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その手なら離さないでね (2)
2016.07.21 Thu
こういうときは、携帯電話会社に連絡して、使えなくなるように処理してもらえばいいはずだと、睦月は焦りながらも閃いたのだが、肝心のスマホが手元にない今、そういう手段に出ることすら出来ない。
ということは、やはり今は亮を捜すのが先か? いや、ダッシュで家まで帰って、和衣か祐介か翔真か、誰かからスマホを借りて連絡…………て、
「違ぇ! 充電してたんだ!」
殆どスマホを使わない睦月は、充電の減りもすごく少ないし、ちょっとくらい充電が少なくなっても全然気にしないんだけれど、2%という表示を見たときは、さすがに充電しなければ…と思い、何日ぶりかも思い出せないくらい久しぶりに、スマホを充電器に繋いだのだ。
そして、朝起きてスマホを充電し始めて、もうそれきり忘れていた。
睦月は大抵、スマホをベッドの上か(それで起きられた例はないが、アラームはセットしているので)、学校に行くときのカバンの中か、机の上に置いているのだが、電源の位置の関係で、今朝はいつもと違う場所に置いたのが、運の尽きだった。
もちろん2%になる前に、何度かスマホ自身が充電がなくなりそうであることを睦月に伝えていたのだが、面倒くさがって無視し続けていた結果がこれだ。さっさと充電しておけば、こんなことにはならなかった。
「はぅ…」
スマホの在り処と無事であることが分かり、ひとまずはホッとしたものの、自分が迷子という状況に変化はない。いや、迷子じゃないけど。ちょっと亮と離れて、いろいろ見てるだけだけど。
ここは一先ず、この場に留まろう。
いい加減、亮だって睦月がいないことに気が付いているだろうし、それで最初に取る行動は、睦月がそうしようとしたのと同じく、電話をすることだろう。で、睦月が電話に出ないとなれば、来た道を戻って来る……に違いない。
亮は、きっと睦月がまたどこかで何かに気を取られて足を止めていると思って、戻って来るはずだ。理由はムカつくが、そう考えて、亮はここに来るはずだ。
だから、下手にウロウロするよりも、ここにいるのがいい。
「…ぅ?」
そうと決まれば、見ている途中だった食玩の冷やかしを続けよう。
亮は自分を見つけないわけがない、という根拠のない自信の下、のん気というより能天気にそう思って、睦月は気になった箱の1つに手を伸ばしたが、ふと何かの視線に気が付いて、手を止めた。
キョロキョロと辺りを見回すまでもなく、ちらっと横を向いたら、小さな男の子がジィッと睦月のことを見つめているのだった。
大学生男子の睦月は、もちろん小さい子どものことなど何も詳しくないから、その子がいくつなのかを一見しただけで察することは出来ないけれど、小学校には上がっていなそうだ。
少なくとも、1人でこんなところに来るような年齢には見えないから、近くに親か誰かがいるのだろうと睦月が思ったのも束の間、睦月が視線をその子から食玩のほうに向けるよりも先、グニャリとその子の顔が歪んで『うわぁ~~~~~~!!!』と大きな声を上げて泣き出したのだ。
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ということは、やはり今は亮を捜すのが先か? いや、ダッシュで家まで帰って、和衣か祐介か翔真か、誰かからスマホを借りて連絡…………て、
「違ぇ! 充電してたんだ!」
殆どスマホを使わない睦月は、充電の減りもすごく少ないし、ちょっとくらい充電が少なくなっても全然気にしないんだけれど、2%という表示を見たときは、さすがに充電しなければ…と思い、何日ぶりかも思い出せないくらい久しぶりに、スマホを充電器に繋いだのだ。
そして、朝起きてスマホを充電し始めて、もうそれきり忘れていた。
睦月は大抵、スマホをベッドの上か(それで起きられた例はないが、アラームはセットしているので)、学校に行くときのカバンの中か、机の上に置いているのだが、電源の位置の関係で、今朝はいつもと違う場所に置いたのが、運の尽きだった。
もちろん2%になる前に、何度かスマホ自身が充電がなくなりそうであることを睦月に伝えていたのだが、面倒くさがって無視し続けていた結果がこれだ。さっさと充電しておけば、こんなことにはならなかった。
「はぅ…」
スマホの在り処と無事であることが分かり、ひとまずはホッとしたものの、自分が迷子という状況に変化はない。いや、迷子じゃないけど。ちょっと亮と離れて、いろいろ見てるだけだけど。
ここは一先ず、この場に留まろう。
いい加減、亮だって睦月がいないことに気が付いているだろうし、それで最初に取る行動は、睦月がそうしようとしたのと同じく、電話をすることだろう。で、睦月が電話に出ないとなれば、来た道を戻って来る……に違いない。
亮は、きっと睦月がまたどこかで何かに気を取られて足を止めていると思って、戻って来るはずだ。理由はムカつくが、そう考えて、亮はここに来るはずだ。
だから、下手にウロウロするよりも、ここにいるのがいい。
「…ぅ?」
そうと決まれば、見ている途中だった食玩の冷やかしを続けよう。
亮は自分を見つけないわけがない、という根拠のない自信の下、のん気というより能天気にそう思って、睦月は気になった箱の1つに手を伸ばしたが、ふと何かの視線に気が付いて、手を止めた。
キョロキョロと辺りを見回すまでもなく、ちらっと横を向いたら、小さな男の子がジィッと睦月のことを見つめているのだった。
大学生男子の睦月は、もちろん小さい子どものことなど何も詳しくないから、その子がいくつなのかを一見しただけで察することは出来ないけれど、小学校には上がっていなそうだ。
少なくとも、1人でこんなところに来るような年齢には見えないから、近くに親か誰かがいるのだろうと睦月が思ったのも束の間、睦月が視線をその子から食玩のほうに向けるよりも先、グニャリとその子の顔が歪んで『うわぁ~~~~~~!!!』と大きな声を上げて泣き出したのだ。
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