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七月 嫌がらせの至近距離 (4)
2008.12.21 Sun
和衣がホモになったからって、別に何がどう変わるわけでもない。…………と、亮は思う。
唯一変わったことといえば、和衣が前より乙女チックになったかなーというくらい。
何だか急に、祐介と2人きりになるのを恥ずかしがったり、いつもどおりの祐介の笑顔に顔を赤くしたり。翔真に、「思春期の女の子みたい」と突っ込まれても、ど突いたりなんかしない。
「カズはホントに恋しちゃってるんだねぇー」
「うん」
恥ずかしげもなくそんな会話をしているのは、和衣と翔真。亮は自分のベッドに転がってマンガを読みながら、何とはなしに、その会話を耳に入れている。
(つーか、何でコイツら、ここにいるの…?)
せっかく翔真は1人部屋になったというのに、どうしてその部屋の住人までもがここに集まるのか、よく分からない。
「何かね、もう無理…」
「え、何が?」
「ドキドキしすぎて。苦しい…」
「恋とはそういうものだよ、九条くん」
「先生、助けて…」
「どれどれ」
何だかよく分からないコントを繰り広げ始めた2人に、亮は溜め息をついて寝返りを打った。
その次の瞬間だった。
バタンとドアの開く音に、睦月が帰って来たのだろうと、亮がたいして気にも留めずにいると、
「亮ー、ノート見せてぇー!」
「ぐえっ…!」
うつ伏せになっていた亮の背中に、衝撃と重み。
亮は、カエルが潰れたような声を上げて、そのまま睦月の下敷きになった。
帰って来た睦月は、「ただいま」よりも先に、勢いよく亮の背中に飛び乗ったのだ。
「むっちゃん、亮が潰れてるから…」
「あ、カズちゃん、ショウちゃん。ただいまー」
亮の背中に乗っかったまま、睦月は2人のほうを向いた。その様子に、和衣も翔真も苦笑いを浮かべている。
「ねぇねぇ、それよりさぁ、ノート見せてー。倫理学の」
「……はぁ?」
睦月の下敷きになりながらも、亮は首を捻って睦月を振り返った。
「ノート! だって倫理学の試験、ノート持ち込みでレポート書かなきゃいけないんでしょ?」
亮の背中から降りもせず、睦月はゆさゆさとその背中を揺すった。
「え、むっちゃん、倫理学、ノート取ってないの?」
睦月と亮のやり取り(というより、一方的に睦月が喋っていただけだが)に、和衣は驚いて声を上げた。
もうすぐ始まるテスト期間。
その中で倫理学の試験は、時間内にレポートを作成することになっていて、自筆のノートの持参が認められている。
つまりは、どれだけ授業をちゃんと聞いて、ノートを取っていたかで、レポートの良し悪しが決まる仕組みなのだ。
テキストに載っていないことも授業には登場したので、単にテキストを書き写すだけでは、テストでいい点は取れない。
そのことを知っているので、たいていの学生はわりと真面目に授業に出ていたのだが。
「取ってない。後で見せてもらえばいいかなーと思って」
「…………」
「…………」
「…………」
とんでもないことをサラリと言ってのける睦月に、3人とも呆れ顔で固まった。
そういえば睦月は、倫理学の時間、ここぞとばかりに寝ていることが多かったことを、翔真は思い出した。
唯一変わったことといえば、和衣が前より乙女チックになったかなーというくらい。
何だか急に、祐介と2人きりになるのを恥ずかしがったり、いつもどおりの祐介の笑顔に顔を赤くしたり。翔真に、「思春期の女の子みたい」と突っ込まれても、ど突いたりなんかしない。
「カズはホントに恋しちゃってるんだねぇー」
「うん」
恥ずかしげもなくそんな会話をしているのは、和衣と翔真。亮は自分のベッドに転がってマンガを読みながら、何とはなしに、その会話を耳に入れている。
(つーか、何でコイツら、ここにいるの…?)
せっかく翔真は1人部屋になったというのに、どうしてその部屋の住人までもがここに集まるのか、よく分からない。
「何かね、もう無理…」
「え、何が?」
「ドキドキしすぎて。苦しい…」
「恋とはそういうものだよ、九条くん」
「先生、助けて…」
「どれどれ」
何だかよく分からないコントを繰り広げ始めた2人に、亮は溜め息をついて寝返りを打った。
その次の瞬間だった。
バタンとドアの開く音に、睦月が帰って来たのだろうと、亮がたいして気にも留めずにいると、
「亮ー、ノート見せてぇー!」
「ぐえっ…!」
うつ伏せになっていた亮の背中に、衝撃と重み。
亮は、カエルが潰れたような声を上げて、そのまま睦月の下敷きになった。
帰って来た睦月は、「ただいま」よりも先に、勢いよく亮の背中に飛び乗ったのだ。
「むっちゃん、亮が潰れてるから…」
「あ、カズちゃん、ショウちゃん。ただいまー」
亮の背中に乗っかったまま、睦月は2人のほうを向いた。その様子に、和衣も翔真も苦笑いを浮かべている。
「ねぇねぇ、それよりさぁ、ノート見せてー。倫理学の」
「……はぁ?」
睦月の下敷きになりながらも、亮は首を捻って睦月を振り返った。
「ノート! だって倫理学の試験、ノート持ち込みでレポート書かなきゃいけないんでしょ?」
亮の背中から降りもせず、睦月はゆさゆさとその背中を揺すった。
「え、むっちゃん、倫理学、ノート取ってないの?」
睦月と亮のやり取り(というより、一方的に睦月が喋っていただけだが)に、和衣は驚いて声を上げた。
もうすぐ始まるテスト期間。
その中で倫理学の試験は、時間内にレポートを作成することになっていて、自筆のノートの持参が認められている。
つまりは、どれだけ授業をちゃんと聞いて、ノートを取っていたかで、レポートの良し悪しが決まる仕組みなのだ。
テキストに載っていないことも授業には登場したので、単にテキストを書き写すだけでは、テストでいい点は取れない。
そのことを知っているので、たいていの学生はわりと真面目に授業に出ていたのだが。
「取ってない。後で見せてもらえばいいかなーと思って」
「…………」
「…………」
「…………」
とんでもないことをサラリと言ってのける睦月に、3人とも呆れ顔で固まった。
そういえば睦月は、倫理学の時間、ここぞとばかりに寝ていることが多かったことを、翔真は思い出した。
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COMMENT-FORM
柚子季 杏 ⇒ むっちゃ~~ん
えーーーーと。。。。。
ま。
今日日の学生はそんなもんすよね(´∀`;) アハハ
せめて亮ちゃん潰さないであげて~ww
カズはもぅ、本当に好きなんですねぇ~ゆっちのこと。
んーどうなるんだろう!?
ま。
今日日の学生はそんなもんすよね(´∀`;) アハハ
せめて亮ちゃん潰さないであげて~ww
カズはもぅ、本当に好きなんですねぇ~ゆっちのこと。
んーどうなるんだろう!?
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
自分で出来なくても、誰かが何とかしてくれる――――むっちゃんの基本姿勢です。
でも最近の学生さんは、レポートとかもネットのコピペで済ませちゃう人が多いって、テレビで見ましたよ。
それよりはまだましかも。。。
カズちゃんの乙女度はますますヒートアップです。
そしてますます暴走……どうなることやら、です。
コメントありがとうございました!
でも最近の学生さんは、レポートとかもネットのコピペで済ませちゃう人が多いって、テレビで見ましたよ。
それよりはまだましかも。。。
カズちゃんの乙女度はますますヒートアップです。
そしてますます暴走……どうなることやら、です。
コメントありがとうございました!
理+masa+ ⇒ ほのぼのぉ~~
|д・) ソォーッ…
こんにちは~今日も癒されにきました。
いつもポチだけですみません。
5人とも超~かわいい♪ 大好物です!
これから皆の気持ちが
どう変わっていくのか。。。
むむ。。過去も気になる。。。
楽しみです♪
こんにちは~今日も癒されにきました。
いつもポチだけですみません。
5人とも超~かわいい♪ 大好物です!
これから皆の気持ちが
どう変わっていくのか。。。
むむ。。過去も気になる。。。
楽しみです♪
如月久美子 ⇒ >理+masa+さん
いつもポチありがとうございます!!
その1ポチが、更新の原動力です!!
お姫やら乙女やら保護者やら……こんな5人ですが、大好物とか言ってもらえて、嬉しい限りです。
まだまだ先は長いですが、どうぞお付き合いください。
コメントありがとうございました!
その1ポチが、更新の原動力です!!
お姫やら乙女やら保護者やら……こんな5人ですが、大好物とか言ってもらえて、嬉しい限りです。
まだまだ先は長いですが、どうぞお付き合いください。
コメントありがとうございました!