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4月 はじめまして、大嫌い。 (1)
2009.03.13 Fri
「君といる十二か月」セカンドシーズンの始まりです。
「君といる~」から登場している人の紹介がないんで、分かりづらいかもしれませんが、これだけで読んでもたぶん通じると思います。
でも、よろしければ「君といる十二か月」も読んでみてくださいね。
この春、晴れて2年に進級した亮たち5人は、相変わらずの溜まり場となっているカフェテリアで、次の授業が始まるまでの時間を潰していた。
2年になって選択で取れる科目の幅も増え、取りたいと思っていた科目を増やした祐介に対し、必修科目の単位を落とさないことが第一優先の亮は、必修以外の授業は取らないという、まるで正反対のカリキュラムを組んでいた。
ちなみに睦月は、余計なのを増やすのも面倒くさいし、寮の同室者である亮と一緒にしておけば、毎日のカリキュラムとか亮に合わせればいいし、テストの範囲とかも聞けるし、という相変わらずの発想で、亮と同じカリキュラムを組み、和衣は祐介が取るなら俺もがんばる! と、一緒の選択科目を1つだけ取った(それ以上多いのは、頭のキャパ的に無理だから)。
もちろんこの2人が、単に都合がいいというだけで亮や祐介と同じ授業を取ろうとしているわけではなく、1年のとき、ささやかな波瀾万丈の末、睦月は亮と、和衣は祐介とめでたくお付き合いするに至ったから、という経緯がある。
男の子同士ではあるけれど、れっきとした恋人同士。
付き合い出したばかりの2人なら、出来るだけ一緒にいたいと思うのも、仕方がない(ただ、睦月の場合は、"便利だから"の気持ちのほうがやや多いが)。
「え、ウッソ、まだ来ねぇの? ショウの部屋のヤツ」
「来ないの~」
亮の驚きの声に、缶のコーラを飲み干した翔真は、ベターとテーブルに突っ伏した。
幼馴染みの亮と和衣に男の恋人が出来てしまった翔真は、けれどそれにはすっかり順応している。
今も5人の中に2組のカップルがいて、自分だけが1人という状況だけれど、大学の外には彼女がいるから特別寂しいとも思わないし、亮たち気の置けない友人相手に、今さら気を遣うつもりもない。
「もう4月も中旬じゃん? もう来ないのかもよー」
「でも来ないとも連絡ないし」
先ほどから、来る来ないと言い合っているのは、翔真の、今年の寮の同室者のこと。
5人は1年のときから大学の寮で生活しているのだが、昨年、彼女が出来て寮ではいろいろ不便だと、元の同室者が寮を出て以来、翔真はずっと1人で部屋を使っていた。
寮と言っても、大学からそこそこ近い位置にある建物を、大学側が安価で学生に提供しているだけのもので、特に厳しい規則などはなく、年度の途中でも退寮することも可能となのだ。
そして2年になり、翔真の部屋にも、4月から新しく入る人がいると聞かされていたのだが、月の半ばとなった今でも、新しい同室者は、姿を見せるどころか、何の連絡もない。
新入生は新入生だけで部屋割りがされ、それ以外の空き部屋に2年生以上が割り振られるから、人数に偏りがなければ同級生が宛がわれるが、周囲で寮に入るという話も聞かないため、学部が違うか、もしかしたら3年生か4年生なのかもしれない。
上級生だと何となく寛げないなぁ、と思うものの、どちらにしろ、その人がやって来なければ始まらない。
「来なきゃ来ないでいいけど、てかそのほうがいいけど、いつ来るか分かんないとか、すげぇ面倒くさい…」
入ってきた日からいきなり部屋が汚いのも悪いと思って、翔真もそれなりに部屋の片付けをしたのだが、いつまで経っても来ないため、また部屋が散らかり始めている。
「事務の人に聞いてみたら?」
「んー…この週末に来なかったら、そうしよっかな。もしかしたら土日に引っ越しとかするつもりなのかもしんないし」
春休みが終わり、授業が始まってしまった今、引っ越しだの部屋の片付けだのをするのに、学校が終わってからでは時間もないし、夜にバタバタするのも隣室に迷惑だから、時間に余裕のある土日に予定しているのかもしれない。
半月以上も待っているのだから、今さら慌てても仕方ないだろう。
「亮みたいなヤツじゃないといいけどね」
「ねぇ」
「おい、ちょっ…」
サラリと毒のある発言をした和衣に、翔真があっさりと同意するから、亮は焦って突っ込んだ。
去年の4月、引っ越しの段取りが悪くて、亮も入学式前日にようやく寮への引っ越しをしたのだ。
今回、いつまで経ってもやって来ない翔真の同室者の状況が、あまりに亮のときと似ているため、何かにつけて2人にからかわれている。
しかし、この状況が亮のときと似ていると、最初に気付いたのは祐介で、彼は和衣たちと違って亮をからかいこそはしないものの、何のフォローもしないし、恋人である睦月もそのことはほったらかしだ。
「何かよく分かんねぇけど、ショウの同室の人、早く来てくれ~…」
お前が来ないと、俺はいつまで経っても言われ続ける~、と、まだ見ぬ翔真の同室者に、亮は祈りにも似た言葉を吐くのだった。
「君といる~」から登場している人の紹介がないんで、分かりづらいかもしれませんが、これだけで読んでもたぶん通じると思います。
でも、よろしければ「君といる十二か月」も読んでみてくださいね。
この春、晴れて2年に進級した亮たち5人は、相変わらずの溜まり場となっているカフェテリアで、次の授業が始まるまでの時間を潰していた。
2年になって選択で取れる科目の幅も増え、取りたいと思っていた科目を増やした祐介に対し、必修科目の単位を落とさないことが第一優先の亮は、必修以外の授業は取らないという、まるで正反対のカリキュラムを組んでいた。
ちなみに睦月は、余計なのを増やすのも面倒くさいし、寮の同室者である亮と一緒にしておけば、毎日のカリキュラムとか亮に合わせればいいし、テストの範囲とかも聞けるし、という相変わらずの発想で、亮と同じカリキュラムを組み、和衣は祐介が取るなら俺もがんばる! と、一緒の選択科目を1つだけ取った(それ以上多いのは、頭のキャパ的に無理だから)。
もちろんこの2人が、単に都合がいいというだけで亮や祐介と同じ授業を取ろうとしているわけではなく、1年のとき、ささやかな波瀾万丈の末、睦月は亮と、和衣は祐介とめでたくお付き合いするに至ったから、という経緯がある。
男の子同士ではあるけれど、れっきとした恋人同士。
付き合い出したばかりの2人なら、出来るだけ一緒にいたいと思うのも、仕方がない(ただ、睦月の場合は、"便利だから"の気持ちのほうがやや多いが)。
「え、ウッソ、まだ来ねぇの? ショウの部屋のヤツ」
「来ないの~」
亮の驚きの声に、缶のコーラを飲み干した翔真は、ベターとテーブルに突っ伏した。
幼馴染みの亮と和衣に男の恋人が出来てしまった翔真は、けれどそれにはすっかり順応している。
今も5人の中に2組のカップルがいて、自分だけが1人という状況だけれど、大学の外には彼女がいるから特別寂しいとも思わないし、亮たち気の置けない友人相手に、今さら気を遣うつもりもない。
「もう4月も中旬じゃん? もう来ないのかもよー」
「でも来ないとも連絡ないし」
先ほどから、来る来ないと言い合っているのは、翔真の、今年の寮の同室者のこと。
5人は1年のときから大学の寮で生活しているのだが、昨年、彼女が出来て寮ではいろいろ不便だと、元の同室者が寮を出て以来、翔真はずっと1人で部屋を使っていた。
寮と言っても、大学からそこそこ近い位置にある建物を、大学側が安価で学生に提供しているだけのもので、特に厳しい規則などはなく、年度の途中でも退寮することも可能となのだ。
そして2年になり、翔真の部屋にも、4月から新しく入る人がいると聞かされていたのだが、月の半ばとなった今でも、新しい同室者は、姿を見せるどころか、何の連絡もない。
新入生は新入生だけで部屋割りがされ、それ以外の空き部屋に2年生以上が割り振られるから、人数に偏りがなければ同級生が宛がわれるが、周囲で寮に入るという話も聞かないため、学部が違うか、もしかしたら3年生か4年生なのかもしれない。
上級生だと何となく寛げないなぁ、と思うものの、どちらにしろ、その人がやって来なければ始まらない。
「来なきゃ来ないでいいけど、てかそのほうがいいけど、いつ来るか分かんないとか、すげぇ面倒くさい…」
入ってきた日からいきなり部屋が汚いのも悪いと思って、翔真もそれなりに部屋の片付けをしたのだが、いつまで経っても来ないため、また部屋が散らかり始めている。
「事務の人に聞いてみたら?」
「んー…この週末に来なかったら、そうしよっかな。もしかしたら土日に引っ越しとかするつもりなのかもしんないし」
春休みが終わり、授業が始まってしまった今、引っ越しだの部屋の片付けだのをするのに、学校が終わってからでは時間もないし、夜にバタバタするのも隣室に迷惑だから、時間に余裕のある土日に予定しているのかもしれない。
半月以上も待っているのだから、今さら慌てても仕方ないだろう。
「亮みたいなヤツじゃないといいけどね」
「ねぇ」
「おい、ちょっ…」
サラリと毒のある発言をした和衣に、翔真があっさりと同意するから、亮は焦って突っ込んだ。
去年の4月、引っ越しの段取りが悪くて、亮も入学式前日にようやく寮への引っ越しをしたのだ。
今回、いつまで経ってもやって来ない翔真の同室者の状況が、あまりに亮のときと似ているため、何かにつけて2人にからかわれている。
しかし、この状況が亮のときと似ていると、最初に気付いたのは祐介で、彼は和衣たちと違って亮をからかいこそはしないものの、何のフォローもしないし、恋人である睦月もそのことはほったらかしだ。
「何かよく分かんねぇけど、ショウの同室の人、早く来てくれ~…」
お前が来ないと、俺はいつまで経っても言われ続ける~、と、まだ見ぬ翔真の同室者に、亮は祈りにも似た言葉を吐くのだった。
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COMMENT-FORM
伽羅 ⇒ おはようございます!
柚子季杏 ⇒ きゃーー!!
またこの子達に会えるなんて嬉しい~~☆.。.:*(嬉´Д`嬉).。.:*☆
もしやもしやの翔ちゃん編ですか?!
うっわ、どんなお話になるんだろう~ドキドキ♪
カズちゃん、むっちゃんも相変わらずですね(笑)
2組のお初も気になるし(え、ないですか?ありますよね??←
また毎朝の楽しみが増えました!!
人類総ホ●化計画!楽しみにしてます( ̄ー ̄)ニヤリッ
もしやもしやの翔ちゃん編ですか?!
うっわ、どんなお話になるんだろう~ドキドキ♪
カズちゃん、むっちゃんも相変わらずですね(笑)
2組のお初も気になるし(え、ないですか?ありますよね??←
また毎朝の楽しみが増えました!!
人類総ホ●化計画!楽しみにしてます( ̄ー ̄)ニヤリッ
如月久美子 ⇒ >伽羅さん
2年生に進級し、登場人物も前より増加気味…。
しかも前より長いお話になりそうですが、どうかお付き合いくださいませ♪
コメント、ありがとうございました!
しかも前より長いお話になりそうですが、どうかお付き合いくださいませ♪
コメント、ありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
まさかまさかの翔ちゃん編です!! (そんなにまさかじゃない?)
そして2年生になっても相変わらずのお姫様たち。
特にむっちゃん、お姫っぷり倍増です(笑)
> 人類総ホ●化計画!楽しみにしてます( ̄ー ̄)ニヤリッ
もう私、かわいい男を見たら、みんなホ●に見え(自主規制)
コメント、ありがとうございました!
そして2年生になっても相変わらずのお姫様たち。
特にむっちゃん、お姫っぷり倍増です(笑)
> 人類総ホ●化計画!楽しみにしてます( ̄ー ̄)ニヤリッ
もう私、かわいい男を見たら、みんなホ●に見え(自主規制)
コメント、ありがとうございました!
りり ⇒ 翔ちゃんっっ!!
ぞくへんだーーー!
嬉しい嬉しい嬉しすぎ!
そしてまさかの翔ちゃんが…BLの園へ?
わ~~~~~い!!
お姫様むっちゃん、乙女なカズちゃん健在ですね。
楽しみです。
嬉しい嬉しい嬉しすぎ!
そしてまさかの翔ちゃんが…BLの園へ?
わ~~~~~い!!
お姫様むっちゃん、乙女なカズちゃん健在ですね。
楽しみです。
如月久美子 ⇒ >りりさん
もう、人類総ホ●化計画まっしぐらです~!
むっちゃん、カズちゃんも相変わらずです。
今回で少しは大人の階段を上ってくれればいいんですが…(^_^;)
コメントありがとうございました!
むっちゃん、カズちゃんも相変わらずです。
今回で少しは大人の階段を上ってくれればいいんですが…(^_^;)
コメントありがとうございました!