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十月 猶予はあとどれくらい (3)
2009.01.09 Fri
「そんなに寂しいなら、告っちゃえばいいじゃん」
まだジタバタしている和衣を押さえ付けて睦月が言えば、これでもかと言うくらいギュウ~と枕を抱き締めて、和衣は小さく「無理…」と答えた。
「何で?」
「だって無理だもん…。嫌われてないのは分かるけどさ、友だち以上には思われてないし…」
自分で言って、自分で切なくなってきたのか、和衣はウンウン言いながら枕を潰している。
「つーかさ、むっちゃんはどうなの?」
「何が?」
「好きな子、いないの!?」
自分ばかりが追及されて恥ずかしくなったのか、ようやく枕から顔を上げた和衣が、今度は話の矛先を睦月に向けた。
「いないよ」
けれど、あっさりと睦月に返されて、和衣はおもしろくなさそうに頬を膨らませる。
「嘘ぉ!」
「嘘じゃないよ」
「じゃあ、気になる子とか」
「んー…特に思い付かない」
期待どおりの答えが返って来なくて、睦月の下敷きになっている和衣は不満げだ。
そんなわけない、絶対そんなわけない、と呪文のように繰り返すものの、睦月からは「だっていないし」としか返事がない。
「じゃあ亮は!?」
「あぁ?」
人の枕だってのに、先ほどから好き勝手にしている和衣に、実はイライラが募っていた亮は、雑に返事をする。
「今、彼女は? いるの!?」
マイクを持っているマネで差し出してきた和衣の手を叩き落とす。
けれどめげない和衣は、「どうなの? どうなの?」としつこい。仕舞いには睦月まで、「知りたい!」とか言って、乗っかって来た。
「彼女はいないです、今」
「じゃあ、好きな子は?」
「――――……、」
「あっ、いるんだ!」
一瞬、答えを躊躇った亮に、和衣はすぐに反応して突っ込んで来た。
睦月もおもしろそうな展開に、目を輝かせている。
「どんな子? かわいいの? かわいいの?」
「いや、あのな…」
興味津々の2人の目に、亮は言葉に詰まってしまう。
「いや、何つーか……よく分かんなくて…」
「はぁ?」
実際、自分でもよく分からないのだ。
この気持ちが、"好き"なのかどうか。
今までの、18歳という年齢にしては決して少なくはない恋愛経験からしても、理解不能。
けれど普段和衣が祐介に対してキャーキャー言っているのを聞いていると、自分の気持ちも、睦月に対して抱いているこの気持ちも、恋心なのかと思ってしまう。
だが相手は睦月。
同級生で、男。
高校のころに和衣が男から告白されているのを見ていたし(そのころの和衣は、きっぱりとお断りして女の子と付き合っていたが)、実際に今、和衣が祐介に対して恋慕の情を抱いているのが分かるから、別に男という部分に偏見はないが、自分もそうなのかと言われれば、どことなく気持ちははっきりしない。
だいたい、亮は年齢のわりに恋愛経験豊富だが、今まで付き合ったのは、みんな年上の女性ばかりだ。しかもどちらかと言えば百戦錬磨系の。
そういう意味でも、睦月は亮の好みのタイプではないはずだ。
だからこそ、この気持ちが分からない。
「分かんないってどういうことー?」
「どういうことー?」
亮の答えが不満なのか、和衣と睦月、2人して、伏せた亮の体を揺さ振ってくる。
和衣はともかく、睦月、お前にそんなに問い詰められたくはないよ……思っても、もちろん言えないが。
「分かんないもんは分かんないの!」
そう言って、ギャーギャー騒いでいる2人を、ベッドから追い出した。
隙間に落ちたマンガ本は、もう諦めた。
まだジタバタしている和衣を押さえ付けて睦月が言えば、これでもかと言うくらいギュウ~と枕を抱き締めて、和衣は小さく「無理…」と答えた。
「何で?」
「だって無理だもん…。嫌われてないのは分かるけどさ、友だち以上には思われてないし…」
自分で言って、自分で切なくなってきたのか、和衣はウンウン言いながら枕を潰している。
「つーかさ、むっちゃんはどうなの?」
「何が?」
「好きな子、いないの!?」
自分ばかりが追及されて恥ずかしくなったのか、ようやく枕から顔を上げた和衣が、今度は話の矛先を睦月に向けた。
「いないよ」
けれど、あっさりと睦月に返されて、和衣はおもしろくなさそうに頬を膨らませる。
「嘘ぉ!」
「嘘じゃないよ」
「じゃあ、気になる子とか」
「んー…特に思い付かない」
期待どおりの答えが返って来なくて、睦月の下敷きになっている和衣は不満げだ。
そんなわけない、絶対そんなわけない、と呪文のように繰り返すものの、睦月からは「だっていないし」としか返事がない。
「じゃあ亮は!?」
「あぁ?」
人の枕だってのに、先ほどから好き勝手にしている和衣に、実はイライラが募っていた亮は、雑に返事をする。
「今、彼女は? いるの!?」
マイクを持っているマネで差し出してきた和衣の手を叩き落とす。
けれどめげない和衣は、「どうなの? どうなの?」としつこい。仕舞いには睦月まで、「知りたい!」とか言って、乗っかって来た。
「彼女はいないです、今」
「じゃあ、好きな子は?」
「――――……、」
「あっ、いるんだ!」
一瞬、答えを躊躇った亮に、和衣はすぐに反応して突っ込んで来た。
睦月もおもしろそうな展開に、目を輝かせている。
「どんな子? かわいいの? かわいいの?」
「いや、あのな…」
興味津々の2人の目に、亮は言葉に詰まってしまう。
「いや、何つーか……よく分かんなくて…」
「はぁ?」
実際、自分でもよく分からないのだ。
この気持ちが、"好き"なのかどうか。
今までの、18歳という年齢にしては決して少なくはない恋愛経験からしても、理解不能。
けれど普段和衣が祐介に対してキャーキャー言っているのを聞いていると、自分の気持ちも、睦月に対して抱いているこの気持ちも、恋心なのかと思ってしまう。
だが相手は睦月。
同級生で、男。
高校のころに和衣が男から告白されているのを見ていたし(そのころの和衣は、きっぱりとお断りして女の子と付き合っていたが)、実際に今、和衣が祐介に対して恋慕の情を抱いているのが分かるから、別に男という部分に偏見はないが、自分もそうなのかと言われれば、どことなく気持ちははっきりしない。
だいたい、亮は年齢のわりに恋愛経験豊富だが、今まで付き合ったのは、みんな年上の女性ばかりだ。しかもどちらかと言えば百戦錬磨系の。
そういう意味でも、睦月は亮の好みのタイプではないはずだ。
だからこそ、この気持ちが分からない。
「分かんないってどういうことー?」
「どういうことー?」
亮の答えが不満なのか、和衣と睦月、2人して、伏せた亮の体を揺さ振ってくる。
和衣はともかく、睦月、お前にそんなに問い詰められたくはないよ……思っても、もちろん言えないが。
「分かんないもんは分かんないの!」
そう言って、ギャーギャー騒いでいる2人を、ベッドから追い出した。
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柚子季杏 ⇒ あらまぁ~
百戦錬磨のお姉さんたちに可愛がられてきたのか~ww
むっちゃんにまで聞かれても、答えられないよね(ぷぷぷ
カズちゃんの恋も気になるし
亮ちゃんがどうなるのかも気になるし
ゆっちの心もきになるし
あぁ~~気になる事ばかり!!
むっちゃんにまで聞かれても、答えられないよね(ぷぷぷ
カズちゃんの恋も気になるし
亮ちゃんがどうなるのかも気になるし
ゆっちの心もきになるし
あぁ~~気になる事ばかり!!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> 百戦錬磨のお姉さんたちに可愛がられてきたのか~ww
私のよく書く、いわゆる女の子遊びの派手な男の子なわけですね、亮タン。
むふふ。
なのにむっちゃんみたいな子にドキドキするようになっちゃって、自分でもわけが分かんなくなっちゃってるという…。
そして相変わらずゆっちの心は分かりづらいですね(苦笑)
コメントありがとうございました!
私のよく書く、いわゆる女の子遊びの派手な男の子なわけですね、亮タン。
むふふ。
なのにむっちゃんみたいな子にドキドキするようになっちゃって、自分でもわけが分かんなくなっちゃってるという…。
そして相変わらずゆっちの心は分かりづらいですね(苦笑)
コメントありがとうございました!