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恋は七転び八起き (82)
2015.11.27 Fri
「あんま人にベラベラ言うな、て言ったの、槇村くんじゃん!」
「そうだけど…。でも純平…兄ちゃん、お前のためにいろいろがんばったんじゃないのか…?」
「それはそれ」
きっぱりと言い切れば、槇村はあんぐりと口を開けたまま、何も言わなくなった。
「だから槇村くんも、純平くんには言ったらダメだからね? 他に友だちいないからって」
「いるわ!」
それでも突っ込みだけはしっかりと入れてくれる槇村にギュウと抱き付けば、よしよしするみたいに抱き締められた。幸せだ。
槇村の家に泊まることになって、思い掛けず槇村と付き合うことになって、キスまでされたけれど、それ以上のことはないまま、朝を迎えた。本当のことを言えば、央は期待しないばかりでもなかったのだが、央が未成年であることを非常に気にしている槇村が手を出すはずもなく、健全な一夜を明かしたのだ。
それから夕方まで一緒に過ごして、央は家へと帰った。
本当は明日も日曜日で休みだからもっと一緒にいたかったけれど、さすがに高校生の央が二晩も帰らないのは問題があると、槇村に帰るように言われたのだ。『そんなの気にしなくていいのに』と央は口では言ってみたものの、実際に央は、1度も家に帰らず丸2日も遊び呆けたことなど、今までにもなかった。
駅まで槇村に送ってもらい、1人で電車に乗ろうとしたのだが、槇村も改札を潜って一緒に電車に乗って来て、過保護…とちょっと思ったが、少しでも長く一緒にいられるのが嬉しくて、央は何も言わなかった。
電車が到着すると、槇村は家まで送ろうかと言ったが、槇村とのことは純平には言わないことにしたので、見られてもまずいと思い、寂しいけれど駅でバイバイをした。
「お帰り、央ちゃん」
「ただいま、純平くん! …………どしたの?」
台所にいる母親に声を掛けてから部屋に向かえば、ちょうど自分の部屋から出て来た純平に声を掛けられた。タイミングの良さからして、もしかしたら、央が帰って来た音に気が付いて、部屋から出て来たのかもしれない。
しかし、槇村と想いを1つに出来て幸せいっぱいの央と違って、なぜだか純平の表情は暗い。
「純平くん、どうしたの」
「いや…、央ちゃんこそ、どうしたの。元気になったならいいんだけど…………心配してたんだよ? 昨日電話来たときも、死にそうな声出してたから」
「あ…」
そういえば、昨日純平に電話をした時点では、まだ槇村との関係は変わっていなかったし、何よりも電車の中であんな目に遭った後で、いろいろと気持ちが荒んでいたのだ。
先週来、落ち込み続けていた央のことは、一緒に生活している純平はよく知っているわけで、それなのに、帰って来た央が急にこんなに元気になっていたら、不思議に思うのも無理はない。
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「そうだけど…。でも純平…兄ちゃん、お前のためにいろいろがんばったんじゃないのか…?」
「それはそれ」
きっぱりと言い切れば、槇村はあんぐりと口を開けたまま、何も言わなくなった。
「だから槇村くんも、純平くんには言ったらダメだからね? 他に友だちいないからって」
「いるわ!」
それでも突っ込みだけはしっかりと入れてくれる槇村にギュウと抱き付けば、よしよしするみたいに抱き締められた。幸せだ。
央・純平
槇村の家に泊まることになって、思い掛けず槇村と付き合うことになって、キスまでされたけれど、それ以上のことはないまま、朝を迎えた。本当のことを言えば、央は期待しないばかりでもなかったのだが、央が未成年であることを非常に気にしている槇村が手を出すはずもなく、健全な一夜を明かしたのだ。
それから夕方まで一緒に過ごして、央は家へと帰った。
本当は明日も日曜日で休みだからもっと一緒にいたかったけれど、さすがに高校生の央が二晩も帰らないのは問題があると、槇村に帰るように言われたのだ。『そんなの気にしなくていいのに』と央は口では言ってみたものの、実際に央は、1度も家に帰らず丸2日も遊び呆けたことなど、今までにもなかった。
駅まで槇村に送ってもらい、1人で電車に乗ろうとしたのだが、槇村も改札を潜って一緒に電車に乗って来て、過保護…とちょっと思ったが、少しでも長く一緒にいられるのが嬉しくて、央は何も言わなかった。
電車が到着すると、槇村は家まで送ろうかと言ったが、槇村とのことは純平には言わないことにしたので、見られてもまずいと思い、寂しいけれど駅でバイバイをした。
「お帰り、央ちゃん」
「ただいま、純平くん! …………どしたの?」
台所にいる母親に声を掛けてから部屋に向かえば、ちょうど自分の部屋から出て来た純平に声を掛けられた。タイミングの良さからして、もしかしたら、央が帰って来た音に気が付いて、部屋から出て来たのかもしれない。
しかし、槇村と想いを1つに出来て幸せいっぱいの央と違って、なぜだか純平の表情は暗い。
「純平くん、どうしたの」
「いや…、央ちゃんこそ、どうしたの。元気になったならいいんだけど…………心配してたんだよ? 昨日電話来たときも、死にそうな声出してたから」
「あ…」
そういえば、昨日純平に電話をした時点では、まだ槇村との関係は変わっていなかったし、何よりも電車の中であんな目に遭った後で、いろいろと気持ちが荒んでいたのだ。
先週来、落ち込み続けていた央のことは、一緒に生活している純平はよく知っているわけで、それなのに、帰って来た央が急にこんなに元気になっていたら、不思議に思うのも無理はない。
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