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その手なら離さないでね (9)
2016.08.01 Mon
「お前、飲まないの?」
睦月がミズキに飲ませてあげられればいいんだけれど、残念ながらジュースは未開封で、今の状態の睦月は、どうがんばっても開けることが出来ないから、無理だ。
お姉さんがもう1つジュースを用意して、そばで待機しているが、ミズキはそちらを見向きもしない。
「むちゅき、飲んで」
「開いてないから、飲めませーん」
一応、口元に持って行って飲む真似はしたけれど、飲めないものは飲めないのだから、そう言って睦月は鼻先をミズキの顔に近付けた。
何がおもしろいのか、それだけでウケてくれるのだから、睦月としても大変助かる。
「ミズキ!」
何度か顔を近付けてミズキを笑わせていたら、遠くからミズキの名を呼ぶ女性の声がした。その声のほうを向くと、若い女性がこちらに駆け寄って来た。
「あ、ママー」
なるほど、この女性がミズキの母親のようだ。
「はぁっ、はぁっ、よかったっ…」
アナウンスを聞いて、ここまで走って来たのだろう、彼女は肩で息をしながら、両膝に手を置いた。
「ミズキくん、よかったねー、ママが来てくれて」
「ん」
お姉さんに頭を撫でられ、ミズキはコクンと頷いた。
ミズキと女性の様子からして、彼女が母親で間違いないのだろうが、子どもを引き渡す前に身分確認をさせてほしいとサービスカウンターのお姉さんが女性に声を掛けた。
このショッピングモールではないが、以前、迷子センターに母親を装って迷子を引き取りに来た女が子どもを連れ去ったという事件があり、それ以来、身分確認を徹底するようにしているのだと、お姉さんが申し訳なさそうに女性に説明している。
母親にしてみれば、一刻も早くミズキを抱き締めたいところだろうが、これは仕方がないことだろう、と睦月は思った。
「ミズキ…」
身分確認の手続きが終わり、晴れてミズキは母親のもとへと引き渡された。
レジやサービスカウンターのお姉さんがどんなに抱っこしようとしても、ミズキは頑として睦月から離れようとしなかったが、やはりそこは母親だ、ミズキはすぐに母親の腕の中に移った。
母親は、もう2度とミズキを離さんばかりに、ギュッとミズキを抱き締めた。
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睦月がミズキに飲ませてあげられればいいんだけれど、残念ながらジュースは未開封で、今の状態の睦月は、どうがんばっても開けることが出来ないから、無理だ。
お姉さんがもう1つジュースを用意して、そばで待機しているが、ミズキはそちらを見向きもしない。
「むちゅき、飲んで」
「開いてないから、飲めませーん」
一応、口元に持って行って飲む真似はしたけれど、飲めないものは飲めないのだから、そう言って睦月は鼻先をミズキの顔に近付けた。
何がおもしろいのか、それだけでウケてくれるのだから、睦月としても大変助かる。
「ミズキ!」
何度か顔を近付けてミズキを笑わせていたら、遠くからミズキの名を呼ぶ女性の声がした。その声のほうを向くと、若い女性がこちらに駆け寄って来た。
「あ、ママー」
なるほど、この女性がミズキの母親のようだ。
「はぁっ、はぁっ、よかったっ…」
アナウンスを聞いて、ここまで走って来たのだろう、彼女は肩で息をしながら、両膝に手を置いた。
「ミズキくん、よかったねー、ママが来てくれて」
「ん」
お姉さんに頭を撫でられ、ミズキはコクンと頷いた。
ミズキと女性の様子からして、彼女が母親で間違いないのだろうが、子どもを引き渡す前に身分確認をさせてほしいとサービスカウンターのお姉さんが女性に声を掛けた。
このショッピングモールではないが、以前、迷子センターに母親を装って迷子を引き取りに来た女が子どもを連れ去ったという事件があり、それ以来、身分確認を徹底するようにしているのだと、お姉さんが申し訳なさそうに女性に説明している。
母親にしてみれば、一刻も早くミズキを抱き締めたいところだろうが、これは仕方がないことだろう、と睦月は思った。
「ミズキ…」
身分確認の手続きが終わり、晴れてミズキは母親のもとへと引き渡された。
レジやサービスカウンターのお姉さんがどんなに抱っこしようとしても、ミズキは頑として睦月から離れようとしなかったが、やはりそこは母親だ、ミズキはすぐに母親の腕の中に移った。
母親は、もう2度とミズキを離さんばかりに、ギュッとミズキを抱き締めた。
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