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No Smoking!?
2008.09.20 Sat
クチュ…とやらしい音を立てて、唇が離れる。唾液に濡れた唇をペロッと舐めて視線を上げると、那智がなぜか眉を顰めていた。
「何だよ」
「タバコ臭い!」
「は?」
「渉のキス、タバコ臭い!」
那智が超が付くほどの嫌煙家だということを忘れていたわけではないが、そういえばキスする直前までタバコを吸っていたことを、今さらながら渉は思い出した。
「しょうがねぇだろ、タバコ吸ったんだから」
「吸わなきゃいいじゃん。服とか髪にもタバコの匂いって付くんだよ」
自分の着ているシャツを鼻に近付け、そのタバコの匂いに、那智はますます渋い表情をする。
「お前も吸えば気にならなくなるだろ」
「吸わないよ、そんなの!」
「吸わないんじゃなくて、吸えないんだろ、お前は」
「吸えなくたっていいもん、タバコなんて。体に悪いだけだし」
何を言っても減らず口を叩く那智をベッドに組み敷き、もう1度キスしようと顔を近付けたが、力ではやはり勝っている那智の腕が、渉の体を押し戻した。
「イヤ!」
「何だよ」
「渉のキスは好きだけど、タバコは嫌いなの! だから今、渉とキスしたくない気分」
プイッと那智は体ごと渉からそらした。渉は軽く舌打ちして、那智の横にゴロリと転がると、腕を那智の体に絡める。
「何だよぉ」
「いいだろ、こんくらいさせろ」
わざと面倒臭そうにしながら、那智は寝返りを打って渉のほうを向いた。
「あのさぁ、俺がタバコ吸えば気にならなくなる、じゃなくて、やっぱ渉がタバコやめるべきだと思う」
「何だよ、まだその話かよ」
「ね、やめなよ、タバコ」
「やめねぇ」
大体そんなに簡単にやめられるものなら、最初から吸ったりなんかしない。
「何でやめらんないの? 口寂しいの?」
「あぁ、そうかもな」
そんな理由なんかよく分からない。きっとニコチンとか何かそういうものが影響しているのだろうけど。
「ふ~ん」
渉の言葉をどう受け取ったのか知らないが、那智は少し何か考えるようにしてから、伸ばしてきた手で渉の顎を掴んだ。
「何だ…」
言い切らないうち、那智は先ほどまで散々嫌がっていたキスを、自分のほうから仕掛けてきた。
思いがけない不意打ちのキスに、渉も一瞬固まる。
「―――な、ち…」
深く舌を絡めようとしたところで、やはり那智のほうから唇を離された。
「おいっ!」
何なんだよ、自分から誘っといて!
渉はギラついた目で那智の顔を覗き込んだ。
「これで口寂しくないでしょ? ね、タバコの代わりだよ」
「…………」
少し呆気にとられている渉に構わず、那智は満面の笑みで話を進めていく。
「渉がタバコやめて口寂しいときは、俺がキスしてあげるの。良くない? これ」
「―――……考えとく…」
自分が今、ものすごい誘い文句を言っているとはまったく分かっていない様子の那智に、渉は溜め息とともにそう答えるのが精一杯で、甘えてくる那智を何とかあやしてやったのだった。
そしてその後、渉は本気で禁煙を考えたとか、考えなかったとか。
「何だよ」
「タバコ臭い!」
「は?」
「渉のキス、タバコ臭い!」
那智が超が付くほどの嫌煙家だということを忘れていたわけではないが、そういえばキスする直前までタバコを吸っていたことを、今さらながら渉は思い出した。
「しょうがねぇだろ、タバコ吸ったんだから」
「吸わなきゃいいじゃん。服とか髪にもタバコの匂いって付くんだよ」
自分の着ているシャツを鼻に近付け、そのタバコの匂いに、那智はますます渋い表情をする。
「お前も吸えば気にならなくなるだろ」
「吸わないよ、そんなの!」
「吸わないんじゃなくて、吸えないんだろ、お前は」
「吸えなくたっていいもん、タバコなんて。体に悪いだけだし」
何を言っても減らず口を叩く那智をベッドに組み敷き、もう1度キスしようと顔を近付けたが、力ではやはり勝っている那智の腕が、渉の体を押し戻した。
「イヤ!」
「何だよ」
「渉のキスは好きだけど、タバコは嫌いなの! だから今、渉とキスしたくない気分」
プイッと那智は体ごと渉からそらした。渉は軽く舌打ちして、那智の横にゴロリと転がると、腕を那智の体に絡める。
「何だよぉ」
「いいだろ、こんくらいさせろ」
わざと面倒臭そうにしながら、那智は寝返りを打って渉のほうを向いた。
「あのさぁ、俺がタバコ吸えば気にならなくなる、じゃなくて、やっぱ渉がタバコやめるべきだと思う」
「何だよ、まだその話かよ」
「ね、やめなよ、タバコ」
「やめねぇ」
大体そんなに簡単にやめられるものなら、最初から吸ったりなんかしない。
「何でやめらんないの? 口寂しいの?」
「あぁ、そうかもな」
そんな理由なんかよく分からない。きっとニコチンとか何かそういうものが影響しているのだろうけど。
「ふ~ん」
渉の言葉をどう受け取ったのか知らないが、那智は少し何か考えるようにしてから、伸ばしてきた手で渉の顎を掴んだ。
「何だ…」
言い切らないうち、那智は先ほどまで散々嫌がっていたキスを、自分のほうから仕掛けてきた。
思いがけない不意打ちのキスに、渉も一瞬固まる。
「―――な、ち…」
深く舌を絡めようとしたところで、やはり那智のほうから唇を離された。
「おいっ!」
何なんだよ、自分から誘っといて!
渉はギラついた目で那智の顔を覗き込んだ。
「これで口寂しくないでしょ? ね、タバコの代わりだよ」
「…………」
少し呆気にとられている渉に構わず、那智は満面の笑みで話を進めていく。
「渉がタバコやめて口寂しいときは、俺がキスしてあげるの。良くない? これ」
「―――……考えとく…」
自分が今、ものすごい誘い文句を言っているとはまったく分かっていない様子の那智に、渉は溜め息とともにそう答えるのが精一杯で、甘えてくる那智を何とかあやしてやったのだった。
そしてその後、渉は本気で禁煙を考えたとか、考えなかったとか。
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りり ⇒ これは…甘いです!!!
あまりにもお得な禁煙じゃないですか!!
渉くんしなさい禁煙!!
苦いタバコより甘いキッス♪
ぬわあああああ朝から悶えてしまう~~
口寂しいの?て!!!
那智くん可愛ゆすぎる…。
渉くんしなさい禁煙!!
苦いタバコより甘いキッス♪
ぬわあああああ朝から悶えてしまう~~
口寂しいの?て!!!
那智くん可愛ゆすぎる…。
如月久美子 ⇒ >りりさん
出掛けていたもので、返事が遅くなってすみませんっ!!!
私はタバコを吸わない人なんですけど、こんなすてきなご褒美が付いてくるなら、禁煙も悪くないんじゃないかと、喫煙家のみなさんに思ってもらえたでしょうか!?
コメントありがとうございました!
私はタバコを吸わない人なんですけど、こんなすてきなご褒美が付いてくるなら、禁煙も悪くないんじゃないかと、喫煙家のみなさんに思ってもらえたでしょうか!?
コメントありがとうございました!