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世界はほんの少しの溜め息で出来ている (21)
2016.02.09 Tue
「いや、それが…、えーっと…」
確認されて頷いたのに、徳永さんは何だか口籠っちゃって、はっきりと話してくれない。
もしかして、『話さないほうがいい?』て意味で俺のこと見たのかな? いや、話してよ! て、徳永さんの腕を引っ張った。
「……はっきり言っちゃっていいんだよね?」
徳永さんがスマホを口元から離して、俺に向かって尋ねて来たので、コクコクと頷いた。
そりゃ、なるべく宮田さんを嫌な気持ちにさせない言い方がいいけれど、言うことははっきり言ってもらわないと困る。それで宮田さんが怒ったら、素直に謝って怒られようと思う。
「あー…あのさぁ、ミヤ、今日お前、直央くんに会っただろ?」
『会ったってば。何回聞くんだよ、信じろよ』
「いや、それはもう嫌ってほど信じてるんだけど…、その、何て言うか…、直央くん、お前のことは知ってんだよ? 前にパーティーで会ったじゃん? それはちゃんと分かってんだよ」
『ぅん?』
「何だけど、その、何か、お前の顔だけを忘れちゃってたみたいで…」
『……………………』
徳永さんは、何だかちょっとモゴモゴしたような感じで、でもはっきりと、今日の俺の失態を宮田さんに伝えてくれた。
電話の向こうが静かになる。小さい声で、何か言ってるのかもしれないと思って、俺はさらに徳永さんにくっ付いて電話に耳を寄せたけど、宮田さんは何も言ってないみたいだ。
何で??
…………はっ! もしかして、怒りのあまり、声も出ないんじゃ…!?
「徳永さん、電話代わっ…」
『……ブッ…………はっはっはっはっはっはっはっ!!!』
「…………え?」
宮田さんが怒り出したら、電話代わってもらわなきゃ、徳永さんが怒られちゃう! て思って、徳永さんから電話を受け取ろうとしたら、なぜか聞こえて来たのは、電話の向こうの笑い声。
…え? 宮田さん、笑ってる?
俺はわけが分からなくて、電話に手を伸ばしたまま、それを受け取ることも出来ずに固まった。
さすがにこれだけ笑ってて、実は内心怒ってる、なんてことはないと思うけど…………でも宮田さんはよく分からない人だから、もしかしたら笑いながらも心では怒ってるのかも。
どっちにしても、電話を代わってもらって、宮田さんに謝らないと!
「徳永さん、電話、でん…」
『あっはっはっ、やっぱりねー!』
「…………え?」
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確認されて頷いたのに、徳永さんは何だか口籠っちゃって、はっきりと話してくれない。
もしかして、『話さないほうがいい?』て意味で俺のこと見たのかな? いや、話してよ! て、徳永さんの腕を引っ張った。
「……はっきり言っちゃっていいんだよね?」
徳永さんがスマホを口元から離して、俺に向かって尋ねて来たので、コクコクと頷いた。
そりゃ、なるべく宮田さんを嫌な気持ちにさせない言い方がいいけれど、言うことははっきり言ってもらわないと困る。それで宮田さんが怒ったら、素直に謝って怒られようと思う。
「あー…あのさぁ、ミヤ、今日お前、直央くんに会っただろ?」
『会ったってば。何回聞くんだよ、信じろよ』
「いや、それはもう嫌ってほど信じてるんだけど…、その、何て言うか…、直央くん、お前のことは知ってんだよ? 前にパーティーで会ったじゃん? それはちゃんと分かってんだよ」
『ぅん?』
「何だけど、その、何か、お前の顔だけを忘れちゃってたみたいで…」
『……………………』
徳永さんは、何だかちょっとモゴモゴしたような感じで、でもはっきりと、今日の俺の失態を宮田さんに伝えてくれた。
電話の向こうが静かになる。小さい声で、何か言ってるのかもしれないと思って、俺はさらに徳永さんにくっ付いて電話に耳を寄せたけど、宮田さんは何も言ってないみたいだ。
何で??
…………はっ! もしかして、怒りのあまり、声も出ないんじゃ…!?
「徳永さん、電話代わっ…」
『……ブッ…………はっはっはっはっはっはっはっ!!!』
「…………え?」
宮田さんが怒り出したら、電話代わってもらわなきゃ、徳永さんが怒られちゃう! て思って、徳永さんから電話を受け取ろうとしたら、なぜか聞こえて来たのは、電話の向こうの笑い声。
…え? 宮田さん、笑ってる?
俺はわけが分からなくて、電話に手を伸ばしたまま、それを受け取ることも出来ずに固まった。
さすがにこれだけ笑ってて、実は内心怒ってる、なんてことはないと思うけど…………でも宮田さんはよく分からない人だから、もしかしたら笑いながらも心では怒ってるのかも。
どっちにしても、電話を代わってもらって、宮田さんに謝らないと!
「徳永さん、電話、でん…」
『あっはっはっ、やっぱりねー!』
「…………え?」
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