スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
一月 かじかむ指とそまる頬 (3)
2009.02.05 Thu
この、ベッドで大口を開けて寝ている男を、俺は本当に好きなのか。
何だか寝付けずにベッドをゴロゴロしていた睦月は、ベッドを下りて、亮の顔を覗き込んだ。
寝るまで点けていた暖房も、今となってはすっかりその効果をなくし、部屋の中は冷え切っているというのに、狭いベッドで大の字になって寝ている亮は、ふとんから足がはみ出している。
(好きか、……好きじゃないか)
いや、好きなんだけど。
ずっと自覚してこなかった感情は、亮の冗談だという言葉によって、確信に変わった。
冗談と言われてショックを受けて、やっと気持ちに気が付いた。
――――けれど。
「冗談て言われた…」
本当に冗談だったのか、和衣が言うように、やっぱり冗談なんかじゃなくて本気なのか、だとしたら、どうして冗談なんて言ったのか。
睦月の乏しい恋愛経験では、さっぱり理解不能だ。
人をこんな気持ちにさせておいて、口を開けた間抜け面で眠りこけている亮が憎たらしい。
何なの、この態度!
(…でも、)
あれ以来、亮の態度は相変わらずだ。
クリスマスも、普通だったし。
(…てことは、俺だけが気にしてる、てこと?)
俺は亮のことが好きで、亮の告白も、その後の冗談て言葉も気にしてて、でも亮は別に気にしてないわけだから、俺のことなんか本当は好きとかじゃなくて、てことは、やっぱりあれは冗談で、単にからかうつもりだったとか、でも俺は……
「…………ぶぇっくしっ!!」
グルグル、グルグル。
取り留めのない思考が頭の中を駆け巡っているうち、結論が出るより先、盛大なくしゃみが出た。
「グジュ…」
「……ん…」
ズルリと鼻を啜り上げていたら、睦月のくしゃみの音に気が付いたのか、爆睡していた亮のまぶたがかすかに動いた。
「……睦月…?」
「あ、ヤベ」
まさか亮が起きるなんて想定もしていなかった睦月は、目を覚ました亮に気が付いて、慌てて自分のベッドのほうに戻ろうとしたが、それより先、起き上がった亮に、手首を掴まれてしまった。
寝起きなんて、いつもすごく悪いくせに、どうしてこんなときだけ、こんなに俊敏に動けるんだろう。
「ちょっ…何?」
「何って……それ、俺のセリフなんだけど。睦月こそ何してんの? こんな夜中に電気も点けないで。てか、超冷えてんじゃん!」
部屋の明かりは、睦月が自分の枕元で点けているライトだけで、室内はほの暗い。
しかも亮のことを、ふとんから足を出して…なんて思っていたくせに、その自分は上着も羽織らず、パジャマ姿でこの寒い室内にいたのだ。
寝起きの亮がギョッとするのも無理はない。
何だか寝付けずにベッドをゴロゴロしていた睦月は、ベッドを下りて、亮の顔を覗き込んだ。
寝るまで点けていた暖房も、今となってはすっかりその効果をなくし、部屋の中は冷え切っているというのに、狭いベッドで大の字になって寝ている亮は、ふとんから足がはみ出している。
(好きか、……好きじゃないか)
いや、好きなんだけど。
ずっと自覚してこなかった感情は、亮の冗談だという言葉によって、確信に変わった。
冗談と言われてショックを受けて、やっと気持ちに気が付いた。
――――けれど。
「冗談て言われた…」
本当に冗談だったのか、和衣が言うように、やっぱり冗談なんかじゃなくて本気なのか、だとしたら、どうして冗談なんて言ったのか。
睦月の乏しい恋愛経験では、さっぱり理解不能だ。
人をこんな気持ちにさせておいて、口を開けた間抜け面で眠りこけている亮が憎たらしい。
何なの、この態度!
(…でも、)
あれ以来、亮の態度は相変わらずだ。
クリスマスも、普通だったし。
(…てことは、俺だけが気にしてる、てこと?)
俺は亮のことが好きで、亮の告白も、その後の冗談て言葉も気にしてて、でも亮は別に気にしてないわけだから、俺のことなんか本当は好きとかじゃなくて、てことは、やっぱりあれは冗談で、単にからかうつもりだったとか、でも俺は……
「…………ぶぇっくしっ!!」
グルグル、グルグル。
取り留めのない思考が頭の中を駆け巡っているうち、結論が出るより先、盛大なくしゃみが出た。
「グジュ…」
「……ん…」
ズルリと鼻を啜り上げていたら、睦月のくしゃみの音に気が付いたのか、爆睡していた亮のまぶたがかすかに動いた。
「……睦月…?」
「あ、ヤベ」
まさか亮が起きるなんて想定もしていなかった睦月は、目を覚ました亮に気が付いて、慌てて自分のベッドのほうに戻ろうとしたが、それより先、起き上がった亮に、手首を掴まれてしまった。
寝起きなんて、いつもすごく悪いくせに、どうしてこんなときだけ、こんなに俊敏に動けるんだろう。
「ちょっ…何?」
「何って……それ、俺のセリフなんだけど。睦月こそ何してんの? こんな夜中に電気も点けないで。てか、超冷えてんじゃん!」
部屋の明かりは、睦月が自分の枕元で点けているライトだけで、室内はほの暗い。
しかも亮のことを、ふとんから足を出して…なんて思っていたくせに、その自分は上着も羽織らず、パジャマ姿でこの寒い室内にいたのだ。
寝起きの亮がギョッとするのも無理はない。
- 関連記事
-
- 一月 かじかむ指とそまる頬 (4) (2009/02/06)
- 一月 かじかむ指とそまる頬 (3) (2009/02/05)
- 一月 かじかむ指とそまる頬 (2) (2009/02/04)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ 何か分かるなぁ~
付き合っていても、何処が好きなんだろう?
本当に好きなの?
いや、すきなんだけどさぁ~みたいに悩むことってありますよね。
それが、まだどっちつかずのこの状況で、しかも「冗談」ってひと言がお互いに引っ掛かってるわけで。
むっちゃんもしっかり恋する乙女ww
カズちゃんとは質が違うけど、カワイイですね(*´∀`*)
亮ちゃん、冷えたむっちゃんを見つけてどうする?!
男を見せて頑張れ亮ちゃん!!
本当に好きなの?
いや、すきなんだけどさぁ~みたいに悩むことってありますよね。
それが、まだどっちつかずのこの状況で、しかも「冗談」ってひと言がお互いに引っ掛かってるわけで。
むっちゃんもしっかり恋する乙女ww
カズちゃんとは質が違うけど、カワイイですね(*´∀`*)
亮ちゃん、冷えたむっちゃんを見つけてどうする?!
男を見せて頑張れ亮ちゃん!!
りり ⇒ ぬおおぉ…何ですかこの萌え展開!!
んぎゃ~~~いきなり押し倒…いえいえ、頑張れワンコ!
冷え冷えのむっちゃんをあっためて!
夜に寝顔見て悩むむっちゃん可愛すぎます。
亮たん罪なことしたなあ。
でもあれがあったからむっちゃんは気持ちに気づけたんですよね。
ぐいぐい迫られたらビックリして引いちゃったかも…。
あ~このもやもや感たまりません!
冷え冷えのむっちゃんをあっためて!
夜に寝顔見て悩むむっちゃん可愛すぎます。
亮たん罪なことしたなあ。
でもあれがあったからむっちゃんは気持ちに気づけたんですよね。
ぐいぐい迫られたらビックリして引いちゃったかも…。
あ~このもやもや感たまりません!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
むっちゃんもむっちゃんなりに、いろいろ考えてました。
人を好きになると、いろんなこと考えちゃいますよね。
どっちつかずだし、「冗談」とか言われてるし…。
> むっちゃんもしっかり恋する乙女ww
むはっ。
でも確かにそうですよね。
かわいいとか、最高の褒め言葉です。ありがとうございます。
亮タン、どう出るか!?
コメントありがとうございました!
人を好きになると、いろんなこと考えちゃいますよね。
どっちつかずだし、「冗談」とか言われてるし…。
> むっちゃんもしっかり恋する乙女ww
むはっ。
でも確かにそうですよね。
かわいいとか、最高の褒め言葉です。ありがとうございます。
亮タン、どう出るか!?
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
> んぎゃ~~~いきなり押し倒…いえいえ、頑張れワンコ!
もう押し倒す勢いですよ、むっちゃん。
寒い中、薄着で…。
ホント、ここで亮タンがあっためなくて、どうする!? て感じですよね。
鈍感なむっちゃんには、亮タンくらいのヘタレさがちょうどいいのかも…。
りりさんの萌え~な展開になればと願いつつ。。。
コメントありがとうございました!
もう押し倒す勢いですよ、むっちゃん。
寒い中、薄着で…。
ホント、ここで亮タンがあっためなくて、どうする!? て感じですよね。
鈍感なむっちゃんには、亮タンくらいのヘタレさがちょうどいいのかも…。
りりさんの萌え~な展開になればと願いつつ。。。
コメントありがとうございました!