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彼の愛情表現は分かりづらい (4)
2016.06.16 Thu
「開け方? これ取って、ポーンてすればいいんでしょ?」
「絶対やめて」
やっぱり分かってなかった! と大和は、千尋の手をシャンパンボトルから離させた。
千尋が言った『これ』とはコルクを固定している針金のことで、千尋はその針金を外した後、何かのセレモニーかシャンパンファイトのようなイメージで、栓を飛ばそうとしていたのだ。
「壁とか当たったら、穴開いちゃうから」
「そうなの? そんなに? ポーンてしないの?」
「ガラスとか蛍光灯とか当たったら、超危ないよ」
キョトンと小首を傾げている千尋は、本当に何も分かっていないのだろう。危険すぎる。
「じゃあどうやんの?」
「え、ちーちゃんやる? 俺、代わろっか?」
前に仕事でシャンパンの開け方を教わったことがあるから、格好よくスマートにとまではいかずとも、少なくとも安全に開けることなら出来る。
「ん~…、じゃあお願い」
自分でやる! と意地を張るかと思ったのに、意外にも千尋はあっさりと抜栓の役目を大和に譲った。多分もう面倒くさくなっているのだろう。
大和はボトルを傾けて持つと、栓を押さえながら針金を外す。千尋が興味深そうに大和の手元を覗き込んで来るから、危なくないようにボトルの先を千尋から背けた。そして、ゆっくりとボトルを回して、コルクを傾けながら徐々にガスを抜く。
「…開いたよ」
よく冷えていたおかげもあって、開けた途端にシャンパンが噴き出すこともなかったので、大和は内心ホッとした。
シャンパンは栓を飛ばして開けるものだと思っていたくらいの千尋だから、大和のそんな安堵感などきっと気付かないはずで、何とか様になっているように見えただろう。
「はいっ!」
さっそく千尋が嬉しそうにグラスを差し出してくる。細かいことを言っても千尋は分からないだろうし、面倒くさがるだけだろうから、大和は何も言わず、どのグラスにシャンパンを注いでやった。
「あ、」
「ん?」
自分のグラスにも注ぎ始めたら千尋が声を上げたから、視線を上げると、千尋がこちらに手を伸ばしていた。もしかしたら、大和のグラスに注いであげるつもりだったのだろうか。
けれど、千尋が手を伸ばして来たときには、もうすでにグラスの半分くらいまで注がれていて、千尋は大和と目を合わせた後、おずおずと手を引っ込めた。
大和は少し笑って、ボトルを置いた。
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「絶対やめて」
やっぱり分かってなかった! と大和は、千尋の手をシャンパンボトルから離させた。
千尋が言った『これ』とはコルクを固定している針金のことで、千尋はその針金を外した後、何かのセレモニーかシャンパンファイトのようなイメージで、栓を飛ばそうとしていたのだ。
「壁とか当たったら、穴開いちゃうから」
「そうなの? そんなに? ポーンてしないの?」
「ガラスとか蛍光灯とか当たったら、超危ないよ」
キョトンと小首を傾げている千尋は、本当に何も分かっていないのだろう。危険すぎる。
「じゃあどうやんの?」
「え、ちーちゃんやる? 俺、代わろっか?」
前に仕事でシャンパンの開け方を教わったことがあるから、格好よくスマートにとまではいかずとも、少なくとも安全に開けることなら出来る。
「ん~…、じゃあお願い」
自分でやる! と意地を張るかと思ったのに、意外にも千尋はあっさりと抜栓の役目を大和に譲った。多分もう面倒くさくなっているのだろう。
大和はボトルを傾けて持つと、栓を押さえながら針金を外す。千尋が興味深そうに大和の手元を覗き込んで来るから、危なくないようにボトルの先を千尋から背けた。そして、ゆっくりとボトルを回して、コルクを傾けながら徐々にガスを抜く。
「…開いたよ」
よく冷えていたおかげもあって、開けた途端にシャンパンが噴き出すこともなかったので、大和は内心ホッとした。
シャンパンは栓を飛ばして開けるものだと思っていたくらいの千尋だから、大和のそんな安堵感などきっと気付かないはずで、何とか様になっているように見えただろう。
「はいっ!」
さっそく千尋が嬉しそうにグラスを差し出してくる。細かいことを言っても千尋は分からないだろうし、面倒くさがるだけだろうから、大和は何も言わず、どのグラスにシャンパンを注いでやった。
「あ、」
「ん?」
自分のグラスにも注ぎ始めたら千尋が声を上げたから、視線を上げると、千尋がこちらに手を伸ばしていた。もしかしたら、大和のグラスに注いであげるつもりだったのだろうか。
けれど、千尋が手を伸ばして来たときには、もうすでにグラスの半分くらいまで注がれていて、千尋は大和と目を合わせた後、おずおずと手を引っ込めた。
大和は少し笑って、ボトルを置いた。
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