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恋は七転び八起き (53)
2015.10.27 Tue
槇村・央
央に対する気持ちが好きだろうが嫌いだろうが、槇村が央を傷付けてしまったことに違いはなく、やはりこの場合、謝罪するのが大人として……以前に、人として当然だとは思う。しかし槇村は央の連絡先を知らないため、謝るに謝れずにいた。
もちろん、純平に聞けば連絡先などすぐに分かるし、直接央に会ったほうがいいと言うなら、家まで連れて行ってもらえばいいのだが、槇村が央に嫌いだと言ってしまったあの日以来、純平はさり気なくだが確実に槇村を避けており、とても何かを頼める状態ではなかった。
家に行くのでなければ、学校という手もある。央の通う学校に行って、央に会う。想像するとちょっとゾッとする行為だが、他に方法がなければ、それも手段の1つだろう。
問題は、槇村がその学校の名前と場所を知らないということだ。以前に板屋越から名前くらいは聞いたはずだが、残念ながらもうすっかり忘れていた。まさかその情報が、こんなに重要なものになるとは思っていなかったので、気にも留めていなかったのだ。
そうやって槇村がグズグズしているうちに時間は過ぎ、逢坂と板屋越の3人で飲んだあの夜からもう1週間が過ぎていた。純平に央の連絡先を聞くことも、板屋越に学校のことを聞くことも出来ないまま、次の金曜日になっていたのだ。
これだけ経つと、どうやったら央に謝れるのかと考える一方で、もう謝らなくてもいいか…という気持ちも芽生えて来て、槇村を余計に悩ませた。今さら謝りに行ってどうなるのだ、と開き直る気持ちが顔を覗かせるのだ。だって槇村は、逢坂や板屋越に言ったとおり、もう央のことなんか好きではなくて、だったら謝って関係を修復させなくても…と思ってしまうのだ。どうせ向こうだって、今さら槇村の顔は見たくないだろうし。
そう思ったところで、本当にそれでいいのかという思いが、自身を諭して来る。たとえ今さらだとしても、ちゃんとけじめをつけるのが筋だろう、と槇村に訴え掛けるのだ。
そんな脳内会議を1人で繰り返していると、もう本当に頭がおかしくなってしまいそうだった。
逢坂に言えば、謝りたいと思ってるなら謝れ! と背中を叩かれそうで、答えが分かっているからというわけでもないが、まだ逢坂には話しておらず、会社で会っても他愛のない話しかしていない。
板屋越に至っては、実はこの1週間、連絡を取っていない。あの日、最後まで槇村を説得しようとしていた逢坂に対し、板屋越は途中から諦めたように槇村を見ていた。愛想を尽かしたとまではいかないだろうが、それに近い気持ちを槇村に抱いたように見えて、何となく連絡できずにいるのだ。
とはいえ、相談するにしても、こんな話題、素面でなんてとても出来そうにないから、今日は金曜日だし、飲みにでも誘って聞いてもらおうかと思ったのに、逢坂はもうすでに別の飲み会が入っているとかで、断られてしまった。
残るは板屋越…と思ったが、央の話題で板屋越と2人で会うのはまだ躊躇われて誘うことは出来ず、結局槇村は、1人で帰路に就くことになった。
逢坂には、その別の飲み会に一緒に来るかと誘われたけれど、槇村は逢坂とただ酒が飲みたいから声を掛けたわけではないし、そんな誰がいるかも分からない飲み会に参加するのも嫌だし、丁重にお断りした。
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