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世界はほんの少しの溜め息で出来ている (19)
2016.02.07 Sun
「どうせ、電話掛けて最初に喋るの、俺じゃん? その流れで説明して、それで直央くんに代わるから、そしたら直央くん、自分の言葉で説明すればいいじゃん。そうすれば、ミヤも何の話か分かってるから、直央くんの説明が下手くそでも、あ、うまく喋れなくても、」
「…下手くそでいいです」
徳永さんの本音が垣間見えた…。
でも、焦っちゃうと全然うまく説明できなくなるのは自分でも分かってるから、突っ込まないけど。
「…直央くんがうまく説明できなくても、ミヤは話の意味が分かるだろうから、そのほうがいいかな、て思って」
優しい徳永さんは、『下手くそ』のほうに言い直すことはしなかった。
徳永さんのその優しさが、俺をダメにしていくんじゃないの? もっと厳しくしてよ!
「でも、もし徳永さんが説明してて宮田さんが怒り出したら、すぐに電話代わってね?」
「は? 怒り出したら、て…」
「俺が宮田さんの顔忘れてたの知って、宮田さんが怒り出したら、すぐ代わって!」
「いや、そんなことで怒んねぇと思うけど……何でそのタイミングで直央くんに代わるの? むしろ代わらないままのほうがいいんじゃね?」
「ダメ! 怒られなきゃなんないのは俺なんだから、電話代わんなかったら、徳永さんが怒られちゃうじゃん!」
「あー…なるほどね…」
徳永さんは、そんなことで宮田さんは怒らない、て言うけど、分かんないじゃん。
友だちとして、宮田さんはそんなに器の小さい男じゃない、て言いたいんだと思うけど、俺だって宮田さんのことをそんな小さい男だと思って言ったわけじゃないけど、でも顔を忘れられてた、て言ったら、やっぱり怒るんじゃないかなと思う。
「じゃあ、掛けるよ?」
徳永さんはそう言ってから、スマホを操作し始めた。
いつもすごく不思議に思うけど、スマホって何でボタンがないのに、あの画面を触っただけで電話繋がるんだろう。すごいなぁ。…なんて思いながら、ソファの上で、徳永さんとの距離を詰める。電話が繋がったら、宮田さんの声が聞こえるようにだ。
宮田さんが怒り出したらすぐに電話を代わって、て言ったけど、徳永さんは優しいから、もしかしたら俺にばれないように電話を代わらないかもしれない。だから、宮田さんが何を言ってるかしっかり聞いて、何かあったら、無理やりにでもすぐ代わるんだ!
「――――もしもし、ミヤ? 今いい?」
『いいけど? 何? 仁、今家じゃねぇの?」
「は? 家だけど?」
『いや、だって電話とかしてくっから。直央くんと一緒じゃねぇの? 俺に何か電話してていいわけ?』
宮田さんの声はそんなに大きくなくて、あんまり聞き取れないから、俺はもっと徳永さんにくっ付いて、電話に耳を寄せる。
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「…下手くそでいいです」
徳永さんの本音が垣間見えた…。
でも、焦っちゃうと全然うまく説明できなくなるのは自分でも分かってるから、突っ込まないけど。
「…直央くんがうまく説明できなくても、ミヤは話の意味が分かるだろうから、そのほうがいいかな、て思って」
優しい徳永さんは、『下手くそ』のほうに言い直すことはしなかった。
徳永さんのその優しさが、俺をダメにしていくんじゃないの? もっと厳しくしてよ!
「でも、もし徳永さんが説明してて宮田さんが怒り出したら、すぐに電話代わってね?」
「は? 怒り出したら、て…」
「俺が宮田さんの顔忘れてたの知って、宮田さんが怒り出したら、すぐ代わって!」
「いや、そんなことで怒んねぇと思うけど……何でそのタイミングで直央くんに代わるの? むしろ代わらないままのほうがいいんじゃね?」
「ダメ! 怒られなきゃなんないのは俺なんだから、電話代わんなかったら、徳永さんが怒られちゃうじゃん!」
「あー…なるほどね…」
徳永さんは、そんなことで宮田さんは怒らない、て言うけど、分かんないじゃん。
友だちとして、宮田さんはそんなに器の小さい男じゃない、て言いたいんだと思うけど、俺だって宮田さんのことをそんな小さい男だと思って言ったわけじゃないけど、でも顔を忘れられてた、て言ったら、やっぱり怒るんじゃないかなと思う。
「じゃあ、掛けるよ?」
徳永さんはそう言ってから、スマホを操作し始めた。
いつもすごく不思議に思うけど、スマホって何でボタンがないのに、あの画面を触っただけで電話繋がるんだろう。すごいなぁ。…なんて思いながら、ソファの上で、徳永さんとの距離を詰める。電話が繋がったら、宮田さんの声が聞こえるようにだ。
宮田さんが怒り出したらすぐに電話を代わって、て言ったけど、徳永さんは優しいから、もしかしたら俺にばれないように電話を代わらないかもしれない。だから、宮田さんが何を言ってるかしっかり聞いて、何かあったら、無理やりにでもすぐ代わるんだ!
「――――もしもし、ミヤ? 今いい?」
『いいけど? 何? 仁、今家じゃねぇの?」
「は? 家だけど?」
『いや、だって電話とかしてくっから。直央くんと一緒じゃねぇの? 俺に何か電話してていいわけ?』
宮田さんの声はそんなに大きくなくて、あんまり聞き取れないから、俺はもっと徳永さんにくっ付いて、電話に耳を寄せる。
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