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明日死んでもいいなんて、嘘 (2)
2015.05.11 Mon
「2人とももうこれで上がりでしょ? だったら駅まで一緒に行けばいいじゃん。ね?」
「はい」
隼人が声にならない声で慌てふためいているのに気付かず、素直な湊は、翔真の言葉に頷いている。
同じ方向に向かう2人、1人が傘を持っていてそれを差しているのに、もう1人は濡れて歩いているのもおかしな話だから、翔真の言うことは尤もだし、湊も言われるまで気付かなかったが、言われなくても、店を出たところではさすがに気付いて隼人に傘を差し出したはずだ。
ごく自然な流れで、当然の展開に話は進んでいくが、隼人は唖然としたまま固まっている。
だって………………湊の傘に入れて行ってもらう!? そっ…それは、俗にいう相合傘というヤツなのでは…!?
「じゃ、お疲れ」
「お疲れ様でーす」
固まる隼人に気付いていないのか、手を振る瑞帆に湊はペコリと頭を下げて、スタッフルームに向かう。
動揺しつつも、隼人は後を追おうとするが、背後からその肩を掴む手があった――――翔真だ。
「隼人、ガンバ」
隼人の耳元で、隼人にしか分からないくらいの声で囁く。
しかし、その言葉とは裏腹の、ニヤついた顔。隼人はギリッ…と奥歯を噛んで、無言で翔真の頭を引っ叩き、さらには乱暴に腕を振り払って、スタッフルームへと向かった。
「雨、嫌んなっちゃいますよねー。俺の傘、普通の、ビニルのヤツですけど、大丈夫ですか? ? 隼人くん? 早っ!」
「…お前が遅ぇんだよ」
スタッフルームで湊は、ごく一般的な世間話を隼人に振りながら帰り支度をしていたのだが、振り返ったら、ほんの少しだが後からやって来た隼人が、もうすっかり支度を整えて、そこにはいた。
「すすすすいませんっ」
湊は慌ててシャツのボタンを留めるが、どうにもモタモタしている。
確かに湊は、こうしたところでモタモタしがちではあるが、それ以上に、隼人の帰り支度は早すぎる。それが彼のモットーみたいなところもあるから仕方がないが、湊は大変焦る。
「ちょっと待ってくださいね、隼人くん、まだ帰んないでくださいねっ」
「帰んねぇよ」
これでは、隼人が傘を持っていて、湊がそれに入れてもらうようだが、実際はその逆だ。
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「はい」
隼人が声にならない声で慌てふためいているのに気付かず、素直な湊は、翔真の言葉に頷いている。
同じ方向に向かう2人、1人が傘を持っていてそれを差しているのに、もう1人は濡れて歩いているのもおかしな話だから、翔真の言うことは尤もだし、湊も言われるまで気付かなかったが、言われなくても、店を出たところではさすがに気付いて隼人に傘を差し出したはずだ。
ごく自然な流れで、当然の展開に話は進んでいくが、隼人は唖然としたまま固まっている。
だって………………湊の傘に入れて行ってもらう!? そっ…それは、俗にいう相合傘というヤツなのでは…!?
「じゃ、お疲れ」
「お疲れ様でーす」
固まる隼人に気付いていないのか、手を振る瑞帆に湊はペコリと頭を下げて、スタッフルームに向かう。
動揺しつつも、隼人は後を追おうとするが、背後からその肩を掴む手があった――――翔真だ。
「隼人、ガンバ」
隼人の耳元で、隼人にしか分からないくらいの声で囁く。
しかし、その言葉とは裏腹の、ニヤついた顔。隼人はギリッ…と奥歯を噛んで、無言で翔真の頭を引っ叩き、さらには乱暴に腕を振り払って、スタッフルームへと向かった。
「雨、嫌んなっちゃいますよねー。俺の傘、普通の、ビニルのヤツですけど、大丈夫ですか? ? 隼人くん? 早っ!」
「…お前が遅ぇんだよ」
スタッフルームで湊は、ごく一般的な世間話を隼人に振りながら帰り支度をしていたのだが、振り返ったら、ほんの少しだが後からやって来た隼人が、もうすっかり支度を整えて、そこにはいた。
「すすすすいませんっ」
湊は慌ててシャツのボタンを留めるが、どうにもモタモタしている。
確かに湊は、こうしたところでモタモタしがちではあるが、それ以上に、隼人の帰り支度は早すぎる。それが彼のモットーみたいなところもあるから仕方がないが、湊は大変焦る。
「ちょっと待ってくださいね、隼人くん、まだ帰んないでくださいねっ」
「帰んねぇよ」
これでは、隼人が傘を持っていて、湊がそれに入れてもらうようだが、実際はその逆だ。
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