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恋は七転び八起き (99)
2015.12.16 Wed
昼休みに一緒に昼食へ行き、自分の恋愛話を、しかも逢坂相手にするというのは、気持ち悪いの一言に尽きる。それだけは絶対に嫌だ。そもそも、板屋越にも話すのであれば、逢坂だけに話しても二度手間になるから、やはりこの案はなしだ。絶対ない。
そう思った槇村は、苦肉の策として、この間のようにまた3人で飲みに行こう、と逢坂に声を掛けようとしたのだが、それと同じタイミングで、逢坂が無言でスマホを突き付けて来たので、思わず固まった。
「え…………何?」
画面を槇村のほうに向けているので、それを見ろということなのだろうが、無言なのが怖い。一応、『何?』と聞いたのだから、少しくらい何か発してくれてもいいのに。
逢坂の様子を窺いつつ画面を覗くと、『今日の仕事の後、この間の居酒屋に集合。持ち物:財布、槇村。忘れずに。』という板屋越からのメールが表示されていた。
持ち物て…。
しかし、板屋越もよく考えたものだ。槇村を誘った場合、嘘でも適当な理由を付けて断れる可能性があるが、これなら槇村に拒否権はなく、連行されるのみだ。槇村が逢坂に逆らい切れないことが、ちゃんと計算に入っている。
「いい話、聞かせてくれるんだろうな? これ以上、お前のお悩み相談室なんて開きたくないぞ?」
ギロリと凄まれて、槇村は怯んだ。
昨日槇村が思ったとおり、2人とも純平と央の態度から何かしらを感じ取ったらしいが、槇村が央と付き合うことになったのは、果たして、逢坂の言う『いい話』に当たるのかどうかは、正直分からなかった。
槇村が何も言えずにいると、逢坂はスマホをしまい、席を立って出て行った。昼食に向かったのだろう。
事務室には、逢坂と槇村の他には電話番の担当しか残っておらず、だったらこういう場合、槇村のことを誘うものではないかと思ったが、それこそ今2人で昼食にでも行った日には、話題に困った気まずいランチタイムになるのは火を見るよりも明らかなので、逢坂も槇村を置いていったのだろう。考えることは同じだ。
話は夜、3人で集まってからでいい。今日はまだ月曜日だから、どうか深酒するようなことになりませんように、と祈りつつ、槇村も事務室を後にした。
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そう思った槇村は、苦肉の策として、この間のようにまた3人で飲みに行こう、と逢坂に声を掛けようとしたのだが、それと同じタイミングで、逢坂が無言でスマホを突き付けて来たので、思わず固まった。
「え…………何?」
画面を槇村のほうに向けているので、それを見ろということなのだろうが、無言なのが怖い。一応、『何?』と聞いたのだから、少しくらい何か発してくれてもいいのに。
逢坂の様子を窺いつつ画面を覗くと、『今日の仕事の後、この間の居酒屋に集合。持ち物:財布、槇村。忘れずに。』という板屋越からのメールが表示されていた。
持ち物て…。
しかし、板屋越もよく考えたものだ。槇村を誘った場合、嘘でも適当な理由を付けて断れる可能性があるが、これなら槇村に拒否権はなく、連行されるのみだ。槇村が逢坂に逆らい切れないことが、ちゃんと計算に入っている。
「いい話、聞かせてくれるんだろうな? これ以上、お前のお悩み相談室なんて開きたくないぞ?」
ギロリと凄まれて、槇村は怯んだ。
昨日槇村が思ったとおり、2人とも純平と央の態度から何かしらを感じ取ったらしいが、槇村が央と付き合うことになったのは、果たして、逢坂の言う『いい話』に当たるのかどうかは、正直分からなかった。
槇村が何も言えずにいると、逢坂はスマホをしまい、席を立って出て行った。昼食に向かったのだろう。
事務室には、逢坂と槇村の他には電話番の担当しか残っておらず、だったらこういう場合、槇村のことを誘うものではないかと思ったが、それこそ今2人で昼食にでも行った日には、話題に困った気まずいランチタイムになるのは火を見るよりも明らかなので、逢坂も槇村を置いていったのだろう。考えることは同じだ。
話は夜、3人で集まってからでいい。今日はまだ月曜日だから、どうか深酒するようなことになりませんように、と祈りつつ、槇村も事務室を後にした。
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