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恋は七転び八起き (120)
2016.01.16 Sat
『央? どうした? 何かあったか?』
「なに、が…?」
『急に黙るから。大丈夫か?』
「…大丈夫…。槇村くんのこと、好きだな、て思ってた」
『な、何だ、急に』
「分かんない。急に思ったの。急に、ていうか……ずっと好きだけど、でも何か今、すごい槇村くんのこと好きだぁ~て思ったの。槇村くん、好き、めっちゃ好き」
何だかんだ言って、槇村に電話するのは、これが初めてのことではない。電話越しに槇村の声を聞くのだって、初めてではない。なのに、急に想いが溢れて来て、央は堪らずにそれを打ち明けた。
「好きだぁ、槇村くん…」
『…うん』
「……そこは『うん』じゃなくて、『俺もだよ』て言うとこでしょ…」
『何言ってんだ。想いを伝えるのと同じトーンで、何を言ってんだ』
「ここは『俺も央のこと好きだよ。愛してる』て言うとこじゃんかっ」
『ハードルを上げるな』
自分ばかりが好きだと言っているのが恥ずかしくなって、央は槇村が恥ずかしがると分かっていて、無茶な要求をする。こうやって空気を茶化さないと、恥ずかしくて死にそうだ。
「槇村く~ん、言ってよぉ」
『そんなこと言うか』
「何でっ。今言わないで、いつ言うの!? あ、明日か! 明日だね、明日言ってくれるんだ!? 俺の目を見て、言ってくれるんだ!」
『さり気なく要求を増やすな』
「あー楽しみだなぁ、明日槇村くんち行くの」
勝手に約束を取り付けて、央は満足してベッドに転がった。
こうやって電話で槇村の声を聞けるだけでも幸せなのに、明日は槇村の家に行けるし、好きだと言ってもらえる(はずだ)し、楽しみすぎて、どうにかなりそうだ。
「明日、朝一で行っていい?」
『…いいけど、何時に来るつもりだよ。そんなに早く来られても、起きる時間…』
「え、目なんて早く覚めるんじゃないの? 4時とか、5時とか」
『起きるかっ』
央も、槇村が本気でそんな時間に起きるとは思っていないが、お約束でボケたら、律儀に突っ込まれた。
『まったく…。明日、朝一で来るんだったら、もう寝ろよ? こんな時間…』
「はぁっ? まだ子どもの寝る時間じゃんか!」
『子どもだ、お前も。明日起きられないぞ? 朝一で来るんだろ?』
「ッ…」
急に子ども扱いされてムッとなったが、寝起きがそれほどよくないのは自分が一番知っているので、あまり強くは言い返せない。
先週も槇村の家に泊まったから、彼も央の寝起きの悪さは何となく気付いているに違いない。
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「なに、が…?」
『急に黙るから。大丈夫か?』
「…大丈夫…。槇村くんのこと、好きだな、て思ってた」
『な、何だ、急に』
「分かんない。急に思ったの。急に、ていうか……ずっと好きだけど、でも何か今、すごい槇村くんのこと好きだぁ~て思ったの。槇村くん、好き、めっちゃ好き」
何だかんだ言って、槇村に電話するのは、これが初めてのことではない。電話越しに槇村の声を聞くのだって、初めてではない。なのに、急に想いが溢れて来て、央は堪らずにそれを打ち明けた。
「好きだぁ、槇村くん…」
『…うん』
「……そこは『うん』じゃなくて、『俺もだよ』て言うとこでしょ…」
『何言ってんだ。想いを伝えるのと同じトーンで、何を言ってんだ』
「ここは『俺も央のこと好きだよ。愛してる』て言うとこじゃんかっ」
『ハードルを上げるな』
自分ばかりが好きだと言っているのが恥ずかしくなって、央は槇村が恥ずかしがると分かっていて、無茶な要求をする。こうやって空気を茶化さないと、恥ずかしくて死にそうだ。
「槇村く~ん、言ってよぉ」
『そんなこと言うか』
「何でっ。今言わないで、いつ言うの!? あ、明日か! 明日だね、明日言ってくれるんだ!? 俺の目を見て、言ってくれるんだ!」
『さり気なく要求を増やすな』
「あー楽しみだなぁ、明日槇村くんち行くの」
勝手に約束を取り付けて、央は満足してベッドに転がった。
こうやって電話で槇村の声を聞けるだけでも幸せなのに、明日は槇村の家に行けるし、好きだと言ってもらえる(はずだ)し、楽しみすぎて、どうにかなりそうだ。
「明日、朝一で行っていい?」
『…いいけど、何時に来るつもりだよ。そんなに早く来られても、起きる時間…』
「え、目なんて早く覚めるんじゃないの? 4時とか、5時とか」
『起きるかっ』
央も、槇村が本気でそんな時間に起きるとは思っていないが、お約束でボケたら、律儀に突っ込まれた。
『まったく…。明日、朝一で来るんだったら、もう寝ろよ? こんな時間…』
「はぁっ? まだ子どもの寝る時間じゃんか!」
『子どもだ、お前も。明日起きられないぞ? 朝一で来るんだろ?』
「ッ…」
急に子ども扱いされてムッとなったが、寝起きがそれほどよくないのは自分が一番知っているので、あまり強くは言い返せない。
先週も槇村の家に泊まったから、彼も央の寝起きの悪さは何となく気付いているに違いない。
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