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くだらない明日にドロップキック (9)
2016.03.09 Wed
「それよりも、昨日…」
「おぅ、そうだったな。まぁ今回は許しといてやるわ」
「!」
純平が無理やり軌道修正した途端、板屋越に容赦されて、純平は肩をビクつかせる。許してもらえたのだから恐れることはないわけだが、しかし許されたということは、そもそも許してもらわなければならない何かをしていたということで、それはつまり、昨夜のあれは、純平が無理やりやったということに繋がる。
(マジか…!)
頭を割られるようなショックに見舞われる。酔った勢いとはいえ、いや、酔ってでもそんなことをする自分だとは思っていなかったからこそ、ショックは大きい。
しかしその一方で、そうだとしたら、どうして板屋越は、こうも簡単に純平のことを許してくれるのかという疑問も浮かぶ。そういえば板屋越は、最初からそんなに怒っているようではない。
「えー…………っと、あの…、こんなことを言うのは大変心苦しいというか、申し訳ないというか…」
「何だよ」
「板屋越さんはその…昨日のこと、いや、そのこと自体は覚えてると思うんですけど、その、何でそうなったかとか、覚えて…」
質問自体も大層無粋なのに、全裸で正座なものだから、まったく格好がつかない。もし目の前にいるのが彼女だったら、確実に純平は即行捨てられているだろう。
「ぁん?」
「いや、あのっ、覚えてるとは思うんですけど! あの、すみませんっ! いや、あの、すみませんっ、僕がすっかりですね、忘れてるから、教えてもらいたいと、そう思ってっ…」
「お前、どんだけ謝んだよ」
板屋越の発した『ぁん?』という相槌が、純平には大変機嫌の悪い声色に聞こえたものだから、すっかり焦って、必要以上に謝ってしまった。いや、まだ必要以上の謝りかどうかは分からない。純平が無理やりやったうえに、そのことを忘れているのだとしたら、このくらいの謝罪では、到底足りないだろう。
しかし板屋越は、ただ単に純平が歯切れ悪く喋るのが聞き取れずに聞き返しただけだったようで、慌てる純平に苦笑した。
「お前、デカい図体して、小動物みたいなヤツだなぁ。まぁそんなかわいげはないけどな」
「そ…それはともかく、昨日っ! 昨日何があったのか、教えてくださいっ!」
もうどれだけ怒られようと、罵られようと構わない、昨日何があったのか教えてもらいたい。つべこべ言わずに謝るべきところなんだろうけど、何も分からずに謝ったのではまるで気持ちが籠っていない。純平は、そんな上辺だけの、言葉だけの謝罪はしたくないのだ。だから、裸で土下座…と笑われたばかりなのに、純平は再び深く頭を下げた。
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「おぅ、そうだったな。まぁ今回は許しといてやるわ」
「!」
純平が無理やり軌道修正した途端、板屋越に容赦されて、純平は肩をビクつかせる。許してもらえたのだから恐れることはないわけだが、しかし許されたということは、そもそも許してもらわなければならない何かをしていたということで、それはつまり、昨夜のあれは、純平が無理やりやったということに繋がる。
(マジか…!)
頭を割られるようなショックに見舞われる。酔った勢いとはいえ、いや、酔ってでもそんなことをする自分だとは思っていなかったからこそ、ショックは大きい。
しかしその一方で、そうだとしたら、どうして板屋越は、こうも簡単に純平のことを許してくれるのかという疑問も浮かぶ。そういえば板屋越は、最初からそんなに怒っているようではない。
「えー…………っと、あの…、こんなことを言うのは大変心苦しいというか、申し訳ないというか…」
「何だよ」
「板屋越さんはその…昨日のこと、いや、そのこと自体は覚えてると思うんですけど、その、何でそうなったかとか、覚えて…」
質問自体も大層無粋なのに、全裸で正座なものだから、まったく格好がつかない。もし目の前にいるのが彼女だったら、確実に純平は即行捨てられているだろう。
「ぁん?」
「いや、あのっ、覚えてるとは思うんですけど! あの、すみませんっ! いや、あの、すみませんっ、僕がすっかりですね、忘れてるから、教えてもらいたいと、そう思ってっ…」
「お前、どんだけ謝んだよ」
板屋越の発した『ぁん?』という相槌が、純平には大変機嫌の悪い声色に聞こえたものだから、すっかり焦って、必要以上に謝ってしまった。いや、まだ必要以上の謝りかどうかは分からない。純平が無理やりやったうえに、そのことを忘れているのだとしたら、このくらいの謝罪では、到底足りないだろう。
しかし板屋越は、ただ単に純平が歯切れ悪く喋るのが聞き取れずに聞き返しただけだったようで、慌てる純平に苦笑した。
「お前、デカい図体して、小動物みたいなヤツだなぁ。まぁそんなかわいげはないけどな」
「そ…それはともかく、昨日っ! 昨日何があったのか、教えてくださいっ!」
もうどれだけ怒られようと、罵られようと構わない、昨日何があったのか教えてもらいたい。つべこべ言わずに謝るべきところなんだろうけど、何も分からずに謝ったのではまるで気持ちが籠っていない。純平は、そんな上辺だけの、言葉だけの謝罪はしたくないのだ。だから、裸で土下座…と笑われたばかりなのに、純平は再び深く頭を下げた。
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