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どうしたって、君には敵わない (8)
2016.05.16 Mon
正直、家に着いてからのほうが地獄だった。
店を出るときはエレヴェータがあったし、翔真も一応起きていたから何とか連れ出せたけれど、翔真はタクシーの中で完全に寝てしまったし、真大の部屋は2階だけれどエレヴェータがあるわけではないから、ここに来てまさかの、翔真を背負って階段を上る、というハードな筋トレをするはめになったのだ。
「重っ……死ぬ…」
女の子相手には、さすがに『重い』などとはっきり口にすることはないが、筋肉のある男の体は冗談でなく重たくて、真大は足元をふらつかせながら、1歩ずつ階段を上る。
とにかく翔真を落とさないように、そして自分が階段から落ちないように、早く部屋に向かわなければ。
「はぁっ…はぁっ…。もぉ隼人くんっ…、絶対許さないんだからっ…」
それでも怒りの矛先が翔真に向かわないあたりが、愛情だろうか。
ようやく部屋の前まで辿り着き、翔真を背負ったままの厳しい姿勢で鍵を出す。
「…………ぅ、…………」
「えぇっ?」
「……ん、まひろ…?」
「ちょっ」
何とか真大が鍵を開けて部屋の中に入ると、本当に今さらというタイミングで翔真が目を開けた。
別にそれを責めることなんて何1つないんだけれど、せめてあと5分早く…! とはどうしても思ってしまう。
「翔真くん? 起きた? 大丈夫?」
「…う、ん……」
「はぁっ、もうっ」
真大は翔真をベッドに寝かせた。
今までに酔っ払った同級生の面倒を見たことは何度かあって、そういうときは床の上にぞんざいに放り出しておくんだけれど、さすがに恋人にそんな真似は出来ない。
口では文句を言いながらも、真大は心配そうに翔真の顔を覗き込んだ。蒼褪めているとか、具合悪そうな感じがあるとかではなくてホッとするが、とりあえず水くらいは飲ませないと。
しかし、冷蔵庫を開けても、水分補給になりそうな品はなく。
水道の水で十分だとは思うけれど、それをコップに汲んで翔真に渡したところで、零さず飲めるとも思えない。ベッドが濡れるのも困るし…。
「翔真くん、水買って来るから、ちょっと待ってて」
コンビニよりも近くに自動販売機があるから、すぐに行って来れる。
酔っ払っているとはいえ、数分目を離すくらいなら大丈夫だろう、と真大は財布を手にする――――と。
「ちょっ、翔真くんっ…」
目を覚ましたとはいえ、意識がそれほどはっきりしているとは思っていなかったのに、ベッドを離れようとした真大の腕を、翔真が掴んだ。
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店を出るときはエレヴェータがあったし、翔真も一応起きていたから何とか連れ出せたけれど、翔真はタクシーの中で完全に寝てしまったし、真大の部屋は2階だけれどエレヴェータがあるわけではないから、ここに来てまさかの、翔真を背負って階段を上る、というハードな筋トレをするはめになったのだ。
「重っ……死ぬ…」
女の子相手には、さすがに『重い』などとはっきり口にすることはないが、筋肉のある男の体は冗談でなく重たくて、真大は足元をふらつかせながら、1歩ずつ階段を上る。
とにかく翔真を落とさないように、そして自分が階段から落ちないように、早く部屋に向かわなければ。
「はぁっ…はぁっ…。もぉ隼人くんっ…、絶対許さないんだからっ…」
それでも怒りの矛先が翔真に向かわないあたりが、愛情だろうか。
ようやく部屋の前まで辿り着き、翔真を背負ったままの厳しい姿勢で鍵を出す。
「…………ぅ、…………」
「えぇっ?」
「……ん、まひろ…?」
「ちょっ」
何とか真大が鍵を開けて部屋の中に入ると、本当に今さらというタイミングで翔真が目を開けた。
別にそれを責めることなんて何1つないんだけれど、せめてあと5分早く…! とはどうしても思ってしまう。
「翔真くん? 起きた? 大丈夫?」
「…う、ん……」
「はぁっ、もうっ」
真大は翔真をベッドに寝かせた。
今までに酔っ払った同級生の面倒を見たことは何度かあって、そういうときは床の上にぞんざいに放り出しておくんだけれど、さすがに恋人にそんな真似は出来ない。
口では文句を言いながらも、真大は心配そうに翔真の顔を覗き込んだ。蒼褪めているとか、具合悪そうな感じがあるとかではなくてホッとするが、とりあえず水くらいは飲ませないと。
しかし、冷蔵庫を開けても、水分補給になりそうな品はなく。
水道の水で十分だとは思うけれど、それをコップに汲んで翔真に渡したところで、零さず飲めるとも思えない。ベッドが濡れるのも困るし…。
「翔真くん、水買って来るから、ちょっと待ってて」
コンビニよりも近くに自動販売機があるから、すぐに行って来れる。
酔っ払っているとはいえ、数分目を離すくらいなら大丈夫だろう、と真大は財布を手にする――――と。
「ちょっ、翔真くんっ…」
目を覚ましたとはいえ、意識がそれほどはっきりしているとは思っていなかったのに、ベッドを離れようとした真大の腕を、翔真が掴んだ。
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