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6月 離れて歩くずぶ濡れ相合傘。 (3)
2009.03.28 Sat
日中、あれだけ晴れていた空が、日が沈むのを見計らったように曇り出していた。
和衣たちから遅れて出発した睦月と翔真は、2人が行くと言っていた遊園地に行ったはずなのに、晴天の日曜日、混雑していたこともあってか、結局2人の姿を見つけることは出来なかった。
せっかく祐介がどんな顔をしてるか見ようと思ったのに…と、睦月は少し残念がったが、合計で15回も絶叫マシンに乗ったおかげで、帰りにはすっかりご機嫌だった。
「どっかでメシでも食ってく?」
「うー…ん」
翔真の提案に、睦月は少し迷っているようだった。
別にデートのまねごとをして、亮に見せ付けようなどというつもりで言ったわけではない。睦月は自炊が出来ないから、帰ってもしまだ亮がいなければ、翔真が作ってやることになるのだ。せっかく外に出てるし、それならどこかで食べて帰ったほうが、面倒くさくない。
「いや、帰ろっかな…」
ヒュウ…と、足元をぬるいような風が吹いていって、睦月は視線を泳がせながらも、翔真を見上げた。
「あ…。……天気、崩れそうだしね。帰ろっか」
睦月の言いたいことが分かって、翔真はすぐにその意見に賛成した。
いまだに、睦月を苦しめる、過去の記憶。
前よりも随分よくなったのだと睦月は言うけれど、それでもこんな日はまだ心が落ち着かなくなるらしい。
これまでずっと、まるで保護者のように睦月を守ってきた祐介が和衣と付き合うようになって、支えを失った睦月がどうなるのかと心配したこともあったが、亮とうまくいっているようで、今のところひどい発作は起きていないようだったが、今日はその亮が、睦月ではなく真大と出掛けてしまっている。
少しくらい風が強かったり雨が激しかったとしても、亮がいてくれれば、心のざわつきを抑えることが出来るのだけれど、今日はその亮も祐介もいない。
しかも睦月が自分からどこかに行ったのではなく、亮のほうから睦月ではない相手を選んで出掛けてしまった。亮にそんなつもりがないのは分かるが、睦月にしたら何となく見放されたみたいな気持ちになってしまって。
こんなときは、何となくマズイな、と睦月は感じるのだ。
「じゃ、今日はショウちゃんのおいしいご飯を食べにおいで」
ポン、と睦月の肩に手を置いて、翔真が顔を覗き込んだ。
睦月の瞳には、隠し切れない不安が浮かんでいる。
「帰ってさ、俺の部屋、おいで?」
「ショウちゃん、料理すんの?」
「するよ。大学入ってから、ずっと作ってるし。もしかしたら、亮より上手かもよ?」
「……、じゃあ、食べに行く」
翔真の笑顔に安心したように、睦月はホッと息を吐き出した。
寮に戻ってくると、睦月の部屋はまだ暗く、亮は帰ってきていなかった。
昼間のサッカーの試合が、いくら何でもこの時間まで続いているはずはないので、おそらくどこかで食事でもして来るつもりなのだろう。
こんなときに何てヤツだと、翔真は内心、亮に憤慨していたが、睦月は特に気にしていない様子で、「これでショウちゃんのご飯が食べれる~!」なんて言っている。
わざと気にしていない素振りをしているのかもしれないけれど。
和衣たちから遅れて出発した睦月と翔真は、2人が行くと言っていた遊園地に行ったはずなのに、晴天の日曜日、混雑していたこともあってか、結局2人の姿を見つけることは出来なかった。
せっかく祐介がどんな顔をしてるか見ようと思ったのに…と、睦月は少し残念がったが、合計で15回も絶叫マシンに乗ったおかげで、帰りにはすっかりご機嫌だった。
「どっかでメシでも食ってく?」
「うー…ん」
翔真の提案に、睦月は少し迷っているようだった。
別にデートのまねごとをして、亮に見せ付けようなどというつもりで言ったわけではない。睦月は自炊が出来ないから、帰ってもしまだ亮がいなければ、翔真が作ってやることになるのだ。せっかく外に出てるし、それならどこかで食べて帰ったほうが、面倒くさくない。
「いや、帰ろっかな…」
ヒュウ…と、足元をぬるいような風が吹いていって、睦月は視線を泳がせながらも、翔真を見上げた。
「あ…。……天気、崩れそうだしね。帰ろっか」
睦月の言いたいことが分かって、翔真はすぐにその意見に賛成した。
いまだに、睦月を苦しめる、過去の記憶。
前よりも随分よくなったのだと睦月は言うけれど、それでもこんな日はまだ心が落ち着かなくなるらしい。
これまでずっと、まるで保護者のように睦月を守ってきた祐介が和衣と付き合うようになって、支えを失った睦月がどうなるのかと心配したこともあったが、亮とうまくいっているようで、今のところひどい発作は起きていないようだったが、今日はその亮が、睦月ではなく真大と出掛けてしまっている。
少しくらい風が強かったり雨が激しかったとしても、亮がいてくれれば、心のざわつきを抑えることが出来るのだけれど、今日はその亮も祐介もいない。
しかも睦月が自分からどこかに行ったのではなく、亮のほうから睦月ではない相手を選んで出掛けてしまった。亮にそんなつもりがないのは分かるが、睦月にしたら何となく見放されたみたいな気持ちになってしまって。
こんなときは、何となくマズイな、と睦月は感じるのだ。
「じゃ、今日はショウちゃんのおいしいご飯を食べにおいで」
ポン、と睦月の肩に手を置いて、翔真が顔を覗き込んだ。
睦月の瞳には、隠し切れない不安が浮かんでいる。
「帰ってさ、俺の部屋、おいで?」
「ショウちゃん、料理すんの?」
「するよ。大学入ってから、ずっと作ってるし。もしかしたら、亮より上手かもよ?」
「……、じゃあ、食べに行く」
翔真の笑顔に安心したように、睦月はホッと息を吐き出した。
寮に戻ってくると、睦月の部屋はまだ暗く、亮は帰ってきていなかった。
昼間のサッカーの試合が、いくら何でもこの時間まで続いているはずはないので、おそらくどこかで食事でもして来るつもりなのだろう。
こんなときに何てヤツだと、翔真は内心、亮に憤慨していたが、睦月は特に気にしていない様子で、「これでショウちゃんのご飯が食べれる~!」なんて言っている。
わざと気にしていない素振りをしているのかもしれないけれど。
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ んもぅ~~
亮たん…こういうとこ鈍チンっすよね(;つД`)
そっか~そっすよねぇ~~そんな簡単にトラウマ無くならないですよねぇ。
今頃亮たんは大好きなサッカーの試合を生で見て、ウキウキしてるのかな…。
ちょこっと無理してるっぽいむっちゃんがいじらしい。
そしてさり気無くフォロー出来るあたりが、やっぱり翔ちゃんイイ男だわ。
でも、翔ちゃんが出来るフォローには限度がありますもんね。
亮たん早く帰って来~い!!
ゆっちは絶叫マシーン大丈夫だったんでしょうか(気になるww
そっか~そっすよねぇ~~そんな簡単にトラウマ無くならないですよねぇ。
今頃亮たんは大好きなサッカーの試合を生で見て、ウキウキしてるのかな…。
ちょこっと無理してるっぽいむっちゃんがいじらしい。
そしてさり気無くフォロー出来るあたりが、やっぱり翔ちゃんイイ男だわ。
でも、翔ちゃんが出来るフォローには限度がありますもんね。
亮たん早く帰って来~い!!
ゆっちは絶叫マシーン大丈夫だったんでしょうか(気になるww
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
心配はしてるんだけど、サッカー好きの血は抑えられない、みたいな(苦笑)
翔ちゃんは、そういうとこ、スマートにカバー出来ちゃうんだすよね。
でもむっちゃん、15回も絶叫マシンに乗れたから、その辺は大満足みたいです。タフだよ、この子は…。
> ゆっちは絶叫マシーン大丈夫だったんでしょうか(気になるww
このエピソードもいつか書きたいです~。
コメントありがとうございました!
翔ちゃんは、そういうとこ、スマートにカバー出来ちゃうんだすよね。
でもむっちゃん、15回も絶叫マシンに乗れたから、その辺は大満足みたいです。タフだよ、この子は…。
> ゆっちは絶叫マシーン大丈夫だったんでしょうか(気になるww
このエピソードもいつか書きたいです~。
コメントありがとうございました!