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彼の愛情表現は分かりづらい (11)
2016.06.28 Tue
遥希は、品行方正な琉ファンであると同時に、琉第一主義だ。遥希自身はまったくの無自覚のようだが、周りから見ると、必要以上に琉に気を遣いすぎているというか、遠慮しすぎているようなところがある。
例えば今のテレビの感想の件だって、そんなことくらいで嫌だと思うはずもないだろうに、琉に嫌な思いをさせてたかも…! と1人で勝手に思い込んでしまったのだろう。
そして、そういうことは、当然琉に直接言えるタイプではないので、相談者の役割が千尋に回って来るというわけだ。
「そんなのどうでもいいわっ! て思うけどさぁ、ハルちゃん、しつこいからぁ」
「じゃあこれからは、積極的に自分の出てる番組見るように、琉に言っとくわ」
「うん。そんで、ハルちゃんの感想もっと聞きたい、一緒に感想語り合おう、てハルちゃんに言うように、水落に言っといて」
「それは…」
もし本当に琉がそんなことを言って、遥希が真に受けたら、2人でいる間中、琉は自分の出演した番組の感想を語り合い、下手したらそのまま一夜を明かしかねない。
それはそれで、想像すると大分おもしろいことになっているけれど、それは飽くまでも他人事だから言えることで…………当事者だったら、ちょっと耐えられない。
「俺らも語り明かす? ちょうど大和くん出てるし」
「えー…いいよ、遠慮しとく…」
自分が出ている番組を、まったく全然見てくれないのは寂しくもあるが、2人で過ごす夜を、自分の出演した番組の感想を語り明かすことに費やしたくはない、とはつい今しがた思ったばかりだ。
「そう? じゃあ静かに見よっか。あ、てか、ねぇ大和くん、1個言っていい?」
「何?」
「手がめっちゃ冷たい」
「…………。だろうねぇ」
先ほどからずっと手を氷水の中に浸けっ放しなのだ、冷たくなっていることは、言われなくても分かっている。
そもそも、どうしてそんなところに手を突っ込んだのか、突っ込みそびれていたけれど、今からでも突っ込んでいいだろうか。
「ねぇ、これもぉ冷えたぁ?」
手が冷たいなら、さっさと氷水の中から出せばいいのに、千尋は手を浸したまま、シャンパンのボトルを掴んでいる。
というか、やっぱりまだ飲みたいんだね…。
「もー冷たくなくてもいいから、飲むー」
「分かった分かった。だからとりあえず手出して。冷たいんでしょ? あ、待った、タオル! タオルどこ、ちーちゃん」
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例えば今のテレビの感想の件だって、そんなことくらいで嫌だと思うはずもないだろうに、琉に嫌な思いをさせてたかも…! と1人で勝手に思い込んでしまったのだろう。
そして、そういうことは、当然琉に直接言えるタイプではないので、相談者の役割が千尋に回って来るというわけだ。
「そんなのどうでもいいわっ! て思うけどさぁ、ハルちゃん、しつこいからぁ」
「じゃあこれからは、積極的に自分の出てる番組見るように、琉に言っとくわ」
「うん。そんで、ハルちゃんの感想もっと聞きたい、一緒に感想語り合おう、てハルちゃんに言うように、水落に言っといて」
「それは…」
もし本当に琉がそんなことを言って、遥希が真に受けたら、2人でいる間中、琉は自分の出演した番組の感想を語り合い、下手したらそのまま一夜を明かしかねない。
それはそれで、想像すると大分おもしろいことになっているけれど、それは飽くまでも他人事だから言えることで…………当事者だったら、ちょっと耐えられない。
「俺らも語り明かす? ちょうど大和くん出てるし」
「えー…いいよ、遠慮しとく…」
自分が出ている番組を、まったく全然見てくれないのは寂しくもあるが、2人で過ごす夜を、自分の出演した番組の感想を語り明かすことに費やしたくはない、とはつい今しがた思ったばかりだ。
「そう? じゃあ静かに見よっか。あ、てか、ねぇ大和くん、1個言っていい?」
「何?」
「手がめっちゃ冷たい」
「…………。だろうねぇ」
先ほどからずっと手を氷水の中に浸けっ放しなのだ、冷たくなっていることは、言われなくても分かっている。
そもそも、どうしてそんなところに手を突っ込んだのか、突っ込みそびれていたけれど、今からでも突っ込んでいいだろうか。
「ねぇ、これもぉ冷えたぁ?」
手が冷たいなら、さっさと氷水の中から出せばいいのに、千尋は手を浸したまま、シャンパンのボトルを掴んでいる。
というか、やっぱりまだ飲みたいんだね…。
「もー冷たくなくてもいいから、飲むー」
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