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世界はほんの少しの溜め息で出来ている (10)
2016.01.27 Wed
「ねぇ徳永さん、『ミヤ』て何? 俺、もしかして大変なことを忘れてる!?」
直央くんのあまりの天然ぶりに唖然としてたら、直央くんもようやく自分の脳内知り合い帳に欠陥があると分かって来たのか、ちょっと焦り出してる。
てか、『「ミヤ」て何?』て聞き方してる時点で、ミヤのことを人だと思ってないよね。『何』て…。
「いや、だから、直央くん、前に俺と一緒に行ったパーティー…」
恐らくこのままだと自力では思い出せそうもない直央くんのために、ミヤのことを説明してやろう思ったけど…………でも待て。直央くんがせっかくミヤのことを忘れてるなら、無理に思い出させる必要、なくね?
でも、ミヤのヤツ、どうせまた直央くんに会いに行くだろうし、だったら直央くんにちゃんとミヤのことを説明して、警戒しててもらったほうがいいのか?
……………………。
…………警戒…。
直央くんに一番欠如しているもの――――警戒心。
今はまだ、ミヤが何だか分かってないし、自分に会いに来てたのも知らない人と思ってるから、蓮沼とかに言われてちょっとは警戒してるみたいだけど、これで自分の知ってる人だった、てなったら、完全に警戒しなくなるかも…。
ちゃんと警戒してよ、て言っても、徳永さんのお友だちなのに? て言われそう…。
「えと…、徳永さん? パーティー?」
「あ…、いや、」
言わないでおいたほうが、絶対に警戒しててくれそうだから、やっぱり黙ってようかな、て思ったけど、話し掛けて途中でやめてたら、直央くんが首を傾げてる。
それに、今ここで俺が言わなくても、これから先、ミヤが直央くんに会ったときに、自分が何者なのかを言うかもしれなくて、そうやって後からばれたほうがヤバい気がする。直央くんからもミヤからも、何でちゃんと説明しなかったんだ、て言われそう。
そう思って、仕方なく俺は、直央くんにミヤのことを説明することに決めた。
「えっと…、直央くん、前に俺と一緒にパーティー行ったの、覚えてない?」
「覚えてる」
「あ、それは覚えてるんだ」
すんなりと返って来た直央くんの返事に驚く。
パーティーに行ったことは覚えてんだ。なのに、そこで会ったミヤのことは忘れてるとか…。俺としては、忘れてくれてて全然構わないんだけど、でもちょっとだけミヤのことが不憫に思えて来た。
「おいしいご飯、いっぱい食べたからね!」
「あ、う、うん、そだね…」
要するに、直央くんの中では、『ご飯>ミヤ』てことなんだね。おいしいご飯は覚えてても、ミヤのことは忘れちゃうくらいの存在なんだね…。
でも確かあのとき、ミヤから結構助けてもらってたよね? そう考えると、ミヤの存在感…。
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直央くんのあまりの天然ぶりに唖然としてたら、直央くんもようやく自分の脳内知り合い帳に欠陥があると分かって来たのか、ちょっと焦り出してる。
てか、『「ミヤ」て何?』て聞き方してる時点で、ミヤのことを人だと思ってないよね。『何』て…。
「いや、だから、直央くん、前に俺と一緒に行ったパーティー…」
恐らくこのままだと自力では思い出せそうもない直央くんのために、ミヤのことを説明してやろう思ったけど…………でも待て。直央くんがせっかくミヤのことを忘れてるなら、無理に思い出させる必要、なくね?
でも、ミヤのヤツ、どうせまた直央くんに会いに行くだろうし、だったら直央くんにちゃんとミヤのことを説明して、警戒しててもらったほうがいいのか?
……………………。
…………警戒…。
直央くんに一番欠如しているもの――――警戒心。
今はまだ、ミヤが何だか分かってないし、自分に会いに来てたのも知らない人と思ってるから、蓮沼とかに言われてちょっとは警戒してるみたいだけど、これで自分の知ってる人だった、てなったら、完全に警戒しなくなるかも…。
ちゃんと警戒してよ、て言っても、徳永さんのお友だちなのに? て言われそう…。
「えと…、徳永さん? パーティー?」
「あ…、いや、」
言わないでおいたほうが、絶対に警戒しててくれそうだから、やっぱり黙ってようかな、て思ったけど、話し掛けて途中でやめてたら、直央くんが首を傾げてる。
それに、今ここで俺が言わなくても、これから先、ミヤが直央くんに会ったときに、自分が何者なのかを言うかもしれなくて、そうやって後からばれたほうがヤバい気がする。直央くんからもミヤからも、何でちゃんと説明しなかったんだ、て言われそう。
そう思って、仕方なく俺は、直央くんにミヤのことを説明することに決めた。
「えっと…、直央くん、前に俺と一緒にパーティー行ったの、覚えてない?」
「覚えてる」
「あ、それは覚えてるんだ」
すんなりと返って来た直央くんの返事に驚く。
パーティーに行ったことは覚えてんだ。なのに、そこで会ったミヤのことは忘れてるとか…。俺としては、忘れてくれてて全然構わないんだけど、でもちょっとだけミヤのことが不憫に思えて来た。
「おいしいご飯、いっぱい食べたからね!」
「あ、う、うん、そだね…」
要するに、直央くんの中では、『ご飯>ミヤ』てことなんだね。おいしいご飯は覚えてても、ミヤのことは忘れちゃうくらいの存在なんだね…。
でも確かあのとき、ミヤから結構助けてもらってたよね? そう考えると、ミヤの存在感…。
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