! あった、あった! ゆっち、あった! これだよね、はい!」
籠の中にあったDVDを祐介に無理やり押し付ける。
そして、部屋から出てもらおうと、その背中を押そうとしたが、そこでふと思う。
ここはひとまず、祐介には帰ってもらうべきか、それともここに残って、事の次第を聞いてもらうべきか。
「えっと…ゆっち、あの…」
「あ、えっと……俺、帰ったほうが、いいよね、うん、あの……お邪魔しました…」
乾いた笑みを張り付けたまま、祐介はキレイに回れ右をして、部屋を出て行こうとする。
「ちょっ、祐介、待って!」
今までずっと動けずにいた和衣が、急に立ち上がって、祐介を追い掛けた。
「…………」
部屋に残されたのは、睦月1人。
テレビからは相変わらずの喘ぎ声。
DVDは両方とも置いて行かれたし、和衣の荷物は亮のベッドの上に置きっ放し。
しかもテーブルの上は、食事を終えたままの状態で。
「カズちゃんのバカ…!」
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ 頑張れむっちゃん!
負けるなむっちゃん!(笑)
動揺してるゆっちが可愛いぃ~( ´艸`)ムププ♪
カズちゃん、ちゃんとお話出来るのかしら?
好きな人には自分を良く見せたい、それは当然の事だけど、きちんと思ってることを伝え合わなきゃ分かり合えないもんね。
がんばれーー!!
そしてむっちゃんも!!ww
色々とお片付け、がんばれぇーーー!( ´艸`)ムププ♪
動揺してるゆっちが可愛いぃ~( ´艸`)ムププ♪
カズちゃん、ちゃんとお話出来るのかしら?
好きな人には自分を良く見せたい、それは当然の事だけど、きちんと思ってることを伝え合わなきゃ分かり合えないもんね。
がんばれーー!!
そしてむっちゃんも!!ww
色々とお片付け、がんばれぇーーー!( ´艸`)ムププ♪
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> 負けるなむっちゃん!(笑)
ホント、むっちゃんが最大の被害者ですよね。
でもただでは起きないのがむっちゃんなんで…。
> 好きな人には自分を良く見せたい、それは当然の事だけど、きちんと思ってることを伝え合わなきゃ分かり合えないもんね。
そうなんです。
この2人はそれで一回、大ゲンカしてますからね。
今度はカズちゃんががんばらないと、ですよね。
いや、ずっと余計な意味でがんばってましたが…(^_^;)
コメントありがとうございました!
ホント、むっちゃんが最大の被害者ですよね。
でもただでは起きないのがむっちゃんなんで…。
> 好きな人には自分を良く見せたい、それは当然の事だけど、きちんと思ってることを伝え合わなきゃ分かり合えないもんね。
そうなんです。
この2人はそれで一回、大ゲンカしてますからね。
今度はカズちゃんががんばらないと、ですよね。
いや、ずっと余計な意味でがんばってましたが…(^_^;)
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >拍手コメ→Kさん
確かにカズちゃんが友だちだったら、毎日が楽しいでしょうね。
でもその分、疲れも比例しそうですが…(^_^;)
レス不要とのことでしたが、嬉しさのあまり返信です♪
拍手&コメントありがとうございました!
でもその分、疲れも比例しそうですが…(^_^;)
レス不要とのことでしたが、嬉しさのあまり返信です♪
拍手&コメントありがとうございました!
りり ⇒ あぁ~~
ゆっちへんなふうに思ってますよね?!
お邪魔とか…。
カズちゃんやってることはいっちゃってるけど動悸は凄くいじらしかったのに。
ちゃんと言わなくちゃ、誤解されちゃうよ~。
そしてエロビと一緒に取り残されるむっちゃん…。
ただでは起きない?!
そうだ亮たんの見ちゃえばいいんだ~。
お邪魔とか…。
カズちゃんやってることはいっちゃってるけど動悸は凄くいじらしかったのに。
ちゃんと言わなくちゃ、誤解されちゃうよ~。
そしてエロビと一緒に取り残されるむっちゃん…。
ただでは起きない?!
そうだ亮たんの見ちゃえばいいんだ~。
如月久美子 ⇒ >りりさん
> ゆっちへんなふうに思ってますよね?!
> お邪魔とか…。
お邪魔……確かに!
いいタイミングで邪魔してくれたというか…。
> カズちゃんやってることはいっちゃってるけど動悸は凄くいじらしかったのに。
> ちゃんと言わなくちゃ、誤解されちゃうよ~。
どうも行動が突拍子もないカズちゃん…。
そんなところも含めて、ゆっちさんはカズちゃんを好きになったんでしょうが、今回ばっかりは、ちゃんと説明しないと(^_^;)
> そしてエロビと一緒に取り残されるむっちゃん…。
> ただでは起きない?!
むふふふ。
カズちゃんに、やられっ放しでは、終わりませんよ~。
コメントありがとうございました!
> お邪魔とか…。
お邪魔……確かに!
いいタイミングで邪魔してくれたというか…。
> カズちゃんやってることはいっちゃってるけど動悸は凄くいじらしかったのに。
> ちゃんと言わなくちゃ、誤解されちゃうよ~。
どうも行動が突拍子もないカズちゃん…。
そんなところも含めて、ゆっちさんはカズちゃんを好きになったんでしょうが、今回ばっかりは、ちゃんと説明しないと(^_^;)
> そしてエロビと一緒に取り残されるむっちゃん…。
> ただでは起きない?!
むふふふ。
カズちゃんに、やられっ放しでは、終わりませんよ~。
コメントありがとうございました!