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心臓だけを狙っている (37)
2015.06.22 Mon
慌てたのは祐介だ。
今度こそ間違いなく、『は?』と言った。いや、『はっ!?』と言った。呆れではなく、驚きのため、声が漏れたのだ。
だって、帰る、て。
「和衣の部屋、ここじゃん!」
一体どこへ帰ると言うのか、逃げるようにドアに向かった和衣の手を、祐介は咄嗟に掴んだ。
振り返った和衣は、驚愕の表情をしている。短時間のことだが、こういうとき、和衣は頭の中ですごくいろいろなことを考えすぎている、ということを祐介は知っている。
きっと、変なことを言って祐介に変に思われた、とか、あからさまに祐介のことを避けてしまった、とか、こんな変な子で嫌われちゃったらどうしよう、とか。
そんなところも含めて、祐介は和衣のことが好きなんだけれど。
「あ…ぅ…」
祐介的には、そこまで壁ドンに興味があるわけではないけれど、和衣がしたいとかしてほしいとか思っているなら、それを拒絶するほど嫌だとも思っていない。
和衣が釘付けになって見ていたテレビで壁ドンをやっていたから、やりたいのかなぁ…と、和衣の乙女な一面をよく知る祐介は、何となく思っただけなのだが、まさかこんなに激しく反応するとは。
「何もしないから、とりあえず座ろ?」
「ぇ…?」
「え?」
和衣がいっぱいいっぱいの様子だったから、落ち着かせようと思って言ったのに、何でそんなこと言うの? みたいな顔をされたので、分からず祐介も聞き返してしまった。
「…何も、しないの?」
「え…」
つい先ほどまで、壁ドンをするとかしないとかジタバタして、帰る! とまで言い出していたくせに、いざ祐介が何もしないと言ったら、急にそんな物悲しそうな顔をするなんて。
恥ずかしくて壁ドンしたいとは言えないけれど、やっぱりしたくて、今のこのタイミングを逃したら、もう2度とこんなチャンスはない、とか思ったのだろう。
口に出して言うのは素直に言えないけれど、態度は(和衣自身も無意識だろうが)ものすごく素直だ。
「あ、やっぱ今のなしっ! なしなしっ!!」
自分の発言に気が付いた和衣が、全力で否定して来たので、ちょっとポカンとしていた祐介は思わず吹き出した。
亮に言わせれば、『面倒くせぇだけだろ』ということなのだろうが、祐介は、和衣がテンパって1人でわたわたしている姿は、嫌いではない。いや、むしろ好きだ。
もうすべてが、和衣の一挙手一投足がかわいくて仕方ないのである。
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今度こそ間違いなく、『は?』と言った。いや、『はっ!?』と言った。呆れではなく、驚きのため、声が漏れたのだ。
だって、帰る、て。
「和衣の部屋、ここじゃん!」
一体どこへ帰ると言うのか、逃げるようにドアに向かった和衣の手を、祐介は咄嗟に掴んだ。
振り返った和衣は、驚愕の表情をしている。短時間のことだが、こういうとき、和衣は頭の中ですごくいろいろなことを考えすぎている、ということを祐介は知っている。
きっと、変なことを言って祐介に変に思われた、とか、あからさまに祐介のことを避けてしまった、とか、こんな変な子で嫌われちゃったらどうしよう、とか。
そんなところも含めて、祐介は和衣のことが好きなんだけれど。
「あ…ぅ…」
祐介的には、そこまで壁ドンに興味があるわけではないけれど、和衣がしたいとかしてほしいとか思っているなら、それを拒絶するほど嫌だとも思っていない。
和衣が釘付けになって見ていたテレビで壁ドンをやっていたから、やりたいのかなぁ…と、和衣の乙女な一面をよく知る祐介は、何となく思っただけなのだが、まさかこんなに激しく反応するとは。
「何もしないから、とりあえず座ろ?」
「ぇ…?」
「え?」
和衣がいっぱいいっぱいの様子だったから、落ち着かせようと思って言ったのに、何でそんなこと言うの? みたいな顔をされたので、分からず祐介も聞き返してしまった。
「…何も、しないの?」
「え…」
つい先ほどまで、壁ドンをするとかしないとかジタバタして、帰る! とまで言い出していたくせに、いざ祐介が何もしないと言ったら、急にそんな物悲しそうな顔をするなんて。
恥ずかしくて壁ドンしたいとは言えないけれど、やっぱりしたくて、今のこのタイミングを逃したら、もう2度とこんなチャンスはない、とか思ったのだろう。
口に出して言うのは素直に言えないけれど、態度は(和衣自身も無意識だろうが)ものすごく素直だ。
「あ、やっぱ今のなしっ! なしなしっ!!」
自分の発言に気が付いた和衣が、全力で否定して来たので、ちょっとポカンとしていた祐介は思わず吹き出した。
亮に言わせれば、『面倒くせぇだけだろ』ということなのだろうが、祐介は、和衣がテンパって1人でわたわたしている姿は、嫌いではない。いや、むしろ好きだ。
もうすべてが、和衣の一挙手一投足がかわいくて仕方ないのである。
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