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七月 嫌がらせの至近距離 (8)
2008.12.25 Thu
「あ、ショウちゃん、一生のお願い。環境科学のノート見せて。そして出来れば勉強教えて」
最近お気に入りのサラダうどんをつつきながら、到底『一生のお願い』をするとは思えない口振りで、睦月は向かいに座っていた翔真に言った―――――祐介がトイレに立った隙を見計らって。
真面目にノートを取っていないことがばれれば、またうるさいお小言を聞くはめになるから。
「ね? お願い!」
「いや…まぁ、いいけど。でもむっちゃん、亮からノート借りるとか言ってなかったっけ?」
「だって亮、バカなんだもん。使えなくて」
「あ、なるほど」
「…て、オイ! そーゆーことは、せめて本人のいないところで話せ!」
黙って睦月と翔真のやり取りを聞いていた亮が、とうとう2人に突っ込みを入れた。
だいたい、頭の程度なんて、亮も翔真もそんなに変わらないのだ。
自分だけが一方的にバカにされるのは、何だか癪に障る……というか、同じレベルだっていうのに、睦月が自分でなく翔真に頼ろうとするなんて、何かそんなの嫌だと思う。
別に睦月が誰からノートを借りようと、そんなこと別にどうだっていいはずなのに、けれど他の人に頼られるのは、何か嫌だ。
(…………て、)
これは世に言う嫉妬というヤツなのでは…。
(何言ってんだって、バッカじゃねぇの、俺! 嫉妬とか! だから違ぇし! これじゃホントに睦月のこと好きみてぇじゃん! そうじゃなくて!)
「亮、どうした?」
「えっ!?」
「そんな、ちょっとバカにされたくらいで落ち込むなって。今に始まったことじゃないだろ?」
全然何のフォローにも慰めにもなっていない言葉を掛けられて、亮はようやく我に返る。
顔を上げれば、ノートを見せてもらえることになった睦月が、嬉しそうにサラダうどんを頬張っていた。
「でもさぁ、むっちゃん、環境科学の時間、結構ちゃんと授業受けてなかった?」
「うーん…そのつもりだったんだけど、今ノート見ると、何書いてるか、わけ分かんないんだよねー。あはは」
と、睦月はのん気に笑っているが、絶対に笑っている場合ではないと、翔真と亮、そして和衣は思う。
きっと昔からこんな調子で、ずっと祐介が助けて来たのだろう。
そのことを思って、和衣の胸は少し痛む。それに亮も。
「ね、だから見せてね?」
「あーはいはい」
本当かどうか分からないが、次からは真面目にノートを取ると言う睦月の言葉を、しょうがないからこの際、信じることにしよう。
どうせなら、補習を受けずに、みんな一緒に夏休みを迎えたい。
それに、和衣のこともあるし。
翔真は、人知れず溜め息をついた。
最近お気に入りのサラダうどんをつつきながら、到底『一生のお願い』をするとは思えない口振りで、睦月は向かいに座っていた翔真に言った―――――祐介がトイレに立った隙を見計らって。
真面目にノートを取っていないことがばれれば、またうるさいお小言を聞くはめになるから。
「ね? お願い!」
「いや…まぁ、いいけど。でもむっちゃん、亮からノート借りるとか言ってなかったっけ?」
「だって亮、バカなんだもん。使えなくて」
「あ、なるほど」
「…て、オイ! そーゆーことは、せめて本人のいないところで話せ!」
黙って睦月と翔真のやり取りを聞いていた亮が、とうとう2人に突っ込みを入れた。
だいたい、頭の程度なんて、亮も翔真もそんなに変わらないのだ。
自分だけが一方的にバカにされるのは、何だか癪に障る……というか、同じレベルだっていうのに、睦月が自分でなく翔真に頼ろうとするなんて、何かそんなの嫌だと思う。
別に睦月が誰からノートを借りようと、そんなこと別にどうだっていいはずなのに、けれど他の人に頼られるのは、何か嫌だ。
(…………て、)
これは世に言う嫉妬というヤツなのでは…。
(何言ってんだって、バッカじゃねぇの、俺! 嫉妬とか! だから違ぇし! これじゃホントに睦月のこと好きみてぇじゃん! そうじゃなくて!)
「亮、どうした?」
「えっ!?」
「そんな、ちょっとバカにされたくらいで落ち込むなって。今に始まったことじゃないだろ?」
全然何のフォローにも慰めにもなっていない言葉を掛けられて、亮はようやく我に返る。
顔を上げれば、ノートを見せてもらえることになった睦月が、嬉しそうにサラダうどんを頬張っていた。
「でもさぁ、むっちゃん、環境科学の時間、結構ちゃんと授業受けてなかった?」
「うーん…そのつもりだったんだけど、今ノート見ると、何書いてるか、わけ分かんないんだよねー。あはは」
と、睦月はのん気に笑っているが、絶対に笑っている場合ではないと、翔真と亮、そして和衣は思う。
きっと昔からこんな調子で、ずっと祐介が助けて来たのだろう。
そのことを思って、和衣の胸は少し痛む。それに亮も。
「ね、だから見せてね?」
「あーはいはい」
本当かどうか分からないが、次からは真面目にノートを取ると言う睦月の言葉を、しょうがないからこの際、信じることにしよう。
どうせなら、補習を受けずに、みんな一緒に夏休みを迎えたい。
それに、和衣のこともあるし。
翔真は、人知れず溜め息をついた。
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ ん~~
翔ちゃん!
翔ちゃんが気になるぞ~~♪((O(*・ω・*)O))♪ワクワク
むっちゃんはもぅ~~。
周りが甘過ぎですねぇ(´∀`;) アハハ
甘やかされ慣れてるから仕方ないのかww
これ、本当バイト経験も無く社会に出る事になったら大変だろうなぁ~といらぬ心配(爆)
カズも亮ちゃんも、心はユ~ラユラ漂っちゃってますね♪
そろそろ8月かな?いやー全く見えない先が楽しみです!
翔ちゃんが気になるぞ~~♪((O(*・ω・*)O))♪ワクワク
むっちゃんはもぅ~~。
周りが甘過ぎですねぇ(´∀`;) アハハ
甘やかされ慣れてるから仕方ないのかww
これ、本当バイト経験も無く社会に出る事になったら大変だろうなぁ~といらぬ心配(爆)
カズも亮ちゃんも、心はユ~ラユラ漂っちゃってますね♪
そろそろ8月かな?いやー全く見えない先が楽しみです!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
翔ちゃん、いいヤツだぜ~。
実はいろんなことを気に掛けてます。
で、むっちゃんは、やっぱりずっと甘やかされて育ってきただけに…(苦笑)
基本姿勢は、「自分がしなくても、誰かがしてくれる」です(爆)
ようやく8月突入です!
季節は真冬なのに、こちらは真夏の逆転現象ですが、よろしくお願いします。
コメントありがとうございました!
実はいろんなことを気に掛けてます。
で、むっちゃんは、やっぱりずっと甘やかされて育ってきただけに…(苦笑)
基本姿勢は、「自分がしなくても、誰かがしてくれる」です(爆)
ようやく8月突入です!
季節は真冬なのに、こちらは真夏の逆転現象ですが、よろしくお願いします。
コメントありがとうございました!