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彼の愛情表現は分かりづらい (15)
2016.07.05 Tue
流れ的に断れないし、仕事だから仕方がないとはいえ、やはり恋人が他の女をお姫様抱っこしているところなんて、見たくないだろうなぁ…と思うのだが、千尋からは何の反応もない。
千尋はグラスを傾けながらテレビを見ているが、CMに入る直前の、大和が彼女をお姫様抱っこするところになった振りの部分は見ていなかったのだろうか。
だとしたら、この隙にチャンネルを替えたかったけれど、やはりそれは不自然だろう。
「ん」
「え? あ、うん」
千尋がクルリと大和のほうを向いたかと思うと、空のグラスを差し出してきて、テレビに気を取られていた大和は、ペース速いって! と突っ込みそびれ、素直にシャンパンを注いでしまった。
「えーっと…、ちーちゃん、」
「豆腐食うから大丈夫」
「いや、そうじゃなくて」
大和が声を掛けたのを、千尋が飲み過ぎていることへの突っ込みと思ったのか、千尋が先ほどの屁理屈のような理論を述べて来た。
そしてボトルを大和から奪うと、勝手に大和のグラスにもシャンパンを注ぐ。もちろん、何も気を付けずに注いだシャンパンは、泡立ってグラスから溢れたわけだが。
「………………」
千尋は、悔しそうな、納得いかなそうな顔で大和を見た。それに対して大和は、何とも声を掛け難く、先ほど出して来たタオルで、黙って零れたシャンパンを拭いてやった。
テレビが、CMから番組の続きへと切り替わり、大和が止める間もなく、千尋はそちらを向いた。
(あ~…)
テレビの中では、お姫様抱っこをする役目として、大和が担ぎ出されている。
見た目どおりというか、見た目以上というか、今思い出してもこの子、かなり重たかった。とはいえ、いくらぽっちゃり体型を売りにしているとしても、その感想をはっきり言うのは憚られたので、苦笑するだけに留めておいたけれど。
「これさぁ、」
「えっ」
ふら付きながらも何とかその子を抱き上げ、お姫様抱っこの体勢を取ったところで、千尋が声を掛けて来たので、大和は肩をビクつかせた。タイミングからしてやはり、大和のお姫様抱っこについて、何か言いたいのだろう。
「な…何…?」
ある程度の嫉妬や苦情なら覚悟しているが、あまり機嫌は損ねてほしくないなぁ…なんて思いつつ、大和は曖昧な笑みを浮かべた。
千尋は、機嫌がいいのか悪いのかよく分からない表情をしている。
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千尋はグラスを傾けながらテレビを見ているが、CMに入る直前の、大和が彼女をお姫様抱っこするところになった振りの部分は見ていなかったのだろうか。
だとしたら、この隙にチャンネルを替えたかったけれど、やはりそれは不自然だろう。
「ん」
「え? あ、うん」
千尋がクルリと大和のほうを向いたかと思うと、空のグラスを差し出してきて、テレビに気を取られていた大和は、ペース速いって! と突っ込みそびれ、素直にシャンパンを注いでしまった。
「えーっと…、ちーちゃん、」
「豆腐食うから大丈夫」
「いや、そうじゃなくて」
大和が声を掛けたのを、千尋が飲み過ぎていることへの突っ込みと思ったのか、千尋が先ほどの屁理屈のような理論を述べて来た。
そしてボトルを大和から奪うと、勝手に大和のグラスにもシャンパンを注ぐ。もちろん、何も気を付けずに注いだシャンパンは、泡立ってグラスから溢れたわけだが。
「………………」
千尋は、悔しそうな、納得いかなそうな顔で大和を見た。それに対して大和は、何とも声を掛け難く、先ほど出して来たタオルで、黙って零れたシャンパンを拭いてやった。
テレビが、CMから番組の続きへと切り替わり、大和が止める間もなく、千尋はそちらを向いた。
(あ~…)
テレビの中では、お姫様抱っこをする役目として、大和が担ぎ出されている。
見た目どおりというか、見た目以上というか、今思い出してもこの子、かなり重たかった。とはいえ、いくらぽっちゃり体型を売りにしているとしても、その感想をはっきり言うのは憚られたので、苦笑するだけに留めておいたけれど。
「これさぁ、」
「えっ」
ふら付きながらも何とかその子を抱き上げ、お姫様抱っこの体勢を取ったところで、千尋が声を掛けて来たので、大和は肩をビクつかせた。タイミングからしてやはり、大和のお姫様抱っこについて、何か言いたいのだろう。
「な…何…?」
ある程度の嫉妬や苦情なら覚悟しているが、あまり機嫌は損ねてほしくないなぁ…なんて思いつつ、大和は曖昧な笑みを浮かべた。
千尋は、機嫌がいいのか悪いのかよく分からない表情をしている。
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