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6月 離れて歩くずぶ濡れ相合傘。 (4)
2009.03.29 Sun
「お邪魔しまーす」
蒼一郎もまだ帰ってきていないのか、翔真の部屋も空だった。
「何作るの? 俺も手伝う?」
上着を片付けている翔真の背後にくっ付いて、睦月はチョコチョコとしている。
本人は無意識だろうが、これだけスキンシップが多ければ、亮が祐介とは違った意味で心配するのも無理はない。
「え、むっちゃん、手伝ってくれんの?」
「あー……うん」
「…もしかして、そんな気ないのに、言った?」
「そんなことないけど! がんばるよ! 何でも言い付けて!」
睦月は慌てて手伝う気を見せるが、今までの睦月の生活や亮からの話を聞く限りでは、とても何でも言い付けても大丈夫だとは思えない。
「いや、うん、すぐ作るから、座って待ってて。テレビ点けてもいいし」
いないほうがはかどりそう…とはとても言えなくて、翔真は、「えー、手伝うのにぃ!」と無駄な意気込みを見せる睦月を座らせた。
「テレビつまんないなー…。あ、ショウちゃん、こないだ言われたレポート、もう書いた? 俺、まだ書いてないんだよねー。てか、そろそろ試験の心配したほうがいいのかな? 今年はね、結構がんばってノート書いてるんだよー。あのね、あのね、」
「むっちゃん、どうしたの?」
やけに饒舌になっている睦月を不思議に思って翔真が顔を覗かせれば、テレビのリモコンを握り締めた睦月が、ジッと翔真のほうを見ていた。
「むっちゃん?」
「…え?」
「どうしたの?」
包丁を置いた翔真がそばに来ると、睦月は「何が?」と言わんばかりにその顔を見つめる。
「何でもないならいいけど、……、あ、ねぇむっちゃん、やっぱちょっと手伝ってくんない? 2人でやったほうが早いじゃん? お腹空いたでしょ?」
「え、うん」
「だから手伝って? ね?」
戸惑っている睦月の手を引いて、翔真は簡易のキッチンに連れて行く。
窓の外、雨の降り出した音がする。
無意識のようだけど、気を紛らわそうと口数の増えている睦月に、それならば(役には立たなくても)そばにいて手伝わせていたほうがいいかもしれない。
「何したらいい? 何か切るの?」
「むっちゃん、包丁使える?」
「使えない」
「……、あ…そう…」
こうもあっさりと返事を返されると、逆に何と言っていいか分からなくなる。
というか、本当に一体、何を手伝わせたらいいんだろう。
「大丈夫! 俺、切るよ!」
「え、むっちゃん、無理だって!」
「でーきーるー!」
「あぁ、ちょっ…」
翔真が止めるのも聞かず、睦月はその手から包丁を奪い取ってしまった。
蒼一郎もまだ帰ってきていないのか、翔真の部屋も空だった。
「何作るの? 俺も手伝う?」
上着を片付けている翔真の背後にくっ付いて、睦月はチョコチョコとしている。
本人は無意識だろうが、これだけスキンシップが多ければ、亮が祐介とは違った意味で心配するのも無理はない。
「え、むっちゃん、手伝ってくれんの?」
「あー……うん」
「…もしかして、そんな気ないのに、言った?」
「そんなことないけど! がんばるよ! 何でも言い付けて!」
睦月は慌てて手伝う気を見せるが、今までの睦月の生活や亮からの話を聞く限りでは、とても何でも言い付けても大丈夫だとは思えない。
「いや、うん、すぐ作るから、座って待ってて。テレビ点けてもいいし」
いないほうがはかどりそう…とはとても言えなくて、翔真は、「えー、手伝うのにぃ!」と無駄な意気込みを見せる睦月を座らせた。
「テレビつまんないなー…。あ、ショウちゃん、こないだ言われたレポート、もう書いた? 俺、まだ書いてないんだよねー。てか、そろそろ試験の心配したほうがいいのかな? 今年はね、結構がんばってノート書いてるんだよー。あのね、あのね、」
「むっちゃん、どうしたの?」
やけに饒舌になっている睦月を不思議に思って翔真が顔を覗かせれば、テレビのリモコンを握り締めた睦月が、ジッと翔真のほうを見ていた。
「むっちゃん?」
「…え?」
「どうしたの?」
包丁を置いた翔真がそばに来ると、睦月は「何が?」と言わんばかりにその顔を見つめる。
「何でもないならいいけど、……、あ、ねぇむっちゃん、やっぱちょっと手伝ってくんない? 2人でやったほうが早いじゃん? お腹空いたでしょ?」
「え、うん」
「だから手伝って? ね?」
戸惑っている睦月の手を引いて、翔真は簡易のキッチンに連れて行く。
窓の外、雨の降り出した音がする。
無意識のようだけど、気を紛らわそうと口数の増えている睦月に、それならば(役には立たなくても)そばにいて手伝わせていたほうがいいかもしれない。
「何したらいい? 何か切るの?」
「むっちゃん、包丁使える?」
「使えない」
「……、あ…そう…」
こうもあっさりと返事を返されると、逆に何と言っていいか分からなくなる。
というか、本当に一体、何を手伝わせたらいいんだろう。
「大丈夫! 俺、切るよ!」
「え、むっちゃん、無理だって!」
「でーきーるー!」
「あぁ、ちょっ…」
翔真が止めるのも聞かず、睦月はその手から包丁を奪い取ってしまった。
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ あぁ(*´∀`)
ますます翔ちゃんに惚れそうです(///∇//)
って!!!
むっちゃんが包丁…だ、大丈夫なのだろうか?!
すごくドキドキするのは柚子季だけ?!
お外雨降って来ちゃったんですね~(;´Д`)
亮たん、早く帰っておいで~~。
って!!!
むっちゃんが包丁…だ、大丈夫なのだろうか?!
すごくドキドキするのは柚子季だけ?!
お外雨降って来ちゃったんですね~(;´Д`)
亮たん、早く帰っておいで~~。
伽羅 ⇒ ダッシュ!≡≡≡ヘ(*--)ノ
はぁはぁ・・・
今まで溜め込んだ分、一気に拝読してきました。
なんか怪しげな空気がっ!!
亮君早く帰ってこないと、むっちゃん壊れちゃうっ!!
ドキドキ
今まで溜め込んだ分、一気に拝読してきました。
なんか怪しげな空気がっ!!
亮君早く帰ってこないと、むっちゃん壊れちゃうっ!!
ドキドキ
- |2009.03.29
- |Sun
- |13:34
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
翔ちゃんといい、ゆっちさんといい、男前揃いですよね、ホント。
まさにイケメンパラダイス。
> むっちゃんが包丁…だ、大丈夫なのだろうか?!
> すごくドキドキするのは柚子季だけ?!
いえいえ、もうすでに、翔ちゃんも包丁を持たせたことを大きく後悔しております(爆)
何だかむっちゃん、ホントに何にも出来ない子になってしまった…。
そばにこんな子がいたら、危なっかしくて目が離せないんだろうなぁ…。
コメントありがとうございました!
まさにイケメンパラダイス。
> むっちゃんが包丁…だ、大丈夫なのだろうか?!
> すごくドキドキするのは柚子季だけ?!
いえいえ、もうすでに、翔ちゃんも包丁を持たせたことを大きく後悔しております(爆)
何だかむっちゃん、ホントに何にも出来ない子になってしまった…。
そばにこんな子がいたら、危なっかしくて目が離せないんだろうなぁ…。
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >伽羅さん
お忙しいところ、お出でいただいて、ありがとうございます!
一気に読んだら、何だかむっちゃんのほうにも不穏な空気が漂い始めてて、焦ったのではないでしょうか??
まったくこんなときにのんきにサッカー観戦してる亮タン…(;´Д`)
早よ、帰って来いよ~、て感じですよね。
しばらくこんな空気が続きそうですが、お付き合いくださいませ。
コメントありがとうございました!
一気に読んだら、何だかむっちゃんのほうにも不穏な空気が漂い始めてて、焦ったのではないでしょうか??
まったくこんなときにのんきにサッカー観戦してる亮タン…(;´Д`)
早よ、帰って来いよ~、て感じですよね。
しばらくこんな空気が続きそうですが、お付き合いくださいませ。
コメントありがとうございました!