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赤色の嘘
2008.10.08 Wed
俺の恋人、嘘つきなの。
ずっと側にいるよって、囁くの。
赤 色 の 嘘
雨の日が続いてるのを理由に洗濯をサボっていたら、洗濯物がカゴから溢れてしまって、仕方ないから全部洗濯機に突っ込んだら収まりきらなくて、結局2回に分けてやるはめに。
ゴトゴト。
適当に入れたから、中で洗濯物が偏ってるのかも。
ガタガタ、ゴトゴト、変に揺れてる洗濯機に体を預けて、目を閉じる。
体の力抜いて、洗濯機の揺れに身を任せてたら、どんどん体が傾いてきて、結局2回目に洗濯するはずの衣服の中に倒れてしまった。
あ、夏生のシャツ。
ちょうど目の前に見つけたシャツに、不覚にも目頭が熱くなってしまう。
もう10日だ。
10日も会ってない。声も聞いてない。メールも来ない。
「バカ…」
あいつは嘘つきだ。
こんなに長い間、俺のことをほっとくなんて。
―――――…………くん、明弘くん、
「…………は…?」
あれ?
「なつ、お…?」
「こんな、とこで……洗濯物に埋もれて、何してんの…?」
洗濯機、止まってる。
俺、寝ちゃってたのか。
ゆっくりと首を動かせば、夏生が相変わらずの胡散臭い笑顔で立ってた。
「夏生……お帰り」
腕を伸ばせば夏生が引き起こしてくれる。
夏生は洗濯機に凭れて、一緒に洗濯物の中に座り込む。
10日ぶりの温もり。
「バカ夏生…」
「ゴメン……ちょっと、厄介な仕事だったから…」
「でも、成功したんだろ?」
背中に回した腕を、夏生の胸へと滑らす。
カツッ…と、指先に硬い感触。
胸のホルスターの上から、その拳銃をなぞる。
「成功は、したよ…」
「夏生?」
顔を上げれば、いつもより白い夏生の顔。
「夏生? え!?」
脇腹を滑る手に、濡れた感触。
慌てて体を離せば、指先に絡まる、赤。
「なつ…」
「ハハ……ちょーっと、しくじっちゃって…」
「て、手当しなきゃ! きゅ、きゅ、救急車…!」
「待って……」
電話しに行こうとする俺の手を引っ張って、夏生がまた腕の中に俺を引き戻した。
「何すん…」
「側に、いてよ…」
「…………うん、」
「ありがと…」
夏生の胸に頬を預ける。
心臓の鼓動。
何だ……生きてるじゃん、バカ夏生…。
「夏生、好き…」
「うん……俺も、だよ…」
「……嘘つき」
「ひどい、な……明弘くん…」
お前はいつだって、嘘しかつかないじゃんか。
嘘つき夏生。
「ねぇ、明弘くん……愛してるよ、世界で、一番…。君を1人になんか、しない…………いつも、そう言ってる…」
「嘘つき…」
「嘘、じゃない……愛してる……。ね…キス、して…」
「……ん、」
触れた唇は、まだ温かいよ。
ねぇ、どうして目を開けないの?
「なつ、お……夏生……なつ……」
ホラ、やっぱりお前は嘘つきだ。
お前の言うこと、嘘ばっかり。
俺のこと愛してるって言ったのに。
ずっと側にいるって言ったのに。
1人にはさせないって、言ったのに。
俺を置いて、どこに行くつもり…?
グロテスクな拳銃。夏生の銃。
冷たい感触。
どこに行く?
こめかみに、銃口。
押し当てたまま、洗濯物の中に転がる。
なぁ、1人にはさせないんだろ?
瞳を閉じて。
人差し指、力を込めて。
カチンッ…。
おもちゃみたいな、音だった。
弾丸は、俺のこめかみを、撃ち抜かなかった。
「バーカ…」
あぁ、もう1回、洗濯機を回さなきゃいけないんだ。
お前のシャツ、洗わなきゃだ。
「嘘つき…」
1人になんかさせないって、言ったのに。
趣味です。すいません。
ずっと側にいるよって、囁くの。
赤 色 の 嘘
雨の日が続いてるのを理由に洗濯をサボっていたら、洗濯物がカゴから溢れてしまって、仕方ないから全部洗濯機に突っ込んだら収まりきらなくて、結局2回に分けてやるはめに。
ゴトゴト。
適当に入れたから、中で洗濯物が偏ってるのかも。
ガタガタ、ゴトゴト、変に揺れてる洗濯機に体を預けて、目を閉じる。
体の力抜いて、洗濯機の揺れに身を任せてたら、どんどん体が傾いてきて、結局2回目に洗濯するはずの衣服の中に倒れてしまった。
あ、夏生のシャツ。
ちょうど目の前に見つけたシャツに、不覚にも目頭が熱くなってしまう。
もう10日だ。
10日も会ってない。声も聞いてない。メールも来ない。
「バカ…」
あいつは嘘つきだ。
こんなに長い間、俺のことをほっとくなんて。
―――――…………くん、明弘くん、
「…………は…?」
あれ?
「なつ、お…?」
「こんな、とこで……洗濯物に埋もれて、何してんの…?」
洗濯機、止まってる。
俺、寝ちゃってたのか。
ゆっくりと首を動かせば、夏生が相変わらずの胡散臭い笑顔で立ってた。
「夏生……お帰り」
腕を伸ばせば夏生が引き起こしてくれる。
夏生は洗濯機に凭れて、一緒に洗濯物の中に座り込む。
10日ぶりの温もり。
「バカ夏生…」
「ゴメン……ちょっと、厄介な仕事だったから…」
「でも、成功したんだろ?」
背中に回した腕を、夏生の胸へと滑らす。
カツッ…と、指先に硬い感触。
胸のホルスターの上から、その拳銃をなぞる。
「成功は、したよ…」
「夏生?」
顔を上げれば、いつもより白い夏生の顔。
「夏生? え!?」
脇腹を滑る手に、濡れた感触。
慌てて体を離せば、指先に絡まる、赤。
「なつ…」
「ハハ……ちょーっと、しくじっちゃって…」
「て、手当しなきゃ! きゅ、きゅ、救急車…!」
「待って……」
電話しに行こうとする俺の手を引っ張って、夏生がまた腕の中に俺を引き戻した。
「何すん…」
「側に、いてよ…」
「…………うん、」
「ありがと…」
夏生の胸に頬を預ける。
心臓の鼓動。
何だ……生きてるじゃん、バカ夏生…。
「夏生、好き…」
「うん……俺も、だよ…」
「……嘘つき」
「ひどい、な……明弘くん…」
お前はいつだって、嘘しかつかないじゃんか。
嘘つき夏生。
「ねぇ、明弘くん……愛してるよ、世界で、一番…。君を1人になんか、しない…………いつも、そう言ってる…」
「嘘つき…」
「嘘、じゃない……愛してる……。ね…キス、して…」
「……ん、」
触れた唇は、まだ温かいよ。
ねぇ、どうして目を開けないの?
「なつ、お……夏生……なつ……」
ホラ、やっぱりお前は嘘つきだ。
お前の言うこと、嘘ばっかり。
俺のこと愛してるって言ったのに。
ずっと側にいるって言ったのに。
1人にはさせないって、言ったのに。
俺を置いて、どこに行くつもり…?
グロテスクな拳銃。夏生の銃。
冷たい感触。
どこに行く?
こめかみに、銃口。
押し当てたまま、洗濯物の中に転がる。
なぁ、1人にはさせないんだろ?
瞳を閉じて。
人差し指、力を込めて。
カチンッ…。
おもちゃみたいな、音だった。
弾丸は、俺のこめかみを、撃ち抜かなかった。
「バーカ…」
あぁ、もう1回、洗濯機を回さなきゃいけないんだ。
お前のシャツ、洗わなきゃだ。
「嘘つき…」
1人になんかさせないって、言ったのに。
趣味です。すいません。
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ え、え、えΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)
(;つД`)(;つД`)(;つД`)(;つД`)(;つД`)
うわ・・・・・・涙出る・・・・・・・。
明弘の気持ち、もだけど・・・・・夏生の気持ちが・・・。
いやいや!
きっとこの後場面が変わって病院で!!
うん!大丈夫!
ひとりにしないって約束したもん。
約束、したもん・・・ (つω<。)ううぅ
うわ・・・・・・涙出る・・・・・・・。
明弘の気持ち、もだけど・・・・・夏生の気持ちが・・・。
いやいや!
きっとこの後場面が変わって病院で!!
うん!大丈夫!
ひとりにしないって約束したもん。
約束、したもん・・・ (つω<。)ううぅ
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
人様のところで切ないのを読むと、もう何で~~~!!! て絶叫しまくるのに、自分では平気で書くという…。
このどうにもならない感が、好きみたいです、私(M…)
でも朝から柚子季さんを泣かせてしまった~~~!!!
ごめんなさい!
でも、コメントありがとうございます!!
このどうにもならない感が、好きみたいです、私(M…)
でも朝から柚子季さんを泣かせてしまった~~~!!!
ごめんなさい!
でも、コメントありがとうございます!!
りり ⇒ だめえええ
いやーーーーー!!Σ(°△°∥)
夏生死んじゃだめぇーーー!!
うえっうえっ。(´〇`。)やだようー。
最後に会いに…
コメント書けないよう…
夏生死んじゃだめぇーーー!!
うえっうえっ。(´〇`。)やだようー。
最後に会いに…
コメント書けないよう…
如月久美子 ⇒ >りりさん
ま…まさかの Σ(°△°∥) ですよね。
人のところで散々、「あぁん、もう!!」とか言っておいて、自分では平気で書いちゃって。
ホントすみません。
うぅん、りりさんまで泣かせてしまった~!!
ごめんなさいです~。
でも、コメントありがとうございます!
人のところで散々、「あぁん、もう!!」とか言っておいて、自分では平気で書いちゃって。
ホントすみません。
うぅん、りりさんまで泣かせてしまった~!!
ごめんなさいです~。
でも、コメントありがとうございます!
如月久美子 ⇒ >拍手コメ→Mさん
お忙しい中、ご訪問ありがとうございます!
人さまの作品では、切ない展開に、エ~ンとなるくせに、自分のとこでは平気で書いてしまう私…。
救われない話を書いてしまいました。
ハンカチを持って、涙を拭いに行きたい気分です~。
拍手&コメントありがとうございました!
人さまの作品では、切ない展開に、エ~ンとなるくせに、自分のとこでは平気で書いてしまう私…。
救われない話を書いてしまいました。
ハンカチを持って、涙を拭いに行きたい気分です~。
拍手&コメントありがとうございました!