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その手なら離さないでね (1)
2016.07.20 Wed
「あ…、あ?」
それは一瞬のことだったと思う。
ほんのちょっと目を離した隙に、という言葉は、まさに今のためにあるのだと、睦月はポカンとしながらも思った。
亮と一緒に、ショッピングモールをぶらついていたのだが、おもしろそうな食玩に睦月が気を取られている間に、亮の姿が見えなくなったのだ。黙って急に立ち止まった睦月に気付かず、歩いて行ってしまったのだろう。
これは全面的に睦月が悪いと言われれば、反論の余地は少ないが、しかし気付かず行ってしまう亮だって悪いと思う。気付くだろ、普通。いや、気付けよ。
「むぅー…」
隣のコーナーや周辺を念のため見て回ったものの、やはり亮はいない。
これは完全にはぐれたというヤツだ。迷子だ。いい年して、睦月は迷子になってしまったのだ。
(いや、迷子じゃねぇし。電話すりゃいいだけだし)
亮がどこまで行ってしまったのかは知らないが、睦月がいなくなったことに気付いていなかったとしても(それはすっごくムカつくが)、電話をしてどこに行ったのかを聞けばいいだけのことだ。
うん、別に迷子じゃない。
「電話、電話…………電話……」
睦月はパタパタとポケットを触ってみて、そこにスマホの感触がないことに焦りながら、今度はすべてのポケットに手を突っ込んで、入っているものを確認する。
――――ない。
ポケットの中から出て来たのは、財布しかない。
「えっとー…」
もともと睦月は、出かけるときに荷物は少なくて、手ぶらであることも珍しくない。
学校に行くときはテキストやノートがいるからカバンが必要だけれど、そうでないときは、財布とスマホと鍵くらいで、亮と一緒に出掛けるなら、鍵は亮が持つから、財布とスマホしかない。
だから今日だって、ポケットの中には財布とスマホがあっていいはずなのに、どんなに捜しても、スマホだけが見当たらない。
「え、落とした…?」
こうなると、話はまたいろいろと変わってくる。早く亮を見つけなければならないことに変わりはないが、それよりももっと早くスマホを捜さなければ。
睦月は普段から殆どスマホを弄らなくて、なくても全然困らない人なんだけれど、個人情報の塊だし、落とすのはマズイ。流出するのも困るし、勝手に使われるのも困る。
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それは一瞬のことだったと思う。
ほんのちょっと目を離した隙に、という言葉は、まさに今のためにあるのだと、睦月はポカンとしながらも思った。
亮と一緒に、ショッピングモールをぶらついていたのだが、おもしろそうな食玩に睦月が気を取られている間に、亮の姿が見えなくなったのだ。黙って急に立ち止まった睦月に気付かず、歩いて行ってしまったのだろう。
これは全面的に睦月が悪いと言われれば、反論の余地は少ないが、しかし気付かず行ってしまう亮だって悪いと思う。気付くだろ、普通。いや、気付けよ。
「むぅー…」
隣のコーナーや周辺を念のため見て回ったものの、やはり亮はいない。
これは完全にはぐれたというヤツだ。迷子だ。いい年して、睦月は迷子になってしまったのだ。
(いや、迷子じゃねぇし。電話すりゃいいだけだし)
亮がどこまで行ってしまったのかは知らないが、睦月がいなくなったことに気付いていなかったとしても(それはすっごくムカつくが)、電話をしてどこに行ったのかを聞けばいいだけのことだ。
うん、別に迷子じゃない。
「電話、電話…………電話……」
睦月はパタパタとポケットを触ってみて、そこにスマホの感触がないことに焦りながら、今度はすべてのポケットに手を突っ込んで、入っているものを確認する。
――――ない。
ポケットの中から出て来たのは、財布しかない。
「えっとー…」
もともと睦月は、出かけるときに荷物は少なくて、手ぶらであることも珍しくない。
学校に行くときはテキストやノートがいるからカバンが必要だけれど、そうでないときは、財布とスマホと鍵くらいで、亮と一緒に出掛けるなら、鍵は亮が持つから、財布とスマホしかない。
だから今日だって、ポケットの中には財布とスマホがあっていいはずなのに、どんなに捜しても、スマホだけが見当たらない。
「え、落とした…?」
こうなると、話はまたいろいろと変わってくる。早く亮を見つけなければならないことに変わりはないが、それよりももっと早くスマホを捜さなければ。
睦月は普段から殆どスマホを弄らなくて、なくても全然困らない人なんだけれど、個人情報の塊だし、落とすのはマズイ。流出するのも困るし、勝手に使われるのも困る。
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