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君のことが好きだっていう話! (20)
2016.11.09 Wed
たまたま見つけたという和衣の言葉に嘘はない。和衣が七夕飾りのところにいつまでもいたのは、決して祐介の書いた短冊を探していたからではなく、本当に書くのに時間が掛かったからで、さらには飾る場所にも頭を悩ませていたからだ。
祐介も、和衣の言葉を疑うつもりはない。和衣の性格からして、そんなにうまく嘘がつけるわけがないことは、よく分かっている。
というか、本当は祐介の短冊をわざわざ探して見たのだとすれば、『たまたま見つけた』などと言わなくても、見たこと自体を黙っていればいいだけのことだ。
「てか、あの…、頭上げて?」
今の和衣は、偶然とはいえ、祐介の短冊を見てしまった罪悪感でいっぱいで気付いていないかもしれないが、ここはプラネタリウムの前で、人が大勢行き交っているのだ。
こんなところで、そんな真剣な調子で謝られても。
いや、和衣にとっては大事かもしれないが、事は、和衣が祐介の短冊を見たというだけのことだ。
「別に、その…、いいから、そんなことくらい」
「でも…、ヤダったでしょ? ゴメンね」
「ヤダ、ていうか……恥ずかしいだけで…」
和衣はおずおずと頭を上げたが、まだ手は合わせたままだ。余程申し訳ないと思っているようだ。偶然祐介の短冊を見ただけでこの調子なのだ、絶対に探してまで見たわけではないだろう。
というか、祐介にしたら、短冊を見られたことが嫌だというよりは、単にものすごく恥ずかしいだけだ。和衣に短冊を見られたと知った時点からずっと、耳が熱い。顔だって絶対に赤いに決まっている。
「ゴメンね、祐介」
「いや、いいって、もう」
わざとではなかったわけだし、いや、たとえわざとだったとしても、そこまで謝るようなことではない。
いや、たとえわざと見たんだとしても、もう気にしなくていいから、すぐさま短冊のことを忘れてほしい。和衣がずっと気にして、短冊のことを覚えていられると、こっちも恥ずかしい。
「…お詫びに、俺の短冊も見る?」
「は?」
「祐介も俺の書いたの見れば、おあいこでしょ?」
「何そのおあいこの条件…。いいよ別に。見られるの、恥ずかしいんでしょ?」
「でもぉ」
もういい、と言っているのに、1度気にし出すと止まらないのが和衣だ。妙な和衣理論を繰り広げている。
そりゃ祐介だって、和衣が短冊に何と書いたか気にならないわけではないが、言うまでもなく和衣は、短冊を人に見られるのを恥ずかしがっているのだ。それを2人で見た日には、お互い照れまくることは間違いない。
それをわざわざ引き返してまで、見に行こうとは思わない。
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祐介も、和衣の言葉を疑うつもりはない。和衣の性格からして、そんなにうまく嘘がつけるわけがないことは、よく分かっている。
というか、本当は祐介の短冊をわざわざ探して見たのだとすれば、『たまたま見つけた』などと言わなくても、見たこと自体を黙っていればいいだけのことだ。
「てか、あの…、頭上げて?」
今の和衣は、偶然とはいえ、祐介の短冊を見てしまった罪悪感でいっぱいで気付いていないかもしれないが、ここはプラネタリウムの前で、人が大勢行き交っているのだ。
こんなところで、そんな真剣な調子で謝られても。
いや、和衣にとっては大事かもしれないが、事は、和衣が祐介の短冊を見たというだけのことだ。
「別に、その…、いいから、そんなことくらい」
「でも…、ヤダったでしょ? ゴメンね」
「ヤダ、ていうか……恥ずかしいだけで…」
和衣はおずおずと頭を上げたが、まだ手は合わせたままだ。余程申し訳ないと思っているようだ。偶然祐介の短冊を見ただけでこの調子なのだ、絶対に探してまで見たわけではないだろう。
というか、祐介にしたら、短冊を見られたことが嫌だというよりは、単にものすごく恥ずかしいだけだ。和衣に短冊を見られたと知った時点からずっと、耳が熱い。顔だって絶対に赤いに決まっている。
「ゴメンね、祐介」
「いや、いいって、もう」
わざとではなかったわけだし、いや、たとえわざとだったとしても、そこまで謝るようなことではない。
いや、たとえわざと見たんだとしても、もう気にしなくていいから、すぐさま短冊のことを忘れてほしい。和衣がずっと気にして、短冊のことを覚えていられると、こっちも恥ずかしい。
「…お詫びに、俺の短冊も見る?」
「は?」
「祐介も俺の書いたの見れば、おあいこでしょ?」
「何そのおあいこの条件…。いいよ別に。見られるの、恥ずかしいんでしょ?」
「でもぉ」
もういい、と言っているのに、1度気にし出すと止まらないのが和衣だ。妙な和衣理論を繰り広げている。
そりゃ祐介だって、和衣が短冊に何と書いたか気にならないわけではないが、言うまでもなく和衣は、短冊を人に見られるのを恥ずかしがっているのだ。それを2人で見た日には、お互い照れまくることは間違いない。
それをわざわざ引き返してまで、見に行こうとは思わない。
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