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明日死んでもいいなんて、嘘 (6)
2015.05.15 Fri
(あー…でも、アイツ、結構濡れてたな、肩…)
駅に着いたときに、ふと気が付いた、湊の濡れた左肩。
2人で1つの小さな傘に入っていたので、それも仕方のないことだが(隼人の右肩だって、それなりに濡れてはいるし)、しかし隼人にしてみれば、大変悔いが残る結果だ。
こういう場合、やはり相手を濡らさないように、スマートにリードしてやるのが、男というものではないだろうか。
(だって、アイツ、めっちゃ俺のほうに傘傾けて来るし…)
……………………………………。
「ッ…!!!!!!」
扉に寄り掛かりながら、先ほどまでの出来事を思い出していた隼人は、ふとあることに気が付いて、驚愕のあまり目を見開いた。
いや、本当は、『あああぁぁっ!!!!』と、あらん限りの声を発しそうになったのだが、それは何とか理性が食い止めた。ここは電車の中で、満員とは言わないが、それなりの乗客がいる。
(ちょっ…、待て、俺…)
しかし、気付いてしまった事実に、隼人は卒倒しそうだった。
つい一瞬前までの幸せな気持ちも、すっかり吹き飛んだ。
(何で俺、傘持ってやらねぇんだ…!)
湊の持ち物である傘なのだから、湊が持っていても何の問題もないのだが、こういう場合は普通、男が持ってやるべきだろう。いや、湊だって男だけれど、でも。
デートで女の荷物を持ってやる男なんかクソくらえと思っているけれど、でも2人で1つの傘に入っているなら、やっぱり持ってやるべきだった。それが男だ。
…隼人の『男たる』の基準が世界標準かどうかはともかく、とにかくその事実が隼人を地の底まで凹ませているのは確かだ。
そのままその場に崩れ落ちそうになるのを、隼人は何とか堪えて、そばの手すりを握った。
(ああぁ…、まだ死ねない、ここままだったら死んでも死に切れない…)
悔いの残しどころはそこではなく、まだ湊と付き合っていないところなのだが、今の隼人に、そのことに気付く余裕はない。
次こそは…! と決意を固めた隼人は、今以上に傘を持ち歩かなくなるという、間違った方向性を導き出すのだった…。
ちなみに、隼人を絶望のどん底に陥れた、傘を持ってやらない男について、当然ながら湊は、気にしていないどころか、気付いてもいないのだった。
*END*
back
タイトルは「明日」から!
駅に着いたときに、ふと気が付いた、湊の濡れた左肩。
2人で1つの小さな傘に入っていたので、それも仕方のないことだが(隼人の右肩だって、それなりに濡れてはいるし)、しかし隼人にしてみれば、大変悔いが残る結果だ。
こういう場合、やはり相手を濡らさないように、スマートにリードしてやるのが、男というものではないだろうか。
(だって、アイツ、めっちゃ俺のほうに傘傾けて来るし…)
……………………………………。
「ッ…!!!!!!」
扉に寄り掛かりながら、先ほどまでの出来事を思い出していた隼人は、ふとあることに気が付いて、驚愕のあまり目を見開いた。
いや、本当は、『あああぁぁっ!!!!』と、あらん限りの声を発しそうになったのだが、それは何とか理性が食い止めた。ここは電車の中で、満員とは言わないが、それなりの乗客がいる。
(ちょっ…、待て、俺…)
しかし、気付いてしまった事実に、隼人は卒倒しそうだった。
つい一瞬前までの幸せな気持ちも、すっかり吹き飛んだ。
(何で俺、傘持ってやらねぇんだ…!)
湊の持ち物である傘なのだから、湊が持っていても何の問題もないのだが、こういう場合は普通、男が持ってやるべきだろう。いや、湊だって男だけれど、でも。
デートで女の荷物を持ってやる男なんかクソくらえと思っているけれど、でも2人で1つの傘に入っているなら、やっぱり持ってやるべきだった。それが男だ。
…隼人の『男たる』の基準が世界標準かどうかはともかく、とにかくその事実が隼人を地の底まで凹ませているのは確かだ。
そのままその場に崩れ落ちそうになるのを、隼人は何とか堪えて、そばの手すりを握った。
(ああぁ…、まだ死ねない、ここままだったら死んでも死に切れない…)
悔いの残しどころはそこではなく、まだ湊と付き合っていないところなのだが、今の隼人に、そのことに気付く余裕はない。
次こそは…! と決意を固めた隼人は、今以上に傘を持ち歩かなくなるという、間違った方向性を導き出すのだった…。
ちなみに、隼人を絶望のどん底に陥れた、傘を持ってやらない男について、当然ながら湊は、気にしていないどころか、気付いてもいないのだった。
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タイトルは「明日」から!
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