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君のことが好きだっていう話! (18)
2016.11.07 Mon
(…あ、)
短冊を書くにも大層な時間を費やし、飾るとなっても時間が掛かり……いい加減、祐介が待ちくたびれているかもしれないから、急いで戻ろうとしたのだけれど、ふと1つの短冊に目が入り、足が止まった。
和衣と同じように、名前はイニシャルで書かれている。しかし、別にそこに共感して、気になったわけではない。イニシャルを用いている短冊なら、他にもある。
そうでなくて。
内容が、和衣と同じように、ずっと一緒にいたい、というものだったから気になったわけではなくて――――いや、そうじゃなくて。
何が言いたいかというと。
(この字、祐介の字に似てる…)
だからこそ、目に入ってしまったのだ。
良縁や恋人との仲の願う短冊は多い。和衣だって書いた。それ以外の内容の短冊もたくさん飾ってあって、でもその中からこの短冊を見つけてしまった。
(いや…、うん、祐介の……だよね)
イニシャルも一致している。字だって、今までに何度となく見ているから、間違いようがない。短冊の色も、さっきチラッと見えたものと同じだ。
つまりこれは、この和衣が見つけてしまった短冊は、祐介が書いたものだ。
(あ…、ぅ…)
和衣は、ぶわっと顔が熱くなった。面と向かって言われたわけではないが、祐介が和衣と同じように、こんなふうに思っていてくれたのだと知って、嬉しくないはずがない。
嬉しいのと同時に、照れくささも湧いてくる。だって、そんな、照れるに決まってる…。
「うっ、うっ」
和衣は、赤くなっているであろう頬を、両手でぺしぺしと叩いた。周りの人に変だと思われるかもしれない、と気遣う余裕はない。
(あ、あ、でも祐介、ゴメン…)
ぺしぺしした後は、拳でグリグリと頬を撫で繰り回す。隣の女の人が訝しげに、チラリと和衣を見たけれど、それどころではなかった。
偶然とはいえ、和衣は、祐介の書いた短冊を見てしまった。でもそれは仕方がない、みんなに見られる場所に飾られている以上、誰にも見られないままでいられるはずがないのだ。
でも、それでも、和衣は申し訳なく思ってしまう。だって和衣は、祐介が、短冊を和衣に見られたくないと思っていたことを知っているのだ。なのに、見てしまったから。
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短冊を書くにも大層な時間を費やし、飾るとなっても時間が掛かり……いい加減、祐介が待ちくたびれているかもしれないから、急いで戻ろうとしたのだけれど、ふと1つの短冊に目が入り、足が止まった。
和衣と同じように、名前はイニシャルで書かれている。しかし、別にそこに共感して、気になったわけではない。イニシャルを用いている短冊なら、他にもある。
そうでなくて。
内容が、和衣と同じように、ずっと一緒にいたい、というものだったから気になったわけではなくて――――いや、そうじゃなくて。
何が言いたいかというと。
(この字、祐介の字に似てる…)
だからこそ、目に入ってしまったのだ。
良縁や恋人との仲の願う短冊は多い。和衣だって書いた。それ以外の内容の短冊もたくさん飾ってあって、でもその中からこの短冊を見つけてしまった。
(いや…、うん、祐介の……だよね)
イニシャルも一致している。字だって、今までに何度となく見ているから、間違いようがない。短冊の色も、さっきチラッと見えたものと同じだ。
つまりこれは、この和衣が見つけてしまった短冊は、祐介が書いたものだ。
(あ…、ぅ…)
和衣は、ぶわっと顔が熱くなった。面と向かって言われたわけではないが、祐介が和衣と同じように、こんなふうに思っていてくれたのだと知って、嬉しくないはずがない。
嬉しいのと同時に、照れくささも湧いてくる。だって、そんな、照れるに決まってる…。
「うっ、うっ」
和衣は、赤くなっているであろう頬を、両手でぺしぺしと叩いた。周りの人に変だと思われるかもしれない、と気遣う余裕はない。
(あ、あ、でも祐介、ゴメン…)
ぺしぺしした後は、拳でグリグリと頬を撫で繰り回す。隣の女の人が訝しげに、チラリと和衣を見たけれど、それどころではなかった。
偶然とはいえ、和衣は、祐介の書いた短冊を見てしまった。でもそれは仕方がない、みんなに見られる場所に飾られている以上、誰にも見られないままでいられるはずがないのだ。
でも、それでも、和衣は申し訳なく思ってしまう。だって和衣は、祐介が、短冊を和衣に見られたくないと思っていたことを知っているのだ。なのに、見てしまったから。
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