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ろくな愛をしらない 07
2008.01.31 Thu
大嫌いなのに、もう全部忘れちゃいたいのに。
頭から離れなくて。
ねぇ、どうしたらいいの?
【久住慶太】
「なー、歩ー」
勝手知ったる歩の部屋。
俺はグダグダと床に転がりながら、雑誌を捲ってる歩に声を掛けた。
「んー?」
気のなさそうな声。こっちを見ようともしない。
「なー歩ー、なーってばぁ」
「何だよ」
面倒臭そうに顔を上げた歩は、だらけた格好の俺に、少しだけ眉を寄せた。しょうがねぇじゃん、今、心も体も疲れ切ってんだから。
「慶太さぁ、最近何か疲れてるよね」
「……あー、まぁ」
さすが親友。
俺のこと、よく見てるよね。
「で?」
「……最近、時々一緒にメシ行ったりする人がいるんだけど、何て言うか……正直、苦手だなぁ、って思うわけ」
「苦手なのに、一緒にメシ食いに行くんだ?」
「その人の友だちが、俺の知り合いで……何か断れない」
「何で苦手なんだよ」
歩は読んでた雑誌を閉じた。どうやら本格的に相談に乗ってくれるらしい。
でも俺は、だらけた格好のまま、体を起こさない。
「何考えてんのか、分かんないとこ」
チラリと、頭の片隅を、相川さんの顔が掠めた。
「話は?」
「時々する」
「するんだ」
「そんなにしたくないけど」
言うと、歩の眉間が少し寄った。
「話し掛けられるってこと? でも、仲良くなりたいなら、話し合うほかないんじゃない?」
「仲良くなりたいっていうか、何考えてんのか知りたい」
「なら、なおさら」
「でも、会いたくない」
「無茶言うなよ」
歩が困ったように溜息をつくから、俺はモゾモゾと身を丸くして、歩を視界から消した。
「だって、会うとイライラするし」
「何で?」
「知るかよ。その人のすること、全部イライラするし、その人の口から他の奴の名前が出るだけでイライラする」
そうなんだ。
あの人に会うと、いっつもイライラする。
だって、何考えてんのか全然分かんないし、俺のことからかって楽しんでるし、もう……わけ分かんない。
「…………あのさぁ、お前、」
少しの沈黙の後、歩が重々しく口を開いた。
俺は少し体を動かして、チラリと歩を見た。
「お前さぁ、その人のこと苦手なんじゃなくて、好きなんじゃねぇの?」
……………………。
「はぁ!?」
思わずガバッと体を起こした。
「いい反応するね。何? 図星?」
「バッ……そんなわけあるかよ! だってソイツ、おとっ…」
「は?」
「あ、いや…」
だって、ソイツ…………その人、男、だし。
ていうか、相川さんだし。
「慶太?」
「…………そんなわけない」
急に気が抜けちゃったみたいに、俺はペタンとそこに座った。
「そんなわけ…」
そんなわけ、あるはずない。
絶対ない。
絶対。
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