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十月 猶予はあとどれくらい (1)
2009.01.07 Wed
「やっぱりバイト、続ける」
そう宣言した睦月に、一番驚いたのは、和衣だった。
「そのかわりカズちゃん、バイトから帰るときは絶対一緒にいてよね!」
と、わざと冗談めかして強調する睦月に、もう過去のことを吹っ切ってがんばりたいと思う睦月の気持ちが見えて、誰もその決断に反対はしなかった。
そして、体調不良を理由に10日ほど休んだ後、睦月はバイトに復帰することになった。
本当はそんなに休ませてもらえるとは思っていなかったのだが、お盆に出てがんばってくれたからと、店長が許してくれたのだ。
そして睦月のバイト復帰の初日。
まだ帰って来ない睦月を、ソワソワと落ち着かない様子で待っているのは、もちろん祐介。しかもそこは自分の部屋ではなくて、睦月と亮の部屋だ。
ベッドに転がってマンガを読んでいる亮は、そんな祐介を相手にしていないが、祐介は先ほどから、部屋の真ん中で立ったり座ったりをしたかと思えば、ウロウロと部屋の中を歩き回ったりしている。
はっきり言って、鬱陶しい。
「……そんなに心配なら、迎えに行けば?」
マンガを枕元に投げて、亮が呆れたように言い放った。
そういえばこのシチュエーション、睦月が初めてバイトに行った日と同じだと思った。
「…んだよ! 亮、お前、心配じゃないのかよ!」
「心配だけどさ、睦月がやるって決めたんだから、変に心配しないで待っててやったほうがいいんじゃねぇの? アイツだって、もう親離れしたいんだよ」
「俺はアイツの親じゃねぇ!」
「例えだろ! お前は親以上に過保護だっつの!」
「グ…」
そう言われてしまえば、返す言葉がない。
祐介が睦月のことを心配するのは、もう昔からの癖のようになっていて、気付けば親のように睦月のことを気に掛けているのだ。
(睦月より、コイツのほうが子離れしたほうがいいんじゃねぇの…?)
亮に密かにそう思われているとも知らず、祐介はまたウロウロと部屋の中を歩き回り始めた。
そういえば、と亮はふと思い出した。
まだ春のころ、風の強い夜に、震えうなされていた睦月。
昔いろいろあって、と言っていたけれど、おそらくそれが、この間教えてくれた過去のことなのだろう。
そのときも、睦月は祐介には話さないでくれと言っていたが、きっと話せば祐介がまた心配すると思ったに違いない。
睦月はずっと、祐介なしで、1人で立てるようにがんばっているのだ。
けれど。
「…………。つーかお前、ホンット鬱陶しいから、部屋帰れよ!!」
まだ1人でウダウダ心配している祐介を、亮はとうとう耐え兼ねて、部屋から追い出した。
そう宣言した睦月に、一番驚いたのは、和衣だった。
「そのかわりカズちゃん、バイトから帰るときは絶対一緒にいてよね!」
と、わざと冗談めかして強調する睦月に、もう過去のことを吹っ切ってがんばりたいと思う睦月の気持ちが見えて、誰もその決断に反対はしなかった。
そして、体調不良を理由に10日ほど休んだ後、睦月はバイトに復帰することになった。
本当はそんなに休ませてもらえるとは思っていなかったのだが、お盆に出てがんばってくれたからと、店長が許してくれたのだ。
そして睦月のバイト復帰の初日。
まだ帰って来ない睦月を、ソワソワと落ち着かない様子で待っているのは、もちろん祐介。しかもそこは自分の部屋ではなくて、睦月と亮の部屋だ。
ベッドに転がってマンガを読んでいる亮は、そんな祐介を相手にしていないが、祐介は先ほどから、部屋の真ん中で立ったり座ったりをしたかと思えば、ウロウロと部屋の中を歩き回ったりしている。
はっきり言って、鬱陶しい。
「……そんなに心配なら、迎えに行けば?」
マンガを枕元に投げて、亮が呆れたように言い放った。
そういえばこのシチュエーション、睦月が初めてバイトに行った日と同じだと思った。
「…んだよ! 亮、お前、心配じゃないのかよ!」
「心配だけどさ、睦月がやるって決めたんだから、変に心配しないで待っててやったほうがいいんじゃねぇの? アイツだって、もう親離れしたいんだよ」
「俺はアイツの親じゃねぇ!」
「例えだろ! お前は親以上に過保護だっつの!」
「グ…」
そう言われてしまえば、返す言葉がない。
祐介が睦月のことを心配するのは、もう昔からの癖のようになっていて、気付けば親のように睦月のことを気に掛けているのだ。
(睦月より、コイツのほうが子離れしたほうがいいんじゃねぇの…?)
亮に密かにそう思われているとも知らず、祐介はまたウロウロと部屋の中を歩き回り始めた。
そういえば、と亮はふと思い出した。
まだ春のころ、風の強い夜に、震えうなされていた睦月。
昔いろいろあって、と言っていたけれど、おそらくそれが、この間教えてくれた過去のことなのだろう。
そのときも、睦月は祐介には話さないでくれと言っていたが、きっと話せば祐介がまた心配すると思ったに違いない。
睦月はずっと、祐介なしで、1人で立てるようにがんばっているのだ。
けれど。
「…………。つーかお前、ホンット鬱陶しいから、部屋帰れよ!!」
まだ1人でウダウダ心配している祐介を、亮はとうとう耐え兼ねて、部屋から追い出した。
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柚子季杏 ⇒ おぉ!!
亮ちゃん・・・・・ヤキモチ?
本人まだそれとは気付かない感じのヤキモチ状態っぽいですね~。
萌えるww
何だよ面白くねぇなぁ~みたいな?きゃ♪
むっちゃんバイト復帰ですか!
偉いなぁ~ちゃんと立ち向かおうとしてるんすね!
頑張れー!!
本人まだそれとは気付かない感じのヤキモチ状態っぽいですね~。
萌えるww
何だよ面白くねぇなぁ~みたいな?きゃ♪
むっちゃんバイト復帰ですか!
偉いなぁ~ちゃんと立ち向かおうとしてるんすね!
頑張れー!!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
そうなんですよ、本人は完全無意識。
人に言われてもまだ、「え、違ぇし」みたいな(笑)
鈍感ばっかの集まりですね、このイケメン集団は。
そしてむっちゃんはバイト復帰です。
実はいろいろ考えてる大人だったんですね。
でも8割子どもです(爆)
むっちゃん、応援してくださいね。
コメントありがとうございました!
人に言われてもまだ、「え、違ぇし」みたいな(笑)
鈍感ばっかの集まりですね、このイケメン集団は。
そしてむっちゃんはバイト復帰です。
実はいろいろ考えてる大人だったんですね。
でも8割子どもです(爆)
むっちゃん、応援してくださいね。
コメントありがとうございました!