スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
世界はほんの少しの溜め息で出来ている (11)
2016.01.29 Fri
「そのパーティーと何か関係あること?」
「いや、そのパーティーと、ていうか…………直央くん、そのパーティーで誰に会ったか、全然覚えてない?」
「パーティーで? えっと…、徳永さんのお友だちの人に会った気がするけど…。宮田さん、だっけ?」
違った? て感じで、直央くんが上目遣いに見て来る。
てか、パーティーでミヤに会ったこと自体は覚えてんだ…。しかも、『宮田さん』て名前もちゃんと憶えてるし。なのに、何で今日コンビニに来たミヤのこと、全然分かってねぇの?
ミヤと会ったことを隠そうとしてる……わけじゃないよな。直央くん自身はそれがミヤだと分かってないけど、今日コンビニ来て直央くんにおすすめの飲み物を聞いた人のことなら、ちゃんと話してくれたし。
……………………。
……ちょっ…、もしかして。
もしかしてだけどさ、直央くん。
直央くん、もしかしてミヤの顔を忘れちゃってるうえに、『パーティーで会った宮田さん』と『ミヤ』が同じ人間だって、結び付いてない…!?
「え? 徳永さん、どうしたの? 違った? 違ってた? ゴゴゴゴメンなさい! 徳永さんのお友だちなのにっ、えと、えと、何だっけ、何て名前だっけ!?」
「いや、あの、いや、いいんだけど! 宮田さんなのは合ってんだけど!」
ようやく辿り着いた結論は、正しく正解なんだろうけど、何て言って直央くんに伝えたらいいか分かんない…。
今日コンビニに行って直央くんに声を掛けたのは間違いなくミヤだよ、そしてその人が、この間のパーティーで会った宮田さんだよ、とはっきり言っていいものなのだろうか。
ミヤの名前、いや、パーティーで会った俺の友だちの名前が宮田さんで合ってるのに、違ってるかもって思って、あれだけ慌てちゃう直央くんに、ホントのこと告げたら、どうなっちゃうんだろ…。
「あのさ、直央くん。人の名前とか顔とか忘れちゃうのって、たまにはあるじゃん? 絶対にそんなことしない、なんて人、いないでしょ?」
「ぅ?」
「えーっとだから…、直央くん、『宮田さん』の顔…………覚えてないよね?」
「えっ…」
なるべく直央くんがショックを受けないように、丁寧に前置きはしたけれど、本題はいきなり切り込んで尋ねてみる。どうも回りくどい言い方をしても、直央くんには伝わらなそうだから。
でも、予想どおり直央くんは、半分くらい首を傾げたあたりでピタッと固まった。前置き……全然役になってないね。
「え、えと、えと、………………顔? いや、あの、どんな顔してたかを口で言えって言われても、何か、何て言っていいか分かんな…………目が2つで、鼻は……」
「いや直央くん、無理にボケなくていいから」
言うと直央くんは、まさに『ガーン』て表現がぴったりな顔で俺を見た。
もしかしてボケたんじゃなくて、本気で言ってたのかな。
back next
「いや、そのパーティーと、ていうか…………直央くん、そのパーティーで誰に会ったか、全然覚えてない?」
「パーティーで? えっと…、徳永さんのお友だちの人に会った気がするけど…。宮田さん、だっけ?」
違った? て感じで、直央くんが上目遣いに見て来る。
てか、パーティーでミヤに会ったこと自体は覚えてんだ…。しかも、『宮田さん』て名前もちゃんと憶えてるし。なのに、何で今日コンビニに来たミヤのこと、全然分かってねぇの?
ミヤと会ったことを隠そうとしてる……わけじゃないよな。直央くん自身はそれがミヤだと分かってないけど、今日コンビニ来て直央くんにおすすめの飲み物を聞いた人のことなら、ちゃんと話してくれたし。
……………………。
……ちょっ…、もしかして。
もしかしてだけどさ、直央くん。
直央くん、もしかしてミヤの顔を忘れちゃってるうえに、『パーティーで会った宮田さん』と『ミヤ』が同じ人間だって、結び付いてない…!?
「え? 徳永さん、どうしたの? 違った? 違ってた? ゴゴゴゴメンなさい! 徳永さんのお友だちなのにっ、えと、えと、何だっけ、何て名前だっけ!?」
「いや、あの、いや、いいんだけど! 宮田さんなのは合ってんだけど!」
ようやく辿り着いた結論は、正しく正解なんだろうけど、何て言って直央くんに伝えたらいいか分かんない…。
今日コンビニに行って直央くんに声を掛けたのは間違いなくミヤだよ、そしてその人が、この間のパーティーで会った宮田さんだよ、とはっきり言っていいものなのだろうか。
ミヤの名前、いや、パーティーで会った俺の友だちの名前が宮田さんで合ってるのに、違ってるかもって思って、あれだけ慌てちゃう直央くんに、ホントのこと告げたら、どうなっちゃうんだろ…。
「あのさ、直央くん。人の名前とか顔とか忘れちゃうのって、たまにはあるじゃん? 絶対にそんなことしない、なんて人、いないでしょ?」
「ぅ?」
「えーっとだから…、直央くん、『宮田さん』の顔…………覚えてないよね?」
「えっ…」
なるべく直央くんがショックを受けないように、丁寧に前置きはしたけれど、本題はいきなり切り込んで尋ねてみる。どうも回りくどい言い方をしても、直央くんには伝わらなそうだから。
でも、予想どおり直央くんは、半分くらい首を傾げたあたりでピタッと固まった。前置き……全然役になってないね。
「え、えと、えと、………………顔? いや、あの、どんな顔してたかを口で言えって言われても、何か、何て言っていいか分かんな…………目が2つで、鼻は……」
「いや直央くん、無理にボケなくていいから」
言うと直央くんは、まさに『ガーン』て表現がぴったりな顔で俺を見た。
もしかしてボケたんじゃなくて、本気で言ってたのかな。
back next
- 関連記事
-
- 世界はほんの少しの溜め息で出来ている (12) (2016/01/30)
- 世界はほんの少しの溜め息で出来ている (11) (2016/01/29)
- 世界はほんの少しの溜め息で出来ている (10) (2016/01/27)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:借金取りさん、こんにちは。