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彼の愛情表現は分かりづらい (3)
2016.06.15 Wed
「でもさぁ、そんなこと言ったら一生開けらんないし。だって飲むとしたら、俺1人か、俺と大和くんの2人か、俺とハルちゃんの2人かのどれかでしょ? いつ開けんの?」
「まぁ…」
「ねっ、だから飲も? 大丈夫、飲み切れなくないよ」
千尋の想定している、一緒にシャンパンを開ける人が、大和以外は遥希しかいないことに、ある意味ホッとしたけれど、しかし、どのパターンでも千尋が酔い潰れること必至なところが危ない。
「でも俺、明日朝から仕事だから、そんなに飲めないよ」
「俺も朝から仕事だよ? 大丈夫大丈夫、シャンパンくらいで酔っ払わないって」
「ちょっと待って、ちーちゃん。どの口がそんなこと言ってんの」
そもそもシャンパンは、アルコール度数が最低でも11%はあるのだ。一般的にビールが4~6%くらいだから、それと比べたって、十分度数は高い。
大体千尋は、初めて大和と飲んだクリスマスイブのホテルでもシャンパンで潰れたくせに、『酔っ払わない』だなんて、よく言えたものだ。
「ぐふふ」
しかし千尋はもう取り合う気はないようで、楽しげにグラスを用意している。
これはもう諦めて、付き合うしかなさそうだ。
「これ、アレだよね、氷の中に突っ込んどいたほうがいいんだよね? ホントは」
「でもちーちゃん、ずっと冷蔵庫に入れてたんでしょ? なら冷えてるから大丈夫だよ」
「そう?」
冷蔵庫よりも、氷を入れたシャンパンクーラーに入れておいたほうが、すぐに適温になるけれど、ずっと冷蔵庫に入れていたのなら、十分冷えているだろう。
「でも、氷の中に突っ込んでたほうが、カッコよくない?」
「そもそもちーちゃん、持ってるの? シャンパンクーラー」
「持ってない。何かそれっぽいの、バケツ……はないし、…………洗面器?」
「それ、カッコいいかな?」
千尋の場合、冷やすためでなく、カッコいいから、という理由でシャンパンクーラーを使いたがっているようなのに、代用品が洗面器では、全然格好がつかない。もちろん、バケツでも。
まぁいっか、と軽口を叩きながら、千尋がキャップシールを剥がし始めている。それを見ていた大和は、ハッとした。
「ちょっと待った! 待った、ちーちゃん!」
「…何?」
「ちーちゃん、シャンパンの開け方、分かるの?」
急に止められて、千尋は怪訝そうに眉を寄せたが、大和は根本的な、そして大変なことに気が付いたのだ――――シャンパンを開けようとしている千尋の手が、全然コルク栓を押さえようとしていない。
まだキャップシールを剥がしただけだから大丈夫だけれど、針金を外すとなったら、栓が飛ばないように押さえておかないと危ないのに。
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「まぁ…」
「ねっ、だから飲も? 大丈夫、飲み切れなくないよ」
千尋の想定している、一緒にシャンパンを開ける人が、大和以外は遥希しかいないことに、ある意味ホッとしたけれど、しかし、どのパターンでも千尋が酔い潰れること必至なところが危ない。
「でも俺、明日朝から仕事だから、そんなに飲めないよ」
「俺も朝から仕事だよ? 大丈夫大丈夫、シャンパンくらいで酔っ払わないって」
「ちょっと待って、ちーちゃん。どの口がそんなこと言ってんの」
そもそもシャンパンは、アルコール度数が最低でも11%はあるのだ。一般的にビールが4~6%くらいだから、それと比べたって、十分度数は高い。
大体千尋は、初めて大和と飲んだクリスマスイブのホテルでもシャンパンで潰れたくせに、『酔っ払わない』だなんて、よく言えたものだ。
「ぐふふ」
しかし千尋はもう取り合う気はないようで、楽しげにグラスを用意している。
これはもう諦めて、付き合うしかなさそうだ。
「これ、アレだよね、氷の中に突っ込んどいたほうがいいんだよね? ホントは」
「でもちーちゃん、ずっと冷蔵庫に入れてたんでしょ? なら冷えてるから大丈夫だよ」
「そう?」
冷蔵庫よりも、氷を入れたシャンパンクーラーに入れておいたほうが、すぐに適温になるけれど、ずっと冷蔵庫に入れていたのなら、十分冷えているだろう。
「でも、氷の中に突っ込んでたほうが、カッコよくない?」
「そもそもちーちゃん、持ってるの? シャンパンクーラー」
「持ってない。何かそれっぽいの、バケツ……はないし、…………洗面器?」
「それ、カッコいいかな?」
千尋の場合、冷やすためでなく、カッコいいから、という理由でシャンパンクーラーを使いたがっているようなのに、代用品が洗面器では、全然格好がつかない。もちろん、バケツでも。
まぁいっか、と軽口を叩きながら、千尋がキャップシールを剥がし始めている。それを見ていた大和は、ハッとした。
「ちょっと待った! 待った、ちーちゃん!」
「…何?」
「ちーちゃん、シャンパンの開け方、分かるの?」
急に止められて、千尋は怪訝そうに眉を寄せたが、大和は根本的な、そして大変なことに気が付いたのだ――――シャンパンを開けようとしている千尋の手が、全然コルク栓を押さえようとしていない。
まだキャップシールを剥がしただけだから大丈夫だけれど、針金を外すとなったら、栓が飛ばないように押さえておかないと危ないのに。
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