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心臓だけを狙っている (17)
2015.06.02 Tue
「じゃ、じゃ、立って?」
「あのさ…」
蒼一郎はウキウキとした様子で立ち上がるが、何かの余興や企画ならともかく、恋人同士なのに、壁ドンするから立って、とか、ムードとかそういうことはいいんだろうか、と突っ込みたい。
しかし、これでこそ蒼一郎なのだと思い、郁雅は言葉を飲み込んだ。
「イク…」
「………………」
仕方なく郁雅も立ち上がって壁に寄り掛かると、さっそく蒼一郎は片手を壁に突くが、やはり状況が状況だからか、恋人からの壁ドンだというのに、残念ながら、さっぱりドキドキしない。
やはり、これから壁ドンをするという事前予告がよくなかったのだろうか。
だが、壁ドンを取り上げた番組などを見ていると、これから壁ドンされると分かっているシチュエーションにもかかわらず、壁ドンされた女性タレントや芸人は、相当ドキドキしているように見える。
それと、今の自分の状況と、何が違うのだろう。
蒼一郎が、そこまで様になっていないとは言わないから、もしかしたら、自分がクールすぎるんだろうか。
「ねぇイクー、もっと『キャッ』みたいな感じになってよー」
「どんなだ」
いや…、自分のせいじゃないな。
蒼一郎が、ムードを出すのが下手過ぎるんだ。
「なぁ蒼…、気ぃ済んだ?」
「えぇー! ちょっイク! ダメダメ! 全然ドキドキしてないじゃん!」
「しねぇよ」
この状況で、どうドキドキしろと言うのだ。
蒼一郎のこんなことに付き合わされて、真大にキレられた翔真に、ご愁傷様と言ってやりたい。そして郁雅からも、心から謝りたい。
「せっかく練習したのに…」
シュンとしつつも、蒼一郎は腕を解いた。
「あ、分かった! イク、壁ドンして!」
「はぁっ?」
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「あのさ…」
蒼一郎はウキウキとした様子で立ち上がるが、何かの余興や企画ならともかく、恋人同士なのに、壁ドンするから立って、とか、ムードとかそういうことはいいんだろうか、と突っ込みたい。
しかし、これでこそ蒼一郎なのだと思い、郁雅は言葉を飲み込んだ。
「イク…」
「………………」
仕方なく郁雅も立ち上がって壁に寄り掛かると、さっそく蒼一郎は片手を壁に突くが、やはり状況が状況だからか、恋人からの壁ドンだというのに、残念ながら、さっぱりドキドキしない。
やはり、これから壁ドンをするという事前予告がよくなかったのだろうか。
だが、壁ドンを取り上げた番組などを見ていると、これから壁ドンされると分かっているシチュエーションにもかかわらず、壁ドンされた女性タレントや芸人は、相当ドキドキしているように見える。
それと、今の自分の状況と、何が違うのだろう。
蒼一郎が、そこまで様になっていないとは言わないから、もしかしたら、自分がクールすぎるんだろうか。
「ねぇイクー、もっと『キャッ』みたいな感じになってよー」
「どんなだ」
いや…、自分のせいじゃないな。
蒼一郎が、ムードを出すのが下手過ぎるんだ。
「なぁ蒼…、気ぃ済んだ?」
「えぇー! ちょっイク! ダメダメ! 全然ドキドキしてないじゃん!」
「しねぇよ」
この状況で、どうドキドキしろと言うのだ。
蒼一郎のこんなことに付き合わされて、真大にキレられた翔真に、ご愁傷様と言ってやりたい。そして郁雅からも、心から謝りたい。
「せっかく練習したのに…」
シュンとしつつも、蒼一郎は腕を解いた。
「あ、分かった! イク、壁ドンして!」
「はぁっ?」
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