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恋は七転び八起き (119)
2016.01.15 Fri
「なら、槇村くんち行くね! 槇村くんち行くね!」
『2回言わなくても分かる。あ、お前んちの駅まで迎えに行くわ』
「何で、大丈夫だし」
恐らく槇村は、央が先日痴漢に遭ったことを気にして、そう言ってくれるのだろう。純平もそんな理由で、朝はいつもよりずっと早く家を出て、央と一緒の電車に乗っているが、央にしたら、心配してくれるのは有り難いけれど、もう平気だと言いたい。圭人や七海に言わせれば、央に危機感が足りなすぎる、ということらしいのだが。
『心配して、兄ちゃんが付いて来たらどうすんだ、学校行くときみたいに』
「それはさっき断ったから、大丈夫だって」
『断った……のはいいけど、そういえばお前さっき、兄ちゃんが何か言うたみたいなこと言って…、え、もしかして兄ちゃんに話したのか? その…明日のこと』
「言った、ていうか……純平くんだったら彼女とどこに行きたい? て聞いただけなのに、いつの間にか明日俺が槇村くんとお出掛けする話になってた」
『おまっ…』
「…ダメだった?」
央が誘導尋問に引っ掛かったといえばそれまでだが、純平の勘がよかったのだと、央はそう思うことにしている。
けれど、槇村がショックを受けているような雰囲気なので、一応尋ねてみたが、すぐに『そんなことはない』という返事が返って来ないことからして、やはりあまりよろしくなかったらしい。
「槇村くん、最初に、付き合うことになったの俺が純平くんに内緒にする、て言ったときは、話したほうがいいみたいに言ってたのに、やっぱり言わないほうがよかったの?」
『そういうわけじゃないけど…、何て言うか…、俺、毎日お前の兄ちゃんに会うんだぞ?』
「俺も毎日会ってるよ。俺のほうが毎日会ってるよ」
『そうだけど、そうじゃなくて! 何か恥ずかしいだろ、アイツがいろいろ知ってるかと思うと』
「…そぉ?」
『自分が何も言ってないのに、相手がいろいろ知ってたら、恥ずかしくないか? それも、恋人の兄貴だぞ!?』
「う…うん」
それは、槇村の気にし過ぎのような気もしたが、槇村がそこまで思っているのなら、これからは純平にあまりいろいろ言うのはやめにしようと思う。
しかし、声を大きくした槇村は、別に怒っているわけではなく、部屋で1人、照れているのだろう。槇村が意外と照れ屋なのは、何となく気が付いたけれど、そんな一面に、央はまた槇村への想いを深くするのだ。
何だか、不思議な気持ち。
明日には槇村に会えるのに。央が勝手に決めたことだけれど、槇村の家に泊まるから、ずっと一緒にいられるのに、それでもまだ電話を切りたくない、声を聞いていたい。
槇村のことを好きな気持ちなら、もうずっと持ち続けているし、最初からずっと強火だったけれど、ますます好きになってしまう。好きで好きで堪らなくなってしまう。
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『2回言わなくても分かる。あ、お前んちの駅まで迎えに行くわ』
「何で、大丈夫だし」
恐らく槇村は、央が先日痴漢に遭ったことを気にして、そう言ってくれるのだろう。純平もそんな理由で、朝はいつもよりずっと早く家を出て、央と一緒の電車に乗っているが、央にしたら、心配してくれるのは有り難いけれど、もう平気だと言いたい。圭人や七海に言わせれば、央に危機感が足りなすぎる、ということらしいのだが。
『心配して、兄ちゃんが付いて来たらどうすんだ、学校行くときみたいに』
「それはさっき断ったから、大丈夫だって」
『断った……のはいいけど、そういえばお前さっき、兄ちゃんが何か言うたみたいなこと言って…、え、もしかして兄ちゃんに話したのか? その…明日のこと』
「言った、ていうか……純平くんだったら彼女とどこに行きたい? て聞いただけなのに、いつの間にか明日俺が槇村くんとお出掛けする話になってた」
『おまっ…』
「…ダメだった?」
央が誘導尋問に引っ掛かったといえばそれまでだが、純平の勘がよかったのだと、央はそう思うことにしている。
けれど、槇村がショックを受けているような雰囲気なので、一応尋ねてみたが、すぐに『そんなことはない』という返事が返って来ないことからして、やはりあまりよろしくなかったらしい。
「槇村くん、最初に、付き合うことになったの俺が純平くんに内緒にする、て言ったときは、話したほうがいいみたいに言ってたのに、やっぱり言わないほうがよかったの?」
『そういうわけじゃないけど…、何て言うか…、俺、毎日お前の兄ちゃんに会うんだぞ?』
「俺も毎日会ってるよ。俺のほうが毎日会ってるよ」
『そうだけど、そうじゃなくて! 何か恥ずかしいだろ、アイツがいろいろ知ってるかと思うと』
「…そぉ?」
『自分が何も言ってないのに、相手がいろいろ知ってたら、恥ずかしくないか? それも、恋人の兄貴だぞ!?』
「う…うん」
それは、槇村の気にし過ぎのような気もしたが、槇村がそこまで思っているのなら、これからは純平にあまりいろいろ言うのはやめにしようと思う。
しかし、声を大きくした槇村は、別に怒っているわけではなく、部屋で1人、照れているのだろう。槇村が意外と照れ屋なのは、何となく気が付いたけれど、そんな一面に、央はまた槇村への想いを深くするのだ。
何だか、不思議な気持ち。
明日には槇村に会えるのに。央が勝手に決めたことだけれど、槇村の家に泊まるから、ずっと一緒にいられるのに、それでもまだ電話を切りたくない、声を聞いていたい。
槇村のことを好きな気持ちなら、もうずっと持ち続けているし、最初からずっと強火だったけれど、ますます好きになってしまう。好きで好きで堪らなくなってしまう。
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けいったん ⇒ No title
槇村との初デートで ウカレポンチな央ちゃん
何所に行くのかと思ってたら 「槇村くんち」とは・・・ハァー(。´_`。)=3
初デートの定番と言えば、
幼稚園とか← あっと これは おとななん槇村には 少々厳しいかな?
そしたら 水族館とか 映画館とか、ちょっと 高尚的な美術館なんて いいんじゃないの?
それにしても 初デートで 彼氏の家に行くって 『喰ってちょうだい♡』言わんばかりな気が…
央ちゃんは 気付いてないだろうけどね。。。((苦笑い…))○o。(;゚∇゚)ノ_彡☆ハハハッ
如月さま、遅れに遅れに遅れてですが、あけおめ~♪о(ж>▽<)y ☆
今年も 如月さまにとって 健やかで素敵な一年であります様に!
今更ですが、
(★´∀`)b*★*―+【祝♪謹賀新年】+―*★* d(´∀`★)...byebye☆
何所に行くのかと思ってたら 「槇村くんち」とは・・・ハァー(。´_`。)=3
初デートの定番と言えば、
幼稚園とか← あっと これは おとななん槇村には 少々厳しいかな?
そしたら 水族館とか 映画館とか、ちょっと 高尚的な美術館なんて いいんじゃないの?
それにしても 初デートで 彼氏の家に行くって 『喰ってちょうだい♡』言わんばかりな気が…
央ちゃんは 気付いてないだろうけどね。。。((苦笑い…))○o。(;゚∇゚)ノ_彡☆ハハハッ
如月さま、遅れに遅れに遅れてですが、あけおめ~♪о(ж>▽<)y ☆
今年も 如月さまにとって 健やかで素敵な一年であります様に!
今更ですが、
(★´∀`)b*★*―+【祝♪謹賀新年】+―*★* d(´∀`★)...byebye☆
- |2016.01.15
- |Fri
- |11:30
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
あけましておめでとうございます。
昨年はたくさんのコメントありがとうございました(*^_^*)
今年も出来る限りの更新、がんばりますので、よろしくお願いいたします。
それにしても、ウカレポンチとは、まさに央ちゃんのためにある言葉ですね…。
高尚な行き先は、ちょっとどころでなくチンプンカンプンでしょう…(笑)
コメントありがとうございました!
昨年はたくさんのコメントありがとうございました(*^_^*)
今年も出来る限りの更新、がんばりますので、よろしくお願いいたします。
それにしても、ウカレポンチとは、まさに央ちゃんのためにある言葉ですね…。
高尚な行き先は、ちょっとどころでなくチンプンカンプンでしょう…(笑)
コメントありがとうございました!
- |2016.01.17
- |Sun
- |00:24
- |URL
- |EDIT|