スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
心臓だけを狙っている (34)
2015.06.19 Fri
「急にそんなちょっとずつ食べなくても…」
「ちょっ…何笑ってんの、祐介!」
「だって」
和衣が気にして、急に、スプーンに半分くらいしか乗せないで食べ出すから、そう言われたって、つい笑ってしまう。
「もぉ~…」
和衣は恥ずかしそうにしながら、祐介から顔を背けて、テレビのほうを向いた。点けてはいたものの、和衣の頭の中は壁ドンのことでいっぱいだったから、全然見ていなかった。
流行りの芸人や俳優が出ている番組は、何かの特番なのか、それとも毎週やっているものなのか、欠かさずテレビを見るタイプではない和衣には、よく分からない。
「………………ングッ!」
「えっ何、大丈夫!?」
テレビを見ながら食べていたら、いつの間にかスプーンを口に運ぶのが止まっていた和衣だったが、次の瞬間、いきなり噎せ返ったものだから、祐介は慌てた。
祐介も何となくテレビを見ていたけれど、そんなに驚くようなシーンもなかったし、一体何事かと思ったが、ひとまず咳き込んでいる和衣に水のグラスを渡した。
「ケホッ……あり、がと…」
「急にどうしたの?」
「何でも…」
ない、と続けようとして、それは咳に阻まれた。それでも和衣は首を振って、とにかく何でもないということだけは意思表示しておく。だって、何でもない。何でもないんだ。
テレビの中で、壁ドンが取り上げられていることなんて、本当に何でもないんだ…!!
そんな和衣の心境をよそに、テレビの中から、『キャ~~~~』とも『ひゃ~~~~』ともつかない、女の子たちの悲鳴のような歓声が上がって、和衣の視線は再びそちらに向く。
女性の芸人さんが、イケメンの俳優さんに壁ドンをされている。
何でもない振りで、再びオムライスを口に運ぼうとしていた和衣の手は、知らずに止まっていた。
最初に亮と翔真に壁ドンの話をしたとき、テレビで壁ドンをやっているのを2人で見た後に、『俺も壁ドンされたい』と言えばいい、というアドバイスを貰ったのだ。
そのときは、そんなの言えるわけがないし、そもそもタイミングよく2人でそんな番組を見ることなんかないと思っていたのだが、まさか2つの条件のうち1つはクリアしてしまうなんて。
(ゆ…祐介に言…)
自然な感じで言うには、このコーナーが終わる前に話を切り出さなければならない。
和衣は決心して、祐介のほうを向き直った。
back next
「ちょっ…何笑ってんの、祐介!」
「だって」
和衣が気にして、急に、スプーンに半分くらいしか乗せないで食べ出すから、そう言われたって、つい笑ってしまう。
「もぉ~…」
和衣は恥ずかしそうにしながら、祐介から顔を背けて、テレビのほうを向いた。点けてはいたものの、和衣の頭の中は壁ドンのことでいっぱいだったから、全然見ていなかった。
流行りの芸人や俳優が出ている番組は、何かの特番なのか、それとも毎週やっているものなのか、欠かさずテレビを見るタイプではない和衣には、よく分からない。
「………………ングッ!」
「えっ何、大丈夫!?」
テレビを見ながら食べていたら、いつの間にかスプーンを口に運ぶのが止まっていた和衣だったが、次の瞬間、いきなり噎せ返ったものだから、祐介は慌てた。
祐介も何となくテレビを見ていたけれど、そんなに驚くようなシーンもなかったし、一体何事かと思ったが、ひとまず咳き込んでいる和衣に水のグラスを渡した。
「ケホッ……あり、がと…」
「急にどうしたの?」
「何でも…」
ない、と続けようとして、それは咳に阻まれた。それでも和衣は首を振って、とにかく何でもないということだけは意思表示しておく。だって、何でもない。何でもないんだ。
テレビの中で、壁ドンが取り上げられていることなんて、本当に何でもないんだ…!!
そんな和衣の心境をよそに、テレビの中から、『キャ~~~~』とも『ひゃ~~~~』ともつかない、女の子たちの悲鳴のような歓声が上がって、和衣の視線は再びそちらに向く。
女性の芸人さんが、イケメンの俳優さんに壁ドンをされている。
何でもない振りで、再びオムライスを口に運ぼうとしていた和衣の手は、知らずに止まっていた。
最初に亮と翔真に壁ドンの話をしたとき、テレビで壁ドンをやっているのを2人で見た後に、『俺も壁ドンされたい』と言えばいい、というアドバイスを貰ったのだ。
そのときは、そんなの言えるわけがないし、そもそもタイミングよく2人でそんな番組を見ることなんかないと思っていたのだが、まさか2つの条件のうち1つはクリアしてしまうなんて。
(ゆ…祐介に言…)
自然な感じで言うには、このコーナーが終わる前に話を切り出さなければならない。
和衣は決心して、祐介のほうを向き直った。
back next
- 関連記事
-
- 心臓だけを狙っている (35) (2015/06/20)
- 心臓だけを狙っている (34) (2015/06/19)
- 心臓だけを狙っている (33) (2015/06/18)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:Baby Baby Baby Love