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世界はほんの少しの溜め息で出来ている (16)
2016.02.03 Wed
「宮田さんちに行って、謝って来る!」
そう言うと直央くんは、俺が『は?』て言う前に、ダッシュで玄関のほうへ走って行った。
は…速い…!
「ちょっ直央くん!」
もちろん俺もそれにすぐに反応して、マッハで追い掛ける。
ミヤに謝るにしろ何にしろ、ミヤの家に行くって……直央くん、ミヤの家なんか知らないはずなのに、どうする気!? てか、もしかして家の場所、知ってるとか!? それはそれで問題あるんだけど!
「直央くん待って直央くん、ミヤの家! 知ってんの!? ミヤの家!」
騒いだところで近所迷惑なんてことがないとはいえ、家の中でこんなデカい声、出したことがない。
でもおかげでその声はちゃんと直央くんの耳に届いたみたいで、玄関のドアをちょっと開けたところで、直央くんはストップしてこっちを振り返ってた。
「ミヤの家に行くって言ったって、家分かんなきゃ行けないじゃん。知ってんの? ミヤの家」
「………………知らない…………」
俺の問い掛けに、直央くんは絶望的な表情で答えたが、逆に俺はそれに安堵する。
これで、『知ってるし!』とか言って突き放されたら、俺、立ち直れない。
「どうしよう…、あ、じゃ、じゃあ電話! 電話して…」
「え、ミヤの電話番号知ってんの?」
「…………知らない……」
「……………………」
焦ってるのは分かるけど、直央くん、どうして自分にない術を使おうとするの。
しかも、今ポケットをバタバタ漁ったけど、結局探し出せなかったよね? ケータイ、テーブルの上に上がってたもんね。今持ってないよね。
「………………徳永さん、宮田さんに電話してください」
「え、」
急に改まった口調で直央くんはそう言って、ぺこりと頭を下げた。
「えっと…、いや、電話するのはいいけど…、何喋んの?」
「…謝ります、今日のこと」
…どうして敬語のまま話すんだろう…。
てか、謝る、て……今日ミヤに会ったけど実は顔を忘れてた、て事実を謝りたいんだろうけど、それ、わざわざ電話までして伝えなきゃいけないようなことかな。
だってミヤは、直央くんがミヤのこと忘れてたの知らないわけで、言わなきゃ分かんないようなこと言っちゃったら、逆にショックを受けるような気もするんだけど。
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そう言うと直央くんは、俺が『は?』て言う前に、ダッシュで玄関のほうへ走って行った。
は…速い…!
「ちょっ直央くん!」
もちろん俺もそれにすぐに反応して、マッハで追い掛ける。
ミヤに謝るにしろ何にしろ、ミヤの家に行くって……直央くん、ミヤの家なんか知らないはずなのに、どうする気!? てか、もしかして家の場所、知ってるとか!? それはそれで問題あるんだけど!
「直央くん待って直央くん、ミヤの家! 知ってんの!? ミヤの家!」
騒いだところで近所迷惑なんてことがないとはいえ、家の中でこんなデカい声、出したことがない。
でもおかげでその声はちゃんと直央くんの耳に届いたみたいで、玄関のドアをちょっと開けたところで、直央くんはストップしてこっちを振り返ってた。
「ミヤの家に行くって言ったって、家分かんなきゃ行けないじゃん。知ってんの? ミヤの家」
「………………知らない…………」
俺の問い掛けに、直央くんは絶望的な表情で答えたが、逆に俺はそれに安堵する。
これで、『知ってるし!』とか言って突き放されたら、俺、立ち直れない。
「どうしよう…、あ、じゃ、じゃあ電話! 電話して…」
「え、ミヤの電話番号知ってんの?」
「…………知らない……」
「……………………」
焦ってるのは分かるけど、直央くん、どうして自分にない術を使おうとするの。
しかも、今ポケットをバタバタ漁ったけど、結局探し出せなかったよね? ケータイ、テーブルの上に上がってたもんね。今持ってないよね。
「………………徳永さん、宮田さんに電話してください」
「え、」
急に改まった口調で直央くんはそう言って、ぺこりと頭を下げた。
「えっと…、いや、電話するのはいいけど…、何喋んの?」
「…謝ります、今日のこと」
…どうして敬語のまま話すんだろう…。
てか、謝る、て……今日ミヤに会ったけど実は顔を忘れてた、て事実を謝りたいんだろうけど、それ、わざわざ電話までして伝えなきゃいけないようなことかな。
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