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彼の愛情表現は分かりづらい (1)
2016.06.13 Mon
yamato & chihiro
千尋は相変わらず筋肉大好き、鍛えるの大好きで、最近ではジムに通い出したり、ボディビルの雑誌を買っては、その筋肉を眺めてうっとりしたりしているんだけれど(…)、体作りには欠かせない食事については、てんで改善する気はないらしく、これまた相変わらずいい加減な食生活を送っていた。
いや、栄養のバランスだけを言ったら、それなりに考えているようにも見えるが、何しろ殆ど料理をしない千尋の食事は、外で済ませるか、出来合いのものを買って来る、といった具合なのだ。
恋人が出来たら、おいしい手作り料理を食べてもらいたいから、苦手な料理も練習して、がんばっちゃう! …みたいな少女漫画を地で行くのが遥希なら、そういう発想を微塵も持ち合わせていないのが千尋だ。
それでも一応、料理らしいことはしないでもないのだが、しなくていいなら絶対にしない、とはっきり公言しているくらいで、千尋の性格はもう十分に分かっている大和は、千尋の家に行く前には、ちょっと何かを買っていくようにしている。
千尋は、コンビニ弁当だろうと、スーパーのお総菜コーナーだろうと、そこそこ名の知れたお高めのデリカテッセンだろうと、気にするのはカロリーくらいで、味なんて腹に入れば同じと思っているから、買い物なんてある意味すごく簡単なのに、それでも大和は、千尋が喜びそうなものは何かと頭を悩ませてしまうのだから、大和の思考は、どちらかというと遥希寄りなのかもしれない。
(いや…、ちーちゃんが極端すぎるだけだね)
結局、自分も食べたいから、という理由で選んだホテルのデリカテッセンの袋を手にした大和は、千尋の家に到着して、ダイニングのテーブルを目にした瞬間、その想いを確信した。
大和が千尋の家で食事をするとなったとき、何か買って来るのはもう定番だったが、千尋が一応何か用意してくれているのも定番だった。
それは、仕事帰りに買ってきた出来合いのもののときもあれば、自分で簡単に作ったもののときもあるんだけれど、本日のメニューは、想像の斜め上を行っていた。
今、テーブルの上にドン! と鎮座ましましているのは、ピラミッド状に積み上げられた豆腐の山だった。
「これは…」
大和は絶句し、手にしていた袋を床に落としそうになったが、何とかそれは堪えた。
一応、豆腐は一丁のものを切り分けてあるし、頂点には薬味のネギが乗っているから、冷奴、ということなのだろうが、どうしてわざわざ積んだのか、よく崩さなかったよね!? と、突っ込みたいところは多々ある。
「ちーちゃん、あの…」
「うわっ、ちょーうまそう何これ!」
大和に冷奴ピラミッドについて尋ねる隙を与えず、すぐさま大和の持っていたデリカテッセンの袋に飛び付いた。
味には少しもうるさくない千尋だけれど、でもやっぱりおいしいもののほうがいいし、大和が持って来るものは、いつだってすごくおいしいのを知っているから。
それはともかく、『何これ』は大和のセリフだ、間違いなく。
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千尋は相変わらず筋肉大好き、鍛えるの大好きで、最近ではジムに通い出したり、ボディビルの雑誌を買っては、その筋肉を眺めてうっとりしたりしているんだけれど(…)、体作りには欠かせない食事については、てんで改善する気はないらしく、これまた相変わらずいい加減な食生活を送っていた。
いや、栄養のバランスだけを言ったら、それなりに考えているようにも見えるが、何しろ殆ど料理をしない千尋の食事は、外で済ませるか、出来合いのものを買って来る、といった具合なのだ。
恋人が出来たら、おいしい手作り料理を食べてもらいたいから、苦手な料理も練習して、がんばっちゃう! …みたいな少女漫画を地で行くのが遥希なら、そういう発想を微塵も持ち合わせていないのが千尋だ。
それでも一応、料理らしいことはしないでもないのだが、しなくていいなら絶対にしない、とはっきり公言しているくらいで、千尋の性格はもう十分に分かっている大和は、千尋の家に行く前には、ちょっと何かを買っていくようにしている。
千尋は、コンビニ弁当だろうと、スーパーのお総菜コーナーだろうと、そこそこ名の知れたお高めのデリカテッセンだろうと、気にするのはカロリーくらいで、味なんて腹に入れば同じと思っているから、買い物なんてある意味すごく簡単なのに、それでも大和は、千尋が喜びそうなものは何かと頭を悩ませてしまうのだから、大和の思考は、どちらかというと遥希寄りなのかもしれない。
(いや…、ちーちゃんが極端すぎるだけだね)
結局、自分も食べたいから、という理由で選んだホテルのデリカテッセンの袋を手にした大和は、千尋の家に到着して、ダイニングのテーブルを目にした瞬間、その想いを確信した。
大和が千尋の家で食事をするとなったとき、何か買って来るのはもう定番だったが、千尋が一応何か用意してくれているのも定番だった。
それは、仕事帰りに買ってきた出来合いのもののときもあれば、自分で簡単に作ったもののときもあるんだけれど、本日のメニューは、想像の斜め上を行っていた。
今、テーブルの上にドン! と鎮座ましましているのは、ピラミッド状に積み上げられた豆腐の山だった。
「これは…」
大和は絶句し、手にしていた袋を床に落としそうになったが、何とかそれは堪えた。
一応、豆腐は一丁のものを切り分けてあるし、頂点には薬味のネギが乗っているから、冷奴、ということなのだろうが、どうしてわざわざ積んだのか、よく崩さなかったよね!? と、突っ込みたいところは多々ある。
「ちーちゃん、あの…」
「うわっ、ちょーうまそう何これ!」
大和に冷奴ピラミッドについて尋ねる隙を与えず、すぐさま大和の持っていたデリカテッセンの袋に飛び付いた。
味には少しもうるさくない千尋だけれど、でもやっぱりおいしいもののほうがいいし、大和が持って来るものは、いつだってすごくおいしいのを知っているから。
それはともかく、『何これ』は大和のセリフだ、間違いなく。
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如月久美子 ⇒ >拍手コメsさん
途切れ途切れの更新、本当にすみません。
無言でフェードアウトすることだけはないよう、がんばりますので、これからもよろしくお願いいたします(*^_^*)
レス不要とのことでしたが、拍手&コメントありがとうございました!
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レス不要とのことでしたが、拍手&コメントありがとうございました!
- |2016.06.14
- |Tue
- |23:17
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