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三月 続く日々も君とありたい (2)
2009.02.16 Mon
「あぁ~、4月からはまた2人部屋かぁ…」
約半年あまり、1人部屋を満喫していた翔真は、4月になって、新たな同居者が入ってくることに、ひどく残念そうに項垂れた。
「あれ、ショウちゃんも寮に残るの?」
残り少なくなったパック飲料をズルズル啜りながら、睦月は小首を傾げた。
「え、ダメ? 残っちゃ」
「ううん。でもだってホラ、ショウちゃんと前一緒の部屋だった人、彼女が出来たから、寮出たんでしょ? ショウちゃんはそうしないのかな、て」
「まぁ、その辺は問題なしだから」
「そうなんだ。やっぱショウちゃんて大人だね」
「……そう…かな?」
単に翔真の場合、彼女といつでも一緒、ベッタリの関係が苦手なだけで、その程よい距離感を保つには、今の寮生活のほうが自分には合っていると思っただけだ。
そんなことを言ったら、和衣に何と憤慨されるか分からないので、寮に残る理由はあえて明らかにはしないけれど。
「今度はどんな人が来るかな。また、彼女出来たーて、途中で寮を出て行くような人だったら、ラッキーなのにね」
「…そうだね」
新入生がためしに寮に入ってみるのと違って、在学生がアパート暮らしをやめて寮に入るのには、恐らくそれなりの理由があるはずだから、睦月の言うようになることは、まずないだろうけど。
だからこそ、どんな人と一緒になるのかが気になる。
単に、新しい生活に夢や希望を抱いていただけの、去年とは違うから。
「むっちゃんは、また亮と同じ部屋だね」
「うん、亮と一緒」
「ご飯作ってくれるしね」
「ッ…べ、別にそればっかじゃないし!」
継続入居の書類を書いたときの睦月の名言を思い出し、翔真はまた笑いが込み上げてきた。
天然とはいえ、よくまぁそんなにハッキリと言えたものだと思う。
「もぉ! そんなに笑わないでよ!」
「ゴメン、ゴメン」
あのときだって、そんなに変なことを言ったつもりもないのに、またこんなに笑われて、睦月は頬を膨らませた。
これだけ天然発言と行動を繰り返しているのに、睦月は、自分はしっかり者だと思っているから、余計に笑える……とは、間違っても言えない、と翔真は思う。
「ショウちゃんのバカー」
「ゴメンてば。あ、亮来たよ」
とうとう機嫌を損ねてしまった睦月に、慌てるでもなく翔真は、向こうから来る彼の恋人に手を振った。
「お待たせ、……て、ショウ、何そんな笑ってんの?」
「笑ってないよ」
我慢しているのだけれど、どうも口元が緩んでいたらしい。
亮の指摘に、睦月からキツク睨まれる。
「え、何?」
「何でもないの!」
これ以上深く追及されまいと、キョトンとしている亮を尻目に、睦月は口を開こうとした翔真を遮った。
「はいはい、じゃあ、邪魔者はこれにて退散します」
「え、ショウちゃん、行っちゃうの?」
「どうせ彼女だろ」
席を立った翔真は、亮の言葉にニヤリと笑って去っていった。
「ショウちゃん、あんなに彼女とラブラブなのに、寮に残るんだって」
「あー…だろうな、アイツなら」
長い付き合い、翔真の性格を知っている亮は、納得したように頷いた。
「亮はさぁー」
「ん?」
「寮に残るでよかったの?」
「は? 何が?」
だって、さっきまたそのことで、翔真に笑われたし。
もしかして亮、何か無理してる?
「いや、別に。俺も睦月と一緒にいたかったし」
「……ホント?」
「ホント」
「ホントにホント?」
「ホントだって。何で信じないの?」
ここまで来て疑り深い睦月に、思わず苦笑する。
「ホントにホント。ずっと一緒にいよ?」
「……うん」
約半年あまり、1人部屋を満喫していた翔真は、4月になって、新たな同居者が入ってくることに、ひどく残念そうに項垂れた。
「あれ、ショウちゃんも寮に残るの?」
残り少なくなったパック飲料をズルズル啜りながら、睦月は小首を傾げた。
「え、ダメ? 残っちゃ」
「ううん。でもだってホラ、ショウちゃんと前一緒の部屋だった人、彼女が出来たから、寮出たんでしょ? ショウちゃんはそうしないのかな、て」
「まぁ、その辺は問題なしだから」
「そうなんだ。やっぱショウちゃんて大人だね」
「……そう…かな?」
単に翔真の場合、彼女といつでも一緒、ベッタリの関係が苦手なだけで、その程よい距離感を保つには、今の寮生活のほうが自分には合っていると思っただけだ。
そんなことを言ったら、和衣に何と憤慨されるか分からないので、寮に残る理由はあえて明らかにはしないけれど。
「今度はどんな人が来るかな。また、彼女出来たーて、途中で寮を出て行くような人だったら、ラッキーなのにね」
「…そうだね」
新入生がためしに寮に入ってみるのと違って、在学生がアパート暮らしをやめて寮に入るのには、恐らくそれなりの理由があるはずだから、睦月の言うようになることは、まずないだろうけど。
だからこそ、どんな人と一緒になるのかが気になる。
単に、新しい生活に夢や希望を抱いていただけの、去年とは違うから。
「むっちゃんは、また亮と同じ部屋だね」
「うん、亮と一緒」
「ご飯作ってくれるしね」
「ッ…べ、別にそればっかじゃないし!」
継続入居の書類を書いたときの睦月の名言を思い出し、翔真はまた笑いが込み上げてきた。
天然とはいえ、よくまぁそんなにハッキリと言えたものだと思う。
「もぉ! そんなに笑わないでよ!」
「ゴメン、ゴメン」
あのときだって、そんなに変なことを言ったつもりもないのに、またこんなに笑われて、睦月は頬を膨らませた。
これだけ天然発言と行動を繰り返しているのに、睦月は、自分はしっかり者だと思っているから、余計に笑える……とは、間違っても言えない、と翔真は思う。
「ショウちゃんのバカー」
「ゴメンてば。あ、亮来たよ」
とうとう機嫌を損ねてしまった睦月に、慌てるでもなく翔真は、向こうから来る彼の恋人に手を振った。
「お待たせ、……て、ショウ、何そんな笑ってんの?」
「笑ってないよ」
我慢しているのだけれど、どうも口元が緩んでいたらしい。
亮の指摘に、睦月からキツク睨まれる。
「え、何?」
「何でもないの!」
これ以上深く追及されまいと、キョトンとしている亮を尻目に、睦月は口を開こうとした翔真を遮った。
「はいはい、じゃあ、邪魔者はこれにて退散します」
「え、ショウちゃん、行っちゃうの?」
「どうせ彼女だろ」
席を立った翔真は、亮の言葉にニヤリと笑って去っていった。
「ショウちゃん、あんなに彼女とラブラブなのに、寮に残るんだって」
「あー…だろうな、アイツなら」
長い付き合い、翔真の性格を知っている亮は、納得したように頷いた。
「亮はさぁー」
「ん?」
「寮に残るでよかったの?」
「は? 何が?」
だって、さっきまたそのことで、翔真に笑われたし。
もしかして亮、何か無理してる?
「いや、別に。俺も睦月と一緒にいたかったし」
「……ホント?」
「ホント」
「ホントにホント?」
「ホントだって。何で信じないの?」
ここまで来て疑り深い睦月に、思わず苦笑する。
「ホントにホント。ずっと一緒にいよ?」
「……うん」
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ 翔ちゃんて
多分まだ本気の恋愛はしたことないんでしょうねぇ~。
恋愛経験は多いみたいですが(´∀`;)
いやぁ~でも、格好いいなぁ翔ちゃんの言動(///∇//)テレテレ☆
さくっと通じ合ってる幼馴染の亮ちゃんとの関係も素敵だし、この子達やっぱりイイですよ~♪
恋愛感情の3CPに続く代表的な子達に成長しましたね!!
そして亮ちゃん、最後に決めたな。。。( ̄ー ̄)ニヤリッ
最後のむっちゃんとの掛け合いに悶えました!!
恋愛経験は多いみたいですが(´∀`;)
いやぁ~でも、格好いいなぁ翔ちゃんの言動(///∇//)テレテレ☆
さくっと通じ合ってる幼馴染の亮ちゃんとの関係も素敵だし、この子達やっぱりイイですよ~♪
恋愛感情の3CPに続く代表的な子達に成長しましたね!!
そして亮ちゃん、最後に決めたな。。。( ̄ー ̄)ニヤリッ
最後のむっちゃんとの掛け合いに悶えました!!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> 多分まだ本気の恋愛はしたことないんでしょうねぇ~。
まさにそのとおりです!
恋愛経験豊富だけれど、本気の恋はしたことない、みたいなの、まさに私のツボを地で行く男です(爆)
> 恋愛感情の3CPに続く代表的な子達に成長しましたね!!
ありがとうございます!
お話の数からいったら、どの作品からも引けを取らない大長編に…。
でもそう言ってもらえると、ホント嬉しいです(*^_^*)
コメントありがとうございました!
まさにそのとおりです!
恋愛経験豊富だけれど、本気の恋はしたことない、みたいなの、まさに私のツボを地で行く男です(爆)
> 恋愛感情の3CPに続く代表的な子達に成長しましたね!!
ありがとうございます!
お話の数からいったら、どの作品からも引けを取らない大長編に…。
でもそう言ってもらえると、ホント嬉しいです(*^_^*)
コメントありがとうございました!