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どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (32)
2015.05.08 Fri
「じゃあ大和くんが5杯」
「とりあえず1杯ずつで」
出来れば千尋にはもう飲んでもらいたくないけれど、恐らくそれでは千尋の気が済まずに、余計に厄介なことになりそうなので、千尋の分も含めて注文しておく。
店員さんも、さすがに料理が大量に乗ったテーブルを見て、それ以上の追加注文を聞かずに個室を出て行った。
「もぉ~! 大和くんいっぱい飲めばいいのにぃ」
「…南條の奢りだから?」
「いっぱい飲んで、記憶なくなるくらい酔っ払ったら、教えたげようと思ったのぉ! ハルちゃんと俺のねーちゃん!」
「えぇっ!!」
その作戦て…と思いつつ、これだけ酔っ払っていても、一応遥希のことを気遣ってやるだけの気持ちはあるのはすごいとは思う。しかし、遥希と千尋の姉の関係は知りたくても、そのためにビール5杯は飲めない。
今日、琉は遥希に呼ばれたけれど、そのタイミングで千尋がこのことで南條に奢らせようとしているということは、琉も恐らく遥希から事実を聞くのだろう。だったら後で琉に聞けばいい。
「まぁ、すっげぇくだらないことだけどねっ!」
「くだらない言うな。小野田くんにしたら大事だろうが」
「だからおめぇがちゃんと水落に説明すりゃーよかったんだよっ、俺の手を煩わせんなっ!」
「わっぷ!」
大和に凭れ掛りながらジタジタしていた遥希は、手の届く範囲に遭ったおしぼりを掴むと、南條目掛けて投げ付けた。
なるほど…、こういうことをするから、南條は千尋と飲むのを嫌がるのか。
けれど、今まで大和は何度か泥酔した千尋に出くわしているが、こんな目に遭ったことないし、あんなに千尋と飲みたがる遥希も恐らく無事だろうから、この暴挙は南條限定なのだろう。
暴れる千尋を抑えているうちに、注文した3つのビールが届く。
南條はあれから多少飲んで、ジョッキの中身は減っているが、千尋にいたっては、飲む飲むと言いながら殆ど飲んでいないから、まだ飲み掛けのビールが結構残っている。
それなのに、新しいビールが届いたら、そちらに手を伸ばしているし…。
「ちーちゃん、まだこっちあるよ」
「ん~…」
「いや、ちょっ、両手は…」
飲めないなら無理に飲まなくていいし、飲むなら飲むで、飲み掛けのほうを先に飲んだほうがいいと思って言ったのに、千尋はなぜか空いていた左手で先のジョッキを掴むものだから、両手にビールジョッキを持っている状態になってしまった。
そんなの、マンガじゃないんだから…。
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「とりあえず1杯ずつで」
出来れば千尋にはもう飲んでもらいたくないけれど、恐らくそれでは千尋の気が済まずに、余計に厄介なことになりそうなので、千尋の分も含めて注文しておく。
店員さんも、さすがに料理が大量に乗ったテーブルを見て、それ以上の追加注文を聞かずに個室を出て行った。
「もぉ~! 大和くんいっぱい飲めばいいのにぃ」
「…南條の奢りだから?」
「いっぱい飲んで、記憶なくなるくらい酔っ払ったら、教えたげようと思ったのぉ! ハルちゃんと俺のねーちゃん!」
「えぇっ!!」
その作戦て…と思いつつ、これだけ酔っ払っていても、一応遥希のことを気遣ってやるだけの気持ちはあるのはすごいとは思う。しかし、遥希と千尋の姉の関係は知りたくても、そのためにビール5杯は飲めない。
今日、琉は遥希に呼ばれたけれど、そのタイミングで千尋がこのことで南條に奢らせようとしているということは、琉も恐らく遥希から事実を聞くのだろう。だったら後で琉に聞けばいい。
「まぁ、すっげぇくだらないことだけどねっ!」
「くだらない言うな。小野田くんにしたら大事だろうが」
「だからおめぇがちゃんと水落に説明すりゃーよかったんだよっ、俺の手を煩わせんなっ!」
「わっぷ!」
大和に凭れ掛りながらジタジタしていた遥希は、手の届く範囲に遭ったおしぼりを掴むと、南條目掛けて投げ付けた。
なるほど…、こういうことをするから、南條は千尋と飲むのを嫌がるのか。
けれど、今まで大和は何度か泥酔した千尋に出くわしているが、こんな目に遭ったことないし、あんなに千尋と飲みたがる遥希も恐らく無事だろうから、この暴挙は南條限定なのだろう。
暴れる千尋を抑えているうちに、注文した3つのビールが届く。
南條はあれから多少飲んで、ジョッキの中身は減っているが、千尋にいたっては、飲む飲むと言いながら殆ど飲んでいないから、まだ飲み掛けのビールが結構残っている。
それなのに、新しいビールが届いたら、そちらに手を伸ばしているし…。
「ちーちゃん、まだこっちあるよ」
「ん~…」
「いや、ちょっ、両手は…」
飲めないなら無理に飲まなくていいし、飲むなら飲むで、飲み掛けのほうを先に飲んだほうがいいと思って言ったのに、千尋はなぜか空いていた左手で先のジョッキを掴むものだから、両手にビールジョッキを持っている状態になってしまった。
そんなの、マンガじゃないんだから…。
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